国会質問

質問日:2023年 2月 8日  第211国会  予算委員会

国民に説明なく日米合意ありき 衆院予算委 赤嶺議員「根深い対米従属」

沖縄の軍事要塞化追及

 日本共産党の赤嶺政賢議員は8日の衆院予算委員会で、国民に一切説明なく、日米合意ありきで沖縄の軍事要塞(ようさい)化を進める政府の姿勢を追及しました。

 岸田文雄首相は1月26日の代表質問への答弁で、国会や国民への説明もなくバイデン米大統領に大軍拡方針を報告したことについて、「米国には日本の現状を説明したもの」で、「民主主義を無視したことはない」と強弁しています。

 赤嶺氏は、1月12日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)が、沖縄県中部にある米軍嘉手納弾薬庫の日米共同使用に向け「具体的な調整を開始」することを確認したことを挙げ、「事実と違うではないか」とただしました。

 首相は、「日米の今後について意思疎通を図ることは重要だ。日米協力を実現するためにも国会で丁寧に説明していく」などと弁明しました。

 赤嶺氏は、「2プラス2」で空港・港湾の軍事利用拡大に向けた日米協力を決定した翌日の13日に、米軍が下地島空港(宮古島市)の使用申請を沖縄県に提出したと指摘。同空港を軍事目的で使用しないことを政府と沖縄県の間で確認(「屋良覚書」)していることに言及し、「首相が米国に説明しただけというのであれば作業をいったん停止すべきだ」と迫りました。

 赤嶺氏は「結局、首相の対応は、とにかく日米合意ありきで工事を進める辺野古新基地建設と同じだ」と批判。南西諸島への長射程ミサイル配備や軍事費の国内総生産(GDP)比2%への引き上げも米国が要求してきたことだと強調し、「大軍拡・大増税の大本には、根深い対米従属の構造がある」と厳しく指摘しました。

 

 

論戦ハイライト

ミサイル配備 県民愚弄

衆院予算委 南西諸島基地化 赤嶺議員が追及

首相 具体的内容答弁控える

赤嶺氏 ごまかし許されない

 「沖縄県民に説明せず、長距離ミサイルを配備する。県民を愚弄(ぐろう)するやり方だ」。日本共産党の赤嶺政賢議員は8日の衆院予算委員会で、市民に一切説明せず、南西諸島をミサイル基地化する問題を追及しました。

七つ全てに

 敵基地攻撃可能な長射程ミサイルの沖縄への配備について「具体的な配備先は決まっていない」と答弁する岸田文雄首相に対し、赤嶺氏は「本気で受け取る人はいない」と強調し、安保3文書では陸上自衛隊の地対艦ミサイル連隊を、現在の五つから七つに増やし、その全てに長射程ミサイルを配備する計画だと指摘。沖縄では宮古島に部隊が置かれ、2022年度中には石垣島に、23年度には勝連駐屯地(うるま市)に新編する計画だとして、「こうした部隊のミサイルを長射程に置き換え、沖縄に配備するのは明らかだ」と強調しました。

 さらに、沖縄にミサイル部隊を配備する際に政府は「防衛上の空白を埋める」ためだと説明していたにもかかわらず、敵基地攻撃可能なミサイルを配備し、真っ先に攻撃対象となる基地にしようとしていると強調。「『話が違う』との声があがるのは当然だ。与那国島では計画にはなかったミサイルが配備され(ようとしており)、『米軍は絶対来ない』と言っていたが米軍の訓練が行われている。防衛省はまともな説明をしたことがない。県民を愚弄するやり方だ」と厳しく批判しました。

 これに対して浜田靖一防衛相は、「厳しい安全保障環境を踏まえれば南西諸島の防衛態勢の強化は喫緊の課題だ」と断言。南西諸島への長距離ミサイル配備の重点配備を事実上認めました。

 赤嶺氏は、本土に出ている若者が「自分たちは将来石垣に戻れるのか」と話したり、宮古島に住む母親が「息子に『この島で根を張って暮らして』と言えない」と不安を語ったりしていると紹介。「住民に大きな不安を巻き起こしている。政治の責任を果たしていない」と迫りました。

