エッセイ

水曜随想  意見書みぞうの6千通

 

 辺野古の新基地建設に反対するたたかいが緊迫した局面を迎えている。政府が、環境アセス「準備書」を沖縄県、名護市、宜野座村に提出し、沖縄県知事は、政府の手続に協力することを表明しているからだ。

 10月ごろには、沖縄県知事から政府に意見書が提出され、滑走路沖合い移動の合意がつくられ、来年初頭には、政府から沖縄県への埋め立て申請が提出、沖縄県はそれを許可し、来年初頭には工事に着工できるというシナリオだ。問題はこんな幼稚なシナリオをどう粉砕するかだ。

  最近の世論調査で、防衛省が環境影響評価調査で「環境におよぼす影響はそうじて少ない」と結論づけたのにたいし、「納得できない80%」「納得できる7%」という数字がでた。

 「防衛省には、環境調査をになう資格がないことを意味しているのではないか」、わたしは、5月22日の外務委員会で、防衛省の局長に厳しく迫った。 環境アセスには、住民意見提出という手続きがある。防衛省はだされた意見のすべてに回答しなければならない。

  質問の前日のことだが、「6000通近くの住民意見書がでたんですよ。これをまとめて県知事に送り、沖縄県の環境監視検討委員会が始まる。それから120日以内に県知事から政府に回答がくる。赤嶺先生、意見書まとめる作業で大変なんです。次のメドと聞かれても答えられません」と防衛省の担当者が顔色をかえていた。5月15日にしめきられた住民意見書は、日本の環境アセス史上未曾有の数らしい。政府も大慌てしている。

 「10月までの間に行われる総選挙と那覇市議選挙で日本共産党が躍進したとき、新基地建設推進のスケジュールは完全に頓挫する」。こんな作戦を考えながら国会の廊下をあるいていたら、外務大臣を経験した自民党の大物政治家が「ヤー」と声をかけてきた。

 「お元気ですか」とあいさつをしたら、「元気なわけがない。もう野党転落目前だ」とおっしゃるから、「そのときは野党席からいっしょに米軍基地問題追及しましょう」と申し上げた。

  大事なことは、政権交代があっても、日本共産党がのびなければ新基地建設はとまらないということなのだ。(しんぶん赤旗九州・沖縄面2009年5月27日)

 

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