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コロナ禍から県民の命とくらしを守るために
赤嶺議員の活動報告
新型コロナウイルスの感染が拡大する下で、沖縄県では、県の主要産業である観光業を中心に、県民の生活と生業に大きな影響が出ています。赤嶺議員は事業や生活への影響を把握するため聞き取り調査を行い、県民から寄せられた声をもとに、国会で政府に制度の改善・拡充を要求してきました。
赤嶺議員のコロナ問題への取り組みを、第201通常国会での国会質問を中心にご報告します。
沖縄県では2月14日に初めて感染者が確認され、連休明けの3月23日以降、急増しました。感染者の多くが県外からの来県者だったこともあり、県は4月8日に来県自粛を要請。同時に県民に不要不急の外出を自粛するよう呼びかけました。
赤嶺議員は、来県自粛要請が出される前の3月20日から21日にかけて、日本共産党沖縄県議団、那覇市議団とともに県当局や観光・飲食業界、保育関係者などと懇談し、コロナの影響を調査しました。
沖縄県では、1月から中国をはじめとした海外からの観光客のキャンセルが相次いでおり、さらに2月以降は国内の修学旅行がほとんどすべてキャンセルになりました。県や観光業界からは、感染防止水際対策の強化・徹底と雇用の維持のための制度の拡充と手続きの簡素化を求める声が相次ぎました。特に、地域に密着したホテル・旅館や旅行代理店からは、平和学習としての一環として修学旅行を受け入れており、それが大きな収入源となっていること、地域を守り、沖縄の歴史を継承するという点からも、事業を維持できるよう支援してほしいとの強い要望が出されました。
伺った要望をもとに、政府に対策を求めました。
(1)感染拡大防止のために
①国内線にサーモグラフィー設置
まず求めたのが、感染拡大防止のための水際対策の強化です。沖縄県は、県内の感染者のほとんどが航空便による来県者だったことから、空港での感染拡大防止措置として全国の国内線保安検査場へのサーモグラフィー設置を国に要望していました。
赤嶺議員は、4月6日の衆院決算行政監視委員会で、県の要望書を紹介しながら、「空路を通した全国的な感染拡大を防止する対策が急務だ」と指摘し、早急に実現するよう求めました。赤羽一嘉国土交通大臣は「大変重要な観点だ。早急に対応に向けて検討を進めていく」と答弁。同月10日の記者会見で、まずは羽田空港国内線保安検査場に設置すると発表しました。赤嶺政賢事務所にも国交省の担当者から連絡がありました。
国交省は、その後、伊丹、成田、関西、中部、福岡の各空港にもサーモグラフィーを設置し、発熱が確認された場合の航空機への搭乗自粛要請に活用しています。また、沖縄県は、緊急事態宣言解除後の感染の再拡大を受けて、8月8日から那覇空港で来県者が抗原検査を受けられるように体制を整え、水際対策の強化に取り組んでいます。
②在日米軍が感染者数の公表開始
米軍基地が集中する沖縄県では、早くから米軍基地からの感染拡大が強く懸念されていました。3月28日には、米軍嘉手納基地で初めてのコロナ感染者が確認されました。しかし、沖縄県には当初、十分な情報が提供されず、日米両政府に感染者の行動履歴、濃厚接触者の状況、県民との接触の有無などの情報の公開と迅速な提供を求めていました。
赤嶺議員は、4月3日の衆院安全保障委員会で、多くの日本人従業員が基地で働き、基地外の居住者も増加していることを挙げ、「基地ごとの感染者の発生状況は、住民の安全に関わる基本的情報だ」として感染情報の公表を強く求めました。他の野党議員からも、同様の要求が相次ぎました。しかし、政府は、行動履歴はおろか、それまで説明していた基地ごとの感染者数さえ明らかにしませんでした。3月30日、アメリカ国防総省が米軍関係者の新型コロナ感染状況を明らかにすることは安全保障上、米軍の運用に影響を及ぼす恐れがあるとして、基地や部隊ごとの感染者数、詳細をすべて非公開とする全世界的な統一指針を公表したからでした。