 首相 南西諸島の防衛態勢の強化は国民保護の観点でも重要だ。

 赤嶺 その言葉を沖縄県民が信用すると思うのか。沖縄戦の最大の教訓は「軍隊は住民を守らない」ということだ。沖縄担当大臣もやった首相は知っているはずだ。

 また赤嶺氏は、「台湾有事」を想定した日米共同作戦計画を米軍と自衛隊が策定しているとの報道に言及。報道では、台湾有事の際、米軍が南西諸島の約40カ所の拠点から中国艦艇へのミサイル攻撃を行い、自衛隊が安保法制に基づき後方支援するとしています。赤嶺氏は計画の存在をただしました。

 首相 具体的な内容は答弁を控える。防衛力を強化するのは、国民と命と暮らしを守るためだ。

 赤嶺 南西諸島の住民は国民じゃないのか。長距離ミサイルが配備されて、おびえる人たちがいる。命を守るためと言ってごまかすのは許されない。

説明を迫る

 赤嶺氏は、「2プラス2」で共同計画作業の「着実な進展」を歓迎し、沖縄の海兵隊を「海兵沿岸連隊」に改編すると確認したと指摘しました。同部隊は、小規模な部隊が分散して展開し、無人の対艦ミサイルで相手艦船を攻撃するもので、「報道された共同作戦計画の具体化だ」と強調。市民にひた隠しせず、「台湾問題をめぐり政府が何をし、どれだけ犠牲が生じると想定しているのか。国民に説明すべきだ」と迫りました。首相からまともな説明はありませんでした。

 赤嶺氏は、「沖縄戦を体験した県民にとって納得できない」と批判。日本政府が主体的に、米中に緊張を高める行動をやめるよう働きかけ、話し合いの環境をつくるべきだと強調しました。(しんぶん赤旗 2023年2月9日)

 

質問の映像へのリンク

沖縄の軍事要塞化追及(衆院予算委)

議事録

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 今日は、安全保障三文書について質問をいたします。
 まず、防衛大臣に伺いますが、先月十二日、外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会、2プラス2が行われました。
 そこで、沖縄県中部にある米軍嘉手納弾薬庫の自衛隊による共同使用を拡大する方針を確認しています。どういう内容を確認したんですか。

○浜田国務大臣 施設・区域の共同使用は、より緊密な運用の確保、そしてまた相互運用性の確保などの観点から、充実させるべき日米協力の分野の一つであります。また、安全保障環境が急速に厳しさを増す中、自衛隊の持続性、強靱性を強化するため、火薬庫の確保が重要な課題となっております。
 こうした背景を踏まえ、日米間で検討を進めてきた結果、先般の日米2プラス2において、平成十五年から共同使用を行っている嘉手納弾薬庫地区の追加的な共同使用を確認したところであります。
 具体的には、嘉手納弾薬庫地区における既存の火薬庫三棟を陸上自衛隊が新たに共同する方針であります。

○赤嶺委員 資料をお配りしてありますが、2プラス2では、今後増やす自衛隊の弾薬を保管するために、嘉手納弾薬庫の使用拡大に向けて具体的な調整を開始することを確認しています。昨年の三文書は、米軍の火薬庫の共同使用を追求、促進すると明記していました。この具体化にほかなりません。
 総理に伺いますが、総理は、代表質問で、国会や国民への説明もなく三文書を閣議決定しバイデン大統領に報告したことを問われたのに対し、米国には日本の現状を説明したもので、民主主義を無視したことはないと答弁しております。しかし、既に日米間で弾薬庫の使用拡大に向けた具体的な調整を開始しております。
 総理の答弁は事実と違うのではありませんか。

○岸田内閣総理大臣 事実と異なるとは思っておりません。
 日米の安全保障における協力、大変重要であると考えておりますし、そのために、我が国の取組について先月の首脳会談において説明をさせていただいた、それに対して歓迎の意が表された、こういったことであります。
 こうした取組は、国会に対して法案や予算という形で提出をさせていただき、国会の議論を経なければ実現することはできない、こうした課題であります。こうした国会の議論、大変重要だと思っておりますが、一方で、日米の協力についての今後について、日米の間で意思疎通を図っておくことは重要であると思います。
 こうした日米協力を実現するためにも、国会において丁寧な説明を行い、そして、予算、法律という形で了承いただき、実現に結びつけるべく努力をしていきたいと思っています。

