国会質問

質問日:2023年 12月 11日  第212国会  沖縄北方特別委員会

振興予算減 沖縄悲鳴 赤嶺氏、増額求める

衆院委

 日本共産党の赤嶺政賢議員は11日の衆院沖縄北方特別委員会で、沖縄振興予算が年々減らされ、沖縄の地域経済に影響が出ている問題を取り上げ、予算の増額を求めました。

 赤嶺氏は、沖縄県に使途の裁量のある一括交付金がこの10年間で1000億円減らされ、沖縄県産農林水産物の県外への輸送費補助事業にも、県が予算の削減や補助単価の見直しを余儀なくされたと指摘。

 農家から「補助がなくなれば花農家をやめる」など悲痛な声が上がっているとして、一括交付金の増額を求めました。

 自見英子沖縄担当相は「県が自主的な選択に基づいて(予算を)充てている」とし、予算減額による同事業への責任を県に転嫁。赤嶺氏は「国が予算を減らしておきながら、全ての責任を県に押しつけるやり方は姑息(こそく)だ」と反論しました。

 また、干ばつ常襲地域である南大東村でも貯水池の整備に遅れが出ていると指摘し、予算の増額を重ねて求めました。(しんぶん赤旗 2023年12月13日)

 

 

 

振興に反する要塞化

赤嶺氏 空港・港湾整備 狙い告発

衆院沖北特委

 日本共産党の赤嶺政賢議員は11日の衆院沖縄北方特別委員会で、政府が安保3文書に基づき検討を進める空港・港湾の整備計画の撤回を求めました。

 赤嶺氏は、政府が沖縄の本土復帰にあたり、県民の多年にわたる忍耐と苦難に対する「償いの心」を強調したことに言及。地上戦とそれに続く米軍占領で、社会インフラの立ち遅れや構造的な貧困がもたらされたにもかかわらず、再び戦火を呼び込む軍事要塞(ようさい)化を沖縄振興予算まで動員して進めようとしているとして「沖縄振興の原点に真っ向から反する」と追及しました。

 自見英子沖縄北方担当相は「民生利用を主とする」とし「沖縄振興の趣旨に反するものにはならない」と強弁。赤嶺氏は当初から軍事利用を目的としていることを挙げ「戦場になった沖縄で軍事要塞化のためのインフラ整備を進めるなどとんでもない」と批判しました。

 赤嶺氏は、政府が「米軍の使用は念頭に置いていない」と説明していることに言及。米軍が日米地位協定第5条で空港・港湾に自由に出入りする権利が保障されていることを指摘し、整備後も変わりないかとただしました。上川陽子外相は「新たに整備される空港・港湾でも同様だ」と答弁。赤嶺氏は「滑走路の延長や港湾のしゅんせつ・拡張などを行えば、米軍も使用できる環境が整う」として「米軍の戦闘機や艦船が使用する危険は重大だ」と強調しました。(しんぶん赤旗ホームページ)

質問の映像へのリンク

振興予算減 増額求める(衆院沖北特別委)

議事録

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 今日は、まず、沖縄振興予算について質問をします。
 沖縄振興予算は、二〇一五年度以降、年々減額をされ、中でも一括交付金はこの十年間で一千億円も減らされてしまいました。その結果、沖縄の地域経済に大きな影響が出ています。
 一括交付金を使った事業に農林水産物条件不利性解消事業があります。沖縄県産の農林水産物を県外に出荷する際に、鹿児島までの距離に当たる輸送費を補助するものです。農家にとても喜ばれ、沖縄の農業を支えてきた事業の一つでした。
 ところが、沖縄振興予算が大幅に減額される下で、沖縄県は予算の削減や補助単価の見直しなどの制度の変更を余儀なくされました。農家からは、いつかなくなってしまうのではないかと心配している、輸送補助がなくなれば花農家をやめるなど、悲痛な声が上がっています。
 一括交付金を増額して県が十分な予算を充てられるようにすべきだと思いますが、大臣、いかがですか。

