エッセイ

水曜随想  知事選勝利し建白書実現

 

 沖縄県知事選挙の告示は2週間後に迫った。候補者のオナガ雄志さんは、かつては自民党県連の幹事長をつとめ、その後、那覇市長に就任。4年前の県知事選挙では、現在の仲井真弘多県知事の選対本部長として選挙の指揮をとっていた人だ。

 

 「そんな人物をなぜ、日本共産党が推しているのか」と聞かれた事がある。質問をした人は全国紙の新聞記者だった。私は、沖縄の保守本流の中で育った政治家の中からでさえ、「辺野古新基地建設反対」の声が上がっているいまの沖縄の声に耳を傾けなければ、逆に安倍政権が危機に直面することを丁寧に説明した。

 

 私たちとオナガさんを結びつけたのは、昨年の1月28日に安倍総理に提出した「建白書」だ。なぜ、「建白書」提出にいたったか? それは10万余の県民が参加して開催されたオスプレイ配備反対の2012年9月9日の県民大会が直接のきっかけだ。当時は民主党政権だったが、政府は県民世論を無視してオスプレイ配備を強行した。その直後の総選挙で民主党政権は崩壊した。

 沖縄県民は誕生したばかりの安倍首相に、県民大会の決議を踏まえて、県内41の市町村長、議会議長、県議会全会派代表、経済界代表らが参加して、①オスプレイ配備の即時撤回、②普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念を内容とする「建白書」を提出した。

 

 10月6日の衆院予算委員会で、私は「建白書」を背負って、安倍首相を徹底して追及した。首相は質問に答えきれなくなったら、答弁にたたない。そればかりか、総理席から質問者をやじりまくる。総理大臣としての最低限の品性さえ維持できなくなった狼狽(ろうばい)ぶりだった。安倍首相は、仲井真知事の「埋め立て承認」を最後のとりでにしている。

 

 オナガ知事予定候補は9月13日の出席表明の記者会見で「まずはこの知事選挙に勝って、承認そのものを私たち県民の力で取り消そう」と訴えた。

 

 「建白書」実現の島ぐるみのたたかいは、県知事選挙勝利から始まる。(しんぶん赤旗 2014年10月15日)

 

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