○赤嶺委員 国会を通る前に、具体的な調整を開始したと、今出している資料に書いてあるじゃないですか。防衛大臣は意識的にその部分は答弁を抜かしましたけれども、皆さんの文書に書いてあるんですよ、具体的な調整を開始したと。これは、国会の審議を待たずに、もう既に始まっているということじゃないですか。総理の説明は、これはもう通らないと思いますよ。誰が聞いても通らない。
 嘉手納弾薬庫だけではありません。2プラス2は、空港、港湾の軍事利用の拡大に向けて日米が協力することを決定いたしました。その翌日には、米軍が宮古島市にある下地島空港の使用申請を沖縄県に提出しています。
 下地島空港は、開港以来、政府と沖縄県との間で、民間航空以外の目的に使用しないことを確認している空港です。さらに、敵基地攻撃能力の保有や、あるいは先端軍事技術の共同研究など、次々と三文書の具体化に着手しています。
 総理が米国には説明をしただけだと言うのであれば、こうした作業は一旦停止すべきではありませんか。

○岸田内閣総理大臣 政府として、日米同盟の重要性に鑑み、意思疎通を図っていくことは重要であると思います。日本の政府のありようについて丁寧に説明をすることは重要だということで、日米で意思疎通を図っています。
 しかし、これが実現するためには、国会における予算や法律の成立、これを待たなければなりません。是非、こうした意思疎通は大事だと思いますが、国会での議論を重視して、国民の皆さんに対する説明も続けていきたいと思っています。

○赤嶺委員 2プラス2のときに民間空港の使用が言われて、これを待っていたかのように、米軍は、国会の審議も待たずに、下地島空港を使わせてくれと言っているんですよ。総理の答弁と全く当たらないじゃないですか。
 結局、この間の総理の対応というのは、辺野古の問題と同じです。どれだけ県民が反対の意見を示しても、とにかく日米合意ありきで工事を強行しております。
 私は、これは単に進め方の問題ではないと思います。南西諸島から南シナ海に至る地域の島々に長射程ミサイルを配備するというのは、元々これはアメリカの戦略から始まったものです。軍事費をGDP二%に引き上げるというのも、アメリカが同盟国に繰り返し要求してきたものであります。大軍拡、大増税の大本には、根深い対米従属の構造があるということを厳しく指摘しておきたい、このように思います。
 三文書の内容について伺います。
 総理は、施政方針演説で、いわゆる反撃能力の保有と南西地域の防衛体制の抜本強化に取り組む考えを示しました。敵基地攻撃可能な長射程ミサイルを沖縄に配備するということですか。

○岸田内閣総理大臣 新たに策定した防衛力整備計画に基づいて、島嶼部を含む我が国に侵攻してくる艦艇や上陸部隊等に対して脅威圏外から対処する、すなわち相手の射程圏の外から対処することが可能となるため、スタンドオフ防衛能力を強化することが必要であると認識をしております。このため、一二式地対艦誘導弾能力向上型を含む各種スタンドオフミサイルを導入することとしておりますが、具体的な配備先はまだ決定していないということであります。
 いずれにしても、スタンドオフ防衛能力の強化により、我が国の様々な地域から重層的に相手方の艦艇や上陸部隊等を阻止、排除できる能力を保有することが必要です。こうした取組により、自衛隊の抑止力、対処力を向上させることで武力攻撃そのものの可能性を低下させることができると考えております。

○赤嶺委員 今、決定していない、このようにお答えになりました。それを誰も本気で受け取る人はいないと思いますよ。
 三文書では、陸上自衛隊の地対艦ミサイル連隊を現在の五つから七つに増やし、その七つ全てに長射程ミサイルを配備する計画になっています。沖縄では、既に南西諸島に部隊が置かれ、今年度中に石垣島、来年度にはうるま市の勝連にも新編する計画になっております。
 こうした部隊のミサイルを長射程のものに置き換えていくということではないのですか。これは、沖縄に配備することになるのは明らかではありませんか。

○浜田国務大臣 防衛省としては、平素から安全保障環境に即した部隊配備を行うために、地対艦誘導弾部隊を奄美大島及び宮古島に配備してきたほか、本年度中には石垣島に、令和五年度には沖縄本島の勝連分屯地に配備を予定しておりますが、いずれも、スタンドオフミサイルではない、一二式地対艦誘導弾を配備するものであります。