在日米軍関係者の感染は、県外に所在する在日米軍基地でも相次ぎ、感染情報の公表を求める声が全国から上がりました。米軍基地を抱える15都道府県でつくる渉外知事会は5月27日、在日米軍基地における新型コロナウイルス感染症の発生状況や米側の感染対策を公表するよう求める緊急要請を外務省、防衛省に行いました。
7月に入ると、普天間基地やキャンプ・ハンセンで米軍関係者の集団感染(クラスター)が発生。玉城デニー知事は、在日米軍沖縄地域調整官のクラーディー中将から「県が公表することは妨げない」(7月11日)との言質を取り付け、沖縄県からの感染者数の公表にふみきります。
こうした下で、在日米軍司令部は7月20日、ホームページで全国の基地ごとの新型コロナウイルス感染者数の公表を開始しました。沖縄県をはじめ全国の米軍基地で米軍関係者の感染が拡大する下で、感染情報の公開を求める世論の高まりを無視できなくなったものです。
一方、行動履歴や濃厚接触者などの詳細情報は依然として公表されていません。基地外の米軍関係者の居住者数も、非公表となったままです。例年7~8月は大量の米軍部隊・関係者が異動の時期を迎えますが、その規模も明らかにされていません。詳細情報の提供と公表は感染拡大防止に不可欠です。
玉城デニー知事は、在沖米軍基地での感染の急拡大を受けて、普天間基地やキャンプ・ハンセンの閉鎖や米国からの移動禁止を日米両政府に要請。沖縄県選出の野党国会議員でつくる「うりずんの会」も7月15~16日、沖縄防衛局と外務省沖縄事務所を訪れ、同趣旨の要請を行いました。赤嶺議員は、政府が世界最大の感染国である米国からの入国そのものを拒否する措置をとりながら、米軍関係者をその例外としていることについて「政府の対策に大きな穴が開いている」と厳しく批判しました。いまは感染拡大防止を最優先にすべきで、米国からの米軍関係者の移動を中止し、抜け穴をふさぐことは急務です。
③辺野古工事の一時中止を
政府が感染防止のための3密対策を呼び掛ける一方で、辺野古のキャンプ・シュワブゲート前では、警備員がマスクもせずにスクラムを組んで警備に当たり、抗議行動参加者からは不安と疑問の声が寄せられていました。
赤嶺議員は、4月7日の衆院安全保障委員会で、「感染拡大を防止するためにも、工事をいったん止める判断をすべきだ」と求めました。防衛省は、工事受注者からコロナの感染等により工事を一時中止・延長などの要望があった場合はそれに「応える」と述べたものの、「一時中止の意向は示されていない」として工事を継続する姿勢を示しました。
質問翌日の辺野古ゲート前では、警備員がマスクを着用する姿が見られました。その後、工事関係者にコロナ感染が判明し、受注業者からの工事の一時中止の要望を受けて、4月17日から6月11日までの間は工事が止まりました。しかし、県議選挙から5日後の12日、工事は再開されました。
(2)沖縄の観光業、事業と雇用を守れ
①雇調金の手続きを簡素化
沖縄の観光業を守り、雇用を維持するための制度の拡充も必要でした。観光業界から強い要望があったのが、雇用調整助成金制度の申請手続きの簡素化です。そもそも雇調金制度はこれまで製造業が使用する例が多く、観光業やサービス業を対象にした仕組みになっていませんでした。そのため、「書類を用意するだけで一苦労だ」「雇用を維持したいが、あまりにも煩雑過ぎて申請する気になれない」という声が多く寄せられました。
赤嶺議員はこうした実態を紹介しながら「手続きの煩雑さに更に希望を失うという状況だ」「観光業界は途方に暮れている」と強調し、「具体的に手続きの簡素化を進めていただきたい」と迫りました(4月6日衆院決算行政監視委員会)。自見はなこ厚生労働大臣政務官は、「提出する書類の枚数が多いこと、あるいは事務負担ということもふまえ、十分に検討する」と答弁。厚労省は5月19日、休業計画届の廃止、助成額の算定方法の簡略化など手続きを簡素化しました。