○自見国務大臣 お答えいたします。
 沖縄の農林水産業は、亜熱帯の地域特性を生かしたサトウキビやあるいは園芸作物などの重要な供給機能を果たすとともに、離島地域の基幹産業として、雇用の創出や移住、定住条件の確保にも寄与してございまして、地域振興や国土の保全にも大きく貢献していることから、農林水産物の輸送条件の不利性解消は重要な課題であると認識をしてございます。
 御指摘の農林水産物条件不利性解消事業は、沖縄県が、一括交付金を活用して、沖縄県の地理的不利性から生じる流通コストの軽減のため、農林水産物の輸送費の一部補助や、あるいは持続可能な流通ネットワーク構築のための取組を支援する事業であります。
 一括交付金は、沖縄県が自主的な選択に基づいて実施する沖縄振興に資する事業に充てておりまして、その事業の選択、内容等については沖縄県の自主的な判断を尊重すべきであると考えてございます。
 内閣府といたしましては、御地元のお声をしっかりと幅広く頂戴しているところではございますが、県とも引き続き相談しながら、県が実施する沖縄振興に資する事業について、一括交付金を通じて支援してまいりたいと考えてございます。

○赤嶺委員 強い沖縄経済ということがよく言われますが、その根幹は農業だというのは、もう誰の目にもはっきりしております。今大臣は、予算を減らしたのはあたかも予算の優先順位を決める沖縄県の方だと言っておりましたが、この事業は一括交付金で行われていて、一括交付金は一千億円も減らしているんですよ。国が、一千億円も減らした上に、順番は沖縄県で決めなさいということは、ちょっと政府の立場としては私は言い過ぎじゃないかと思うんですよ。減らした責任も問われるべきだと思いますよ。
 今年の七月四日の沖縄県議会では、農業団体を参考人として招致し、この事業について議論されています。そこで県の担当者は、国との協議の中で総合物流施策大綱等を踏まえた新たな枠組みを求められたと答弁しています。これは、国の圧力の下で制度の見直しに追い込まれたことは明らかじゃないか、このように私は思います。
 予算を削っておいて全ての責任を県に押しつけるようなやり方はこそくだと言わざるを得ません。元どおりの条件不利性事業の予算に戻るように、一括交付金も一千億円減らすんじゃなくて増やしていく方向で、強い沖縄経済と言うならそれをやるべきだと思います。
 もう一つあります。その一括交付金が減らされたことによって影響を受けているのは、輸送費の補助だけではありません。南北の大東島では、今年の年間降雨量が記録史上最少となる見込みで、サトウキビの収穫量の減少が報告されています。干ばつ対策として求められているのが水源施設の整備です。
 南大東村の旧東第二地区では、二〇一一年に事業採択された水源整備事業、これは一括交付金のハード交付金です。これが、当初二〇一八年の供用開始を目指していたところ、一括交付金の減額の影響を受けて二〇二五年以降となっています。農家の皆さん、この間も上京し、キビ農家を支えなければ島から人がいなくなる、大臣がおっしゃった離島農業の逆行が起きてくるわけです、農業ができなければ島の存続に関わると切実に訴えられておりました。
 大臣は先ほどから強い沖縄経済を繰り返していますけれども、その柱の一つは農林水産業です。そうであるならば、一括交付金、ソフト、ハードも含めて、やはり減らし続けるのではなくて増額が必要だと思いますが、いかがですか。