○赤嶺委員 今、一二式ミサイル部隊を配備しているわけですよ。今後、長射程ミサイルはこの部隊に配備するということが出ているじゃないですか。これは、沖縄に配備しないというのではなくて、やはり今、事態を県民に対して真正面から説明していないという具合にしか受け止められません。
 そもそも、沖縄にミサイル部隊を配備するときの政府の説明は、防衛上の空白を埋めるということでありました。防衛大臣はそういう説明をしてきたと思います。ところが、部隊が立ち上がる時期になったら、敵基地攻撃のためのミサイルを配備する、このように言い出しました。相手国から真っ先に攻撃される基地になります。これでは話が違うではないかという声が上がるのは、私は当然だと思います。米軍の訓練についても、当初は計画はないと言っておりましたが、昨年、与那国駐屯地で行いました。
 総理、余りにも国民を、住民を、そして沖縄県民を愚弄するやり方ではありませんか。

○浜田国務大臣 今、長射程というお話がありましたが、我々とすれば、まだこれは決定していることではございませんし、我々は、もしもそういうことになれば、丁寧に説明をしていかなければならないというふうに考えております。
 ですから、長射程という御指摘には今は当たっていないということだけは御理解いただきたいと思います。

○赤嶺委員 沖縄での今までの自衛隊の配備の仕方を見ると、最初は与那国島はミサイルの計画はありませんでした。しかし、今はミサイルも配備すると言っています。米軍は絶対に来ないと説明していましたが、米軍は来て訓練をしております。
 まともな説明をしたことがないんですよ、防衛省は。やはりこういうやり方が、今度は長距離ミサイルの話が出てきていますよね。出てきて、今防衛大臣は、もしも配備することになれば説明していきたいと思っていると。これが県民を愚弄するやり方ではないか。
 総理、そのように指摘されても仕方がないんじゃないですか。

○浜田国務大臣 体制強化という点について地元に御懸念があるというのは、これは我々も十二分に承知しておるところであります。しかし、我が国を取り巻く安全保障環境の厳しい現実を踏まえれば、南西諸島の防衛体制の強化は喫緊の課題であると考えております。
 こうした取組は、力による現状変更を許容しないとの我が国の意思を示し、島嶼部を含む南西地域への攻撃に対する抑止力、対処力を高めることで我が国への攻撃の可能性を低下させるものであり、沖縄県民、ひいては我が国国民の安全、安心につながるものであります。
 防衛省としては、引き続き丁寧な対応に努めてまいりたいというふうに思っております。

○赤嶺委員 今、防衛大臣、図らずも、結局、南西諸島に長射程ミサイルを配備するという、結論がありありの答弁だったじゃないですか。まだというのは、今からやるということでしょう。
 石垣市議会で、昨年の十二月に、長射程ミサイルの配備について政府に説明を求める二つの意見書を可決いたしました。元々自衛隊の配備に反対だった議員の提案した意見書だけではありません。賛成だった議員の提案した意見書も可決をしております。彼らからすれば、専守防衛という前提で政府に協力してきたのに、一方的にはしごを外されたようなものであります。
 最近、石垣島で、本土に出ている若い人たちが、自分らは将来石垣に戻れるだろうか、このように話していたということを聞きました。宮古島でも、あるお母さんが、息子にこの島で根を張って暮らしなさいとは言えない、このように話していたそうです。こういう思いをさせていること自体、南西諸島の防衛体制の強化を言い、敵基地攻撃能力を持つ長射程ミサイルを配備すると言い、こういうことが住民の間での大きな不安を巻き起こしているのであります。
 私は、これは総理、政治の責任を果たしているとは言えない、このように思います。いかがですか。

○岸田内閣総理大臣 戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙していく中で、三文書を閣議決定し、自衛隊の部隊の増強等により南西地域の防衛体制を強化する、これは国民保護の観点からも重要な取組であると考えています。そして、日米同盟の抑止力、対処力を向上させることで武力攻撃そのものの可能性を低下させることができる、こうした考えに基づいて取組を進めていきたいと考えています。
 こうした考え方を丁寧に沖縄県に説明していくことが重要だと考えます。

○赤嶺委員 防衛力を強化することが、軍隊を強化することが国民保護に役に立つと言って、沖縄県民が信用すると思いますか。沖縄戦の最大の教訓は、軍隊は住民を守らない。総理が一番よく知っているでしょう、沖縄担当大臣、外務大臣もやって。そういうことを知りながら、白々しい答弁をするんですか。
 最後に、政府は一体何のために大軍拡を推し進めようとしているのかという点です。
 二〇二一年十二月、米軍と自衛隊が、台湾有事を想定した新たな日米共同作戦計画の原案を作成したことが報じられました。台湾海峡をめぐって軍事衝突が起こったときに、米軍が南西諸島の約四十か所の島々を拠点に中国