また、雇調金の助成上限額の引き上げを求める声も全国から上がり、与野党が党派を超えて要求し、1人当たり日額8,330円から1万5,000円に引き上げられました。
②NHK受信料を免除
ホテル・旅館業界からは、NHKの受信料減免の要望も出されました。キャンセルが相次ぎ、ほとんどが空室の状態にもかかわらず、NHKの受信料は宿泊客の有無に関わらず支払わなければならない、何とか免除してほしいという要望でした。ホテルや旅館は各部屋に設置したテレビについて、一台ごとにNHKと受信契約を結んでいるため、受信料は大きな負担です。収入がない中で、とても受信料を支払うことなどできません。これは沖縄県だけでなく、全国の観光地で起こっている問題でした。
赤嶺議員は早急な対応が求められると指摘し、総務省とNHKの見解をただしました(4月6日衆院決算行政監視委員会)。NHKの松原洋一理事は「とにかくスピード感を持って、できるだけ早く示せるように対応していくと」答えました。NHKは、持続化給付金の受給事業者を対象に、申請した月とその翌月の2か月間、受信料を全額免除すると発表し(5月11日)、5月18日から申請の受付を開始しました(2021年3月31日まで)。
③フリーランスも持続化給付金の対象に
沖縄県の観光産業の落ち込みが深刻になる中、フリーランスでバスガイドをしておられる方から相談がありました。修学旅行などがすべてキャンセルになり収入がない、持続化給付金を申請しようとしたが、給与所得と雑所得で確定申告をしている人は制度の対象外だと言われたとの訴えでした。
赤嶺議員は給与所得・雑所得で確定申告している事業者、また、同様に対象外となっていた、2020年に新規創業した事業者も持続化給付金の対象となるよう制度の改善を要求しました(5月22日決算行政監視委員会)。梶山経済産業大臣は「対象となるよう、制度設計を考えている。早めに示したい」と答弁。中小企業庁は6月29日から「主たる収入を雑所得・給与所得で確定申告した個人事業者」「2020年1月から3月に創業した事業者」の申請を開始しました。
一方、被扶養者や不動産所得で申請している個人事業者、4月以降の開業者・開業予定者など、まだまだ給付の対象となっていない方が多くいます。給付の遅れも問題です。さらなる改善を求めていきます。
(3)自粛と補償はセットで
沖縄県の来県自粛要請以降、赤嶺議員は、東京にいながらも沖縄の状況を把握するため、地元議員と連絡を取り合い、また関係者団体やご相談のあった方々と直接電話で話をし、実態を聞き取りました。
政府は4月7日に緊急事態宣言を発出し、国民に営業自粛や外出自粛を要請します。ところが、自粛要請に対する補償には背を向け、生活に困窮する人々が増えていく中で、「自粛と補償はセット」という声が全国で起こります。赤嶺議員のもとにも、「売り上げが98%減少した。2週間以上経っても雇調金がまだ出ない」「持続化給付金の200万ではとてもやっていけない」「仕事がなくなったが、対象となる救済制度がない」「大学がネット授業になったが、ネット環境を整えるお金がない」「保育園の登園自粛要請を受け家庭保育にしたが、その間の収入がゼロになる」など、十分な補償・支援を求める声が多く寄せられました。
①地方創生臨時交付金を拡充
政府が外出自粛や県境をまたいでの移動自粛を要請し、国民の生活への影響が長期化する中、沖縄県をはじめ地方自治体が強く求めていたのが、自治体が地域の実情に応じて使える自由度の高い「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」の拡充です。同交付金は、日本共産党の大門みきし参議院議員が、地方自治体が使える交付金の創設をと提案したのをきっかけに(3月8日参議院財務金融委員会)、党派を超え、また全国の自治体が強く要望し、政府が創設したものです。多くの自治体が、自粛要請に対する住民や事業者への協力金や手当金などに交付金を充当しています。
