エッセイ

水曜随想  立ち上がる国民の姿

 

 7月18日付の「水曜随想」で、「いま日本にいらないものは、原発、民主党、オスプレイ」というアイドル歌手の歌を紹介した。

 当時は、人づてに聞いた話だったので、自らも確認したいと思っていたら、「水曜随想」を読んだ知人から、そのアイドル歌手は「制服向上委員会」と教えてもらった。

 歌の題名は「胡蝶の夢」。1番の歌詞は「原爆落としたアメリカの 野望にへつらう政治家が 魂売って買ったのは 基地に原発 オスプレイ」。歌詞に無理がない。9番は「いらないものが多すぎる原発 増税 民主党 報道できないマスコミと 米軍基地にオスプレイ」と結ぶ。知人からはDVDもいただいた。

 若いアイドルたちが、軽快なリズムにのせて、踊り、歌い、愚かな権力者たちを斬りまくる。だから、拍手大喝采だ。

 毎週金曜日の首相官邸前の反原発デモに参加したときのことだが、音楽家の坂本龍一さんが突然会場に現れた。カメラをもったマスコミが坂本龍一さんを追っ掛けている。一般の通行人のために空けてあった歩道のスペースは、たちまちメディアの取材陣によってふさがれてしまった。主催者に促されても通路をあけようとしない取材陣にむかって、「マスコミ帰れ、マスコミ帰れ」と一斉に声が上がりはじめた。歩道をふさいでいる取材姿勢への抗議、真実を報道しない巨大メディアへの怒りと受け止めた。

 先週、国会内の集会で、関東一坪反戦地主会、ピースボートや哲学者の高橋哲哉氏などのよびかけで、沖縄の県民大会に呼応して、9月9日に国会包囲デモを行おうという提案が行われた。

 「沖縄を変えるためには、日本の政治を変えなければならない」と、高橋氏は決意を語った。私は「本土と沖縄の連帯したたたかいの新しい段階」と激励のあいさつをした。

 229日間続いた通常国会の会期末に見えてきたのは、「二大政党」勢力の政治路線の無残な破綻と、「新しい明日」の到来を信じて、立ち上がり始めた国民の姿だ。日本共産党の使命がますます輝いていることを実感している。(しんぶん赤旗 2012年9月5日)

 

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