エッセイ

水曜随想  沖縄の誇り取り戻す勝利

 

 名護市長選挙投開票の翌朝、県庁前で街頭演説をして国会に戻った。久しぶりにパソコンを開けたら、学生時代の友人から「大差で勝利、新年おめでとう!」とのメール。胸にじんときた。

 

  再選が決まった直後、稲嶺進さんが「みなさん、1月31日は旧正月です。みんなでいい正月を迎えましょう」と沖縄方言で呼び掛けると、事務所前の広場に集まっていた支持者はどっと沸き上がった。涙を拭った人も多かったことだろう。

 

 昨年のクリスマスの日、仲井真弘多県知事は安倍首相との会談で、「いろいろと驚くベき立派な内容をご提示いただき県民を代表して心から感謝申し上げる」「有史以来の予算」と発言した。「よい正月が迎えられる」という言葉を残して官邸を後にし、その2日後に新基地を造るための辺野古埋め立て申請を承認した。

 

 県民は誇りと尊厳を深く傷つけられていた。「沖縄は金で魂を売った」などと言われたくない。名護市長選挙は沖縄の誇りを取り戻すたたかいだった。名護市民の良識に深く感謝したい。

 

 やっとわれわれの良い正月を取り戻した。「イイ・ソーグヮチ・デービル」(良い正月だ)― 旧正月の日はそんなあいさつが、名護をはじめ県内各地で交わされることだろう。

 

 市長選挙に応援に入った女性からもメールが来た。「名護ではお世話になりました。稲嶺氏が勝利できて本当によかったです。ネットではいきなり、『21日にも辺野古埋め立て調査手続き』と書かれてました。 今回の市長選挙の結果の重みを、政府はわかってないんですよね。ここに憤りを感じます。本当にこれからが大変なたたかいかも知れませんが、県民の総意をぶつけて頑張ってください。また、沖縄にいって皆様にお会いできるのを楽しみにしています」 国会関係者からのメールは「お渡れ様でした。県民の底力に感動しました。悔い改めない政府にどう反撃していくのか、国会でどう追及していくのか、これからの仕事も重要です」

 

 いよいよ24日から国会が始まる。名護市長選挙の勝利は、私たちに重い責任を託した。(しんぶん赤旗 2014年1月22日)

 

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