政府は第一次補正予算で同交付金に1兆円を計上しましたが、野党は1兆円ではとても足りないとして、5兆円に増額するよう求めました。全国知事会も5月20日に「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の『飛躍的増額」に向けた緊急提言」を出し、大幅な増額を要求していました。
赤嶺議員は、沖縄県を含め財政力の制約のために住民への追加支援にふみきれない自治体が生まれていることにふれ、「すべての国民が厳しい状況にある中、住んでいる場所によって支援に格差があるというのはあってはならないことであり、これをただすのは国の責任だ」と強調。すべての国民への十分な支援という観点からも、同交付金を抜本的に増額するよう改めて要求しました(5月22日決算行政監視委員会)。政府は第二次補正予算で同交付金に2兆円を積み増し、第一次補正予算と合わせ、総額3兆円に拡充しました。
7月以降の感染の再拡大を受けて、沖縄県をはじめ全国の自治体が臨時交付金のさらなる増額を求めています。国会でも引き続き拡充を要求していきます。
②沖縄の伝統芸能守れ ―文化芸術に1千億円の国庫支出を―
新型コロナウイルスの感染拡大により、沖縄県内で文化芸術活動に携わっている方々にも深刻な影響が出ています。赤嶺議員は、公演の延期や中止で収入が絶たれる一方で、稽古を行う道場の土地代や家賃が重い負担となり、芸能をあきらめる沖縄伝統芸能の実演家が多くいる実態を示し、「伝統芸能の継承にとって大きな痛手だ」と強調。「一度失ったものを取り返すことは難しい」という沖縄県芸能関連協議会(沖芸連)の玉城節子副会長の言葉を紹介し、文化芸術団体などが求める「文化芸術復興創造基金」への国庫からの1千億円規模の拠出を求めました(6月18日沖縄北方特別委員会)。上野通子文部科学副大臣は同基金の周知・広報に努めるとする一方、その寄付額は約162万円しか集まっていないことを明らかにしました(6月17日時点)。赤嶺議員は「それでは事業にならない」と批判し、過去に政府が541億円を出資して「芸術文化振興基金」を創設した事例を挙げ、国の財政支援を強く求めました。
③医療機関の減収補填を ―このままでは地域医療が崩壊する―
新型コロナウイルスの感染が拡大する下で、患者を受け入れている医療機関に加え、それ以外の医療機関においても、受診控えなどによる深刻な経営難に直面しています。このままでは、地域医療そのものが足元から崩壊することになりかねません。
赤嶺議員は、県内のある介護施設の理事長が国会事務所に寄せたFAXで、「公私ともに負担を強いられている現状の職員に対して、十分な手当の支給ができなくなる」として緊急の減収分の補填を求めていることを紹介し、第二次補正予算に盛り込まれなかった医療機関への減収補填を要求しました(6月18日沖縄北方特別委員会)。橋本岳厚生労働副大臣は、「地域の医療機関は、複数の医療機関が連携して面で対応するもので、その一部が欠ければ成り立たない」「医療機関全体として必要な診療の継続を確保することによって初めて医療提供体制を維持することができる」との認識を示す一方、具体的な対応としては、これまでの補正予算に盛り込まれた緊急包括支援交付金の拡充などを挙げるにとどまりました。医療機関への減収補填を求める声をさらに大きく広げることが求められています。
最後に
この間、ここでご紹介した取り組みに加えて、国民1人当たり10万円の給付金や家賃支援給付金、学生への給付金の創設、児童手当の拡充など、国民の声が政治を動かしています。国会事務所に寄せられた個別の相談の解決に一緒に取り組む中で、育休期間の延長に伴う育児休業給付金の追加支給が認められ、また、過去の保証債務を理由に門前払いにされたという沖縄振興開発金融公庫の融資窓口での対応に変化が生まれています。あきらめず、声を上げることが大切です。
コロナが収束する見通しは立っておらず、長いスパンでの支援が必要です。引き続き、コロナで苦しむ県民の皆さんのお話を直接伺い、解決に向けて全力で頑張ります。