国会質問

質問日:2023年 11月 30日  第212国会  憲法審査会

9条蹂躙の武器輸出 赤嶺議員、紛争地で使われる

衆院憲法審

 衆院憲法審査会は11月30日、自由討議を行いました。日本共産党の赤嶺政賢議員は、イスラエル・ガザ紛争について「いま緊急に必要なことは戦闘休止を停戦につなげることだ」と主張。イスラエル・パレスチナ問題は武力で争いごとは解決できないことを示していると述べ、「憲法9条に基づく平和外交が強く求められる」と強調しました。

 赤嶺氏は、イスラエルがガザへの空爆に使用しているF35戦闘機は、米国の一元的な管理のもとで、共同開発国9カ国と日本やイスラエルなどが部品を融通し合って生産していると指摘。2013年に安倍政権が導入国に対し、F35の部品を輸出することを可能にした際、政府は「(部品輸出は)国際紛争の助長にはつながらない」と主張していたことを示し、「実際に、国際法も無視した無差別攻撃に使われる事態になっている」と批判しました。

 さらに、岸田政権が「防衛装備移転三原則」とその方針を見直し、殺傷兵器の輸出解禁に踏み切ろうとするもとで、与党は、国内企業が米国のライセンスを使用して生産した兵器を米国や第三国に輸出できるようにすることを検討していると指摘。米国はイスラエルやウクライナへの軍事支援で武器や弾薬が不足しており、「輸出を解禁すれば、日本製の兵器が直接紛争地で使用されることになる」と述べ、「憲法9条を蹂躙(じゅうりん)する武器輸出の拡大はいますぐやめるべきだ」と強調しました。(しんぶん赤旗ホームページ)

 

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9条蹂躙の武器輸出(衆院憲法審)

議事録

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 冒頭、一言申し上げます。
 昨日、米軍横田基地所属のオスプレイが鹿児島県屋久島沖に墜落しました。これ以上、危険なオスプレイの飛行を容認することはできません。米軍オスプレイは直ちに撤収させるべきです。自衛隊も導入を中止すべきです。憲法の上に日米安保がある実態こそ変えることが政治の最優先課題だと、まず申し上げておきたいと思います。
 国民投票法について意見を述べます。
 私たちは、現行の国民投票法には、国民の民意を酌み尽くして正確に反映させるという点で重大な欠陥があると主張してきました。具体的には、最低投票率の規定がないこと、公務員や教育に携わる者の投票運動を不当に制限していること、改憲案に対する広告や意見表明の仕組みが公平公正なものになっていないこと、この三点について繰り返し指摘をしてきました。
 今日言及のあった広報協議会も、改憲を進めるのに都合のいい仕組みとなっています。協議会の委員は改憲に賛成した議員が大多数を占め、議事運営を主導することができます。協議会の事務である広報やテレビ、新聞広告も、改憲原案の説明や賛成の意見が大部分で、反対の意見は僅かであります。全く中立公正とは言えません。
 国民投票法の根本的な欠陥を放置したまま手続の規程を整備する議論を進めることは認められません。そもそも、今、国民は改憲を重要課題と考えてはいません。国民が改憲を求めていない下で、改憲のための国民投票法は整備するべきではありません。
 次に、イスラエルのガザ攻撃についてです。
 イスラエルとハマスは戦闘の休止を二十九日まで延長することで合意していましたが、それ以降については合意に至っていません。イスラエルのネタニヤフ首相は、ハマスをせん滅させると述べ、戦闘休止が終わればガザへの攻撃を再開すると明言しています。
 今、緊急に必要なことは、戦闘休止を停戦につなげることであり、その働きかけを国際社会が強めることです。ところが、岸田首相は、停戦が一朝一夕に成るということはすぐには期待できないと開き直り、停戦に踏み切ろうとしません。多くの子供や市民が犠牲になっている中で、余りにも無責任な態度であります。
 イスラエルは、ガザの病院や学校、検問所、難民キャンプなどへの攻撃を繰り返し、国際社会から国際法違反だという批判が相次いでいます。いかなる理由があろうとも、何の罪もない住民を殺りくすることなど絶対に正当化できるものではありません。日本政府は即時停戦を正面から訴えるべきです。
 イスラエルとパレスチナの問題は、武力では争い事を解決できないことを示しています。双方が話合いのテーブルに着くための外交努力こそ必要であり、憲法九条に基づく平和外交が強く求められております。日本政府はその役割を果たすべきであります。
 最後に、武器輸出についてであります。
 イスラエルがガザへの空爆にF35戦闘機を使用していることが報じられております。F35は、アメリカの一元的な管理の下で、共同開発国九か国と日本やイスラエルなどが部品を融通し合って生産しております。
 二〇一三年に安倍政権は、内閣官房長官談話を発出し、F35の導入国に日本企業が製造した部品や役務を提供することを可能にしました。当時、私は、イスラエルが近隣国を度々攻撃し、国際法違反のパレスチナ自治区への入植を繰り返していることを指摘して、イスラエルへの提供は紛争を助長すると批判をいたしました。しかし、政府は、イスラエルはもう導入を決めており、国際紛争の助長にはつながらないなどといって居直りました。
 ところが、今、実際に国際法も無視した無差別攻撃に使われる事態になっています。しかし、政府・与党は何らの反省も示しておりません。その上、岸田政権は、防衛装備移転三原則とその指針を見直し、殺傷兵器の輸出解禁に踏み切ろうとしています。与党のワーキングチームでは、国内企業がアメリカからライセンスを得て生産している戦闘機やミサイルをアメリカやその他の国に輸出できるようにすることが検討されています。
 今、アメリカは、イスラエルやウクライナへの大量の軍事支援により、武器や弾薬が不足していると報じられております。ライセンス品の輸出を解禁すれば、日本製の兵器が直接紛争地で使用されることになりかねません。
 さらに、岸田政権は、イギリスやイタリアと共同開発する戦闘機を日本が直接第三国に輸出することまで狙っております。世界の軍事紛争に拍車をかけ、多くの市民の殺りくに加担する危険は重大です。
 憲法九条をじゅうりんする武器輸出の拡大は今すぐやめるべきだと強調して、発言を終わります。

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