○自見国務大臣 お答えいたします。
 お尋ねの南大東村においては、サトウキビ等の生産性の向上と安定的な生産を確保するため、ハード交付金を活用し、旧東第二地区等で貯水池の整備を行っているところであります。
 旧東第二地区につきましては、現地の地盤が想定以上に悪かったというところがございまして、対策工、対策工とは地盤の置き換え工事を指しますが、対策工の検討、実施などにより、令和七年度の貯水池の完成に向けて事業の管理を行っていると伺ってございまして、引き続き進捗状況を内閣府としても注視してまいりたいと考えてございます。
 なお、加えて、お尋ねのハード交付金でございますが、県や市町村が第六次沖縄振興計画の開始後に当たる昨年度及び今年度と同水準の事業を引き続き実施できるようにする観点から、昨今の物価高等も勘案いたしまして、所要額を増額して要求しているところでございます。
 また、ハード交付金につきましては、県や市町村の声もしっかりと踏まえまして、先般成立をいたしました令和五年度の補正予算において、令和四年度第二次補正予算よりも十億円の増となる、三十九億円を計上しているところでございます。
 いずれにいたしましても、強い沖縄経済に向けてしっかりと努力してまいりたいと思います。

○赤嶺委員 最近の物価高に呼応して増やすような要求をしているだけじゃ駄目なんです。一千億円も減らし始めたその出発点で、いろいろな制度設計が行われました。南大東の干ばつ対策事業だってそうです。遅れは地盤だ、地盤改良だと言っておりますが、そこに見合うような沖縄の農林水産部の予算要求は、ハード交付金の減額によって満たされておりません。
 新しい沖縄振興計画の柱は農業です。輸送費の補助でもあります。大体、飛行機便から船便に変えろということも要求しているようですが、船便というのは、海がしけたら定期便も行きません。東京の市場の要求に応えられない、そういう状態です。
 一括交付金の減額によって受けている影響はこの事例だけにとどまりませんが、事ほどさように、今政府が一括交付金を減らし続けてきたこの政策が、どんなに弱い沖縄経済に向かっているのか。強い沖縄経済と言うのであれば、そういう一括交付金を元に戻すべきだということを強く申し上げておきたいと思います。
 沖縄振興予算をめぐって、もう一点、ただしておかなければならない重大な問題があります。それは、安保三文書に基づく公共インフラ整備、つまり軍事目的の空港、港湾の整備を、事もあろうに沖縄振興予算を使って進めようとしていることです。
 沖縄担当大臣に確認をしますが、政府は、一九七二年の沖縄の本土復帰に当たって、沖縄県民の多年にわたる忍耐と苦難に対する償いの心を強調しました。この沖縄県民の忍耐と苦難は、全てが破壊し尽くされた地上戦と、広大な米軍基地群が構築された二十七年間の米軍占領支配によるものであります。これらによって、社会インフラの立ち遅れや構造的な貧困問題など、戦後の沖縄社会のゆがみがもたらされました。
 ところが、今政府は、安保三文書に基づいて、沖縄に再び戦火を呼び込む軍事要塞化を進めています。しかも、沖縄振興予算まで動員して、軍事利用を拡大するための空港、港湾の整備を進めようとしています。こうした軍事要塞化は沖縄振興の原点に真っ向から反するものだと思いますが、大臣、いかがですか。

○自見国務大臣 お答えをいたします。
 総合的な防衛体制の強化に資する公共インフラ整備の具体的な内容や場所については、検討、調整を丁寧に進めていくこととしており、現時点で何ら決まっているものではございません。
 その上で、一般論として申し上げれば、こうした公共インフラ整備の一環として整備をする空港、港湾等につきましては、民生利用を主とするものでありまして、現行法規にのっとり利用等が行われるものと承知してございます。
 仮に沖縄におきましてこうした公共インフラ整備を実施することとなった場合に、その経費を沖縄振興予算に計上することをもって、政府としてこれまで取り組んできた沖縄振興の趣旨に反することにはならないものと考えてございます。
 いずれにいたしましても、政府としては、公共インフラ整備の意義を民生の観点から丁寧に説明するように努めてまいりたいと考えてございます。

