エッセイ

衆院候補の手記  大きな政治的激動を予感

 

 沖縄県知事選挙は、辺野古新基地建設を許さない確固たる民意を示す結果となった。「うまんちゅの会」の候補者、翁長雄志さんは、現職の仲井真知事に9万9754票の差をつけて圧倒的な勝利をおさめた。選挙期間中各地で「ゆくさー(うそつき)を許すな」という怒りは、わたしたちの想像以上だった。

 

 投票日を翌日に控えた15日の夕方の街頭演説会で翁長候補は、「私たちの政治の力よりも、県民の力のほうが、この枠組み(保革を超えたオール沖縄)の先をいっていて、県民の皆さんの方が沖縄のあるべき姿を私たち政治家に示していただいた、ここで心が一つになったということを強く感じております。県民の皆さん方に、そのご見識に心からの感謝を申し上げます」と選挙期間中各地を回った実感をのべた。

 

 いま、県民自らが政治を動かすために立ちあがっている。辺野古埋め立てのポーリング調査強行開始以来、私も同じことを考えてきた。県民は、新基地を建設させないために心が一つになっている、この状況は、米軍の直接占領を打ち破るきっかけになった1968年の「主席公選」当時の県民感情と共通している。

 

 県知事選挙の最終盤、にわかに国会解散の嵐が吹き荒れた。安倍内閣は、沖縄県知事選挙の結果を恐れている。知事選挙の渦中でそう直感した。「赤嶺さんの選挙も始まるね」という声もかかるようになった。そして、「裏切りのはじめは、沖縄選出の自民党国会議員。石被幹事長(当時)のうしろでうなだれている国会議員の写真はほんとうに情けない。こんどは、沖縄から自民党国会議員を一掃しよう」という声となって広がっている。当選の晩は、事務所に集まった人たちの間では、もっぱらその話で持ちきりだった。沖縄から自民党の国会議員全員を一掃することに成功すれば、安倍内閣に決定的な打撃になる。

 

 私には、このたたかいとともに、比例代表選挙での得票を伸ばし、九州・沖縄の悲願の2議席回復、必ずかちとる責務もある。14年間で6回目の総選挙。こんどほど、大きな政治的激動を予感させる選挙は初めてだ。(しんぶん赤旗 2014年11月19日)

 

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