エッセイ

水曜随想  安倍内閣に国内外から批判

 
 
 東京都知事選挙の結果は残念だったが、宇都宮健児さんは演説のなかで、たびたび名護市長選挙の結果にふれ、「お金で魂を売らなかった。勇気と感動をもらいました。今度は都民の番です」と訴えておられた。氏の演説の内容は常にとぎすまされており、聞く人の心をとらえ、心洗われるものであった。「たたかいはここから、たたかいはいまから」だ。
 
 つい最近、TBSのBS放送の番組で、自民党の佐藤正久参議院議員と「普天間基地、靖国参拝、集団的自衛権」の3テーマで議論する機会をえた。
 
 メディア好みの「自共対決の大バトル」の番組ということだろう。コマーシャルを常に3回はさむ予定だったが、司会者も大手新聞社の解説者も白熱した議論を制止できず、とうとうコマーシャル1回分の粋がふっとんでしまった。BS番組のいいところかもしれないが、番組のプロデューサーはぷりぷりだった。
 
 番組がかかげた3テーマの底流には、いずれもこれらの分野で安倍内閣は暴走しており、米国内でも懸念と失望の声があがり、日米同盟が危うくなっているという番組製作者の問題意識があった。
 
 番組が終わってからも、大手新聞の論説委員は、ダボスの会議での安倍首相の「第1次世界大戦の英独関係」にふれた発言が、欧州メディアの危機感を拡大していると話していた。自民党の佐藤議員は、何が起こっても「日米同盟は不動。信頼関係は崩れない」の一点張りだった。迫られている問題への対処を先送りし、オバマ政権が変わったらもとにもどると全く意に介さない。
 
 番組の中ではそうだったが、休憩時間で2人きりになった時、彼は私にあるベテラン議員の名をあげて、「日韓関係をぶちこわしている安倍首相の言動に党幹部も怒っている」と党内事情をうちあけた。集団的自衛権が声だかにもてはやされるが、冷静に考えている人々の間では、あまりにもリアリティーに欠ける議論だと、国内はもちろん米国のなかでも批判が強い。
 
 国会論戦も今がたけなわ。この暴走をどう組み伏せるか、論戦準備に緊張の毎日を送っている。(しんぶん赤旗 2014年2月12日)
 

BS放送の番組に討論出演する赤嶺議員(右)

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