○赤嶺委員 大臣、よく考えてみてください。空港、港湾は、民生利用のみを目的にこれまで沖縄振興で使ってきました。今度は、そもそも最初から軍事利用と併用ということが求められているわけですよ。軍事利用をすれば予算もつきやすいですよということで誘いをかけているわけですよ。これが沖縄振興予算の原点に逆行するのは当然じゃないですか。あの戦場になった沖縄で、また軍事要塞化を進めるための公共インフラを進めるなんてとんでもないですよ。
 外務大臣に伺いますが、政府は、公共インフラ整備について、米軍の使用は念頭に置いていない、このように説明をしています。しかし、そもそも米軍は、日米地位協定第五条によって日本の空港、港湾に自由に出入りする権利が保障されています。この点は整備後の空港、港湾も変わりないと思いますが、いかがですか。

○上川国務大臣 委員御指摘のとおり、日米地位協定第五条におきましては、「合衆国及び合衆国以外の国の船舶及び航空機で、合衆国によつて、合衆国のために又は合衆国の管理の下に公の目的で運航されるものは、入港料又は着陸料を課されないで日本国の港又は飛行場に出入することができる。」と規定されているところであります。
 このことにつきましては、新たに整備される空港及び港湾におきましても同様であると認識しております。

○赤嶺委員 そうすると、自衛隊の軍用機や艦船が使えるように滑走路の延長や港湾のしゅんせつ、拡張などを行えば、当然米軍にとっても使用できる環境が整うことになります。そして、整備された空港、港湾を日米地位協定五条を根拠に米軍が使用することは当然想定されるのだと思いますが、外務大臣、いかがですか。

○上川国務大臣 日米地位協定第五条でありますこの規定につきましては、米軍の航空機及び船舶は我が国の空港及び港湾に出入りすることが認められておりまして、また、米軍の航空機及び船舶が我が国の民間空港及び港湾を使用する場合におきましては、同条に基づいて行われることになると考えられるところであります。
 ただし、実際の使用に当たりましては、米軍は、民間機や民間船舶等による使用への影響が最小限にとどめられるよう、関係当局と所要の調整を行うことになっているということでございます。

○赤嶺委員 米軍の運用を最大限に認めている日本の外交政策で、米軍の運用は最小限にとどめるというのは、これは絵に描いた餅であります。
 攻撃を避けるための兵力の分散化が今の米軍の戦略です。既に米軍は、日米共同訓練で先島諸島の自衛隊基地に展開するようになっています。整備後の空港、港湾を米軍の戦闘機や艦船が日米地位協定を盾に使用するようになる危険は重大であります。このようなことを絶対に認めてはなりません。
 沖縄振興は、先ほども取り上げましたが、ただでさえ予算が削られて、様々な事業に遅れや支障が出ているのが現状です。その下で、これまでになかった軍事目的の公共事業まで入り込んでくることになれば、他の必要な事業に一層しわ寄せが行くことになることは明らかです。自見大臣、そのようなことはないと断言できますか。

○自見国務大臣 お答えいたします。
 公共インフラ整備の具体的な内容や場所については、検討、調整を丁寧に進めていくこととしており、現時点で何ら決まっているものではありません。
 その上ででありますけれども、一般論として申し上げれば、沖縄において民生利用に供される公共インフラ整備を実施することになった場合には、その経費については沖縄振興予算に計上することが想定されております。沖縄振興予算については、総額ありきで各事業の額を決めているわけではなく、毎年度ごとに各事業の必要額を積み上げるものでありまして、他の事業にしわ寄せが行くとの御指摘は必ずしも当たらないと考えてございます。
 いずれにいたしましても、沖縄振興予算につきましては、引き続き沖縄振興に必要な額の確保にしっかりと努めてまいりたいと思います。

○赤嶺委員 もっとたくさん申し上げたいことがいっぱいあるんですが、今でも明確な根拠もなく予算が削られています。その上に、軍事利用目的の公共事業、これが優先されたら、沖縄振興策が今まで以上に削減されていく不安が広がるのは当然だと思います。
 大臣の答弁は何の保証もないということを申し上げて、質問を終わります。

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