国会質問

質問日:2024年 2月 26日  第213国会  予算委員会

新基地 完成見通せず 辺野古側 想定10倍の遅れ

普天間無条件撤去こそ

衆院予算委 赤嶺議員が迫る

 日本共産党の赤嶺政賢議員は26日の衆院予算委員会で、米軍辺野古新基地建設(沖縄県名護市)について、水深の浅い辺野古側の埋め立て工事でも想定の10倍の期間を要し、軟弱地盤が広がる大浦湾側の長期化は必至だとして米軍普天間基地の無条件撤去を求めました。

 政府は大浦湾側の軟弱地盤改良工事に伴い、新基地建設の工期を9年3カ月、提供手続きを含めた全体で12年に見直し、起点を1月10日としています。政府の想定では新基地完成と普天間基地返還は2036年1月となりますが、岸田文雄首相は工期内の工事終了を明言していません。

 赤嶺氏がなぜ明言しないのかと質問したのに対し岸田首相は、「全力で取り組む」としか答えませんでした。

 2018年12月から始まった辺野古側の埋め立て工事の進捗(しんちょく)率をただした赤嶺氏に木原稔防衛相は99・5%と明らかにしました。赤嶺氏は、当初は半年あまりで完了するとしていた計画が、10倍の5年かかっていると指摘。大浦湾側の軟弱地盤は、作業船が施工できる水深70メートルを超える90メートルに及び、前例のない難工事だと強調しました。

 韓国が2000年代に行った水深70メートルの海底トンネルの地盤改良工事でさえ、砂杭(すなぐい)を打ち込むための設備が突風や高波で折れ曲がるなどの事故やトラブルが多発したとして、「計画通り進められると言うなら、具体的な根拠を示すべきだ」と迫りました。

 岸田首相は「過去のさまざまな経験に基づいて見通しを示している」などと強弁。赤嶺氏は「これまでの経験を言うなら、辺野古側の期間は10倍のペースだ。このペースだと基地完成に120年かかることになる」と反論。「『辺野古が唯一』との固定観念から抜け出さない限り、普天間基地の返還は実現できない」と強調しました。

 

 

戦没者遺骨残る土砂 埋め立て使用中止を

衆院予算委 赤嶺議員が迫る

 日本共産党の赤嶺政賢議員は26日の衆院予算委員会で、戦没者の遺骨が残る沖縄本島南部の土砂を使用して米軍辺野古新基地建設を進める計画を批判し、「戦没者の無念と遺族の心情に寄り添って、この地域の土砂を埋め立てに使用するのはやめるよう指示すべきだ」と岸田文雄首相に迫りました。

 赤嶺氏は、埋め立て土砂の県内調達可能量の約7割が本島南部(糸満市・八重瀬町)に集中しており、「沖縄戦の最後の激戦地で、戦後78年を経た今も、戦没者の遺骨が発見され、遺族のもとに送り届けられる活動が続けられている」と指摘。戦争の悲惨さ、平和の尊さを認識し、戦没者の霊を慰めることを目的として、沖縄戦跡国定公園に指定されていると強調しました。

 その上で、計画が明らかになって以来、「戦没者を冒とくするものではないか」との怒りの声があがり、計画中止を求めて全国の地方議会から約200件の意見書が上がっていると指摘。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の代表や遺族らが土砂採取をやめるよう防衛省に要請したが、応じていないとして、同省への指示を出すよう求めました。

 岸田首相は「土砂の調達先は現時点では確定していない」と答弁。赤嶺氏は「発注者である政府が調達先から除外しない限り、南部の土砂が使用されることになる」と批判しました。

 赤嶺氏が2003年度以降、厚生労働省に寄せられた沖縄戦の戦没者遺骨のDNA鑑定の実績をただしたのに対し、武見敬三厚労相は申請者数が1716人に上り、身元が判明したのは6人と答弁(表)。赤嶺氏は「遺族はいちるの望みをかけて遺骨を探し続けている」と強調。土砂採取の中止を重ねて求め、「こんな理不尽なことをしない限り完成できない基地の建設はやめるべきだ。普天間基地は直ちに無条件で撤去すべきだ」と主張しました。(しんぶん赤旗 2024年2月27日 一部修正)

 

質問の映像へのリンク

辺野古側 想定10倍の遅れ(衆院予算委)

参考資料

委員会配布資料

このページをシェアする