エッセイ

水曜随想  日本共産党の存在感

 

 延長国会での論戦が2週間余も空転したあげくやっとはじまった。

 初日の7月6日にはじまった予算委員会の論戦で日本共産党の存在感が遺憾なく発揮された。

 笠井議員のとりあげた九州電力玄海原発の再稼働をめぐる「やらせメール」問題だ。7日のNHKの「ニュースウオッチ9」では、「やらせメール」を入手した日本共産党福岡県委員会の岡野隆県委員長と、鹿児島県議会で、九州電力の「やらせメール」問題を追及した、まつざき真琴県議も登場し、再稼働をやめさせるために奮闘してきた党の姿を鮮明にした。

 まつざき県議は当日、馬毛島への米軍艦載機離着陸訓練(FCLP)移転問題で上京中だったので、インタビューは急きょ赤嶺室の会議室を使って行われた。10日の熊本出張の際、博多駅で買った朝日新聞1面には、佐賀県議会の武藤明美議員の同問題での追及が大きな記事になっていた。

 菅首相は、運転再開で海江田経済産業相と歩調をそろえていたが、一連の追及と九州電力の国民を欺くやりかたに広がった国民世論をみてとり、突然再開の前提条件として「ストレステスト」(耐性試験)を持ち出してきた。菅総理の露骨な心変わりと延命術だ。はしごを外されてしまった海江田経産相は「辞任」を口走っている。

 7月8日の本会議で「原子力損害賠償支援機構法案」の審議が行われたが、海江田大臣が答弁席に立つと、民主党席からは万雷の同情の拍手が起こり、菅首相が答弁に立つと冷ややかな空気が本会議場全体に流れた。その本会議で公明党の議員が「失政に次ぐ失政を重ねながら居座り続ける、恥しらずな史上最低の首相と烙印(らくいん)を押される前に身を処すべきだ」と大演説した。答弁に立った菅首相は、すかさず「今回の原発事故は、長年与党だった公明党の皆さんにも責任の一端はある。全ての失政を押し付け、責任を逃れようとすることこそ、恥の文化に反する」と切り返した。「原発利益共同体」という同じ根っこでむすばれた自公民の論戦は、違いがないので、揚げ足取りだけが繰り返される。

 その日の法案審議にたった吉井英勝議員は、この法案が、「東電と3メガバンクの救済法」であり原発被災者を線引きするものであることを根拠をあげてじゅんじゅんと説いた。本会議場が張り詰めた緊張感に包まれたことはいうまでもない。(しんぶん赤旗 2011年7月13日)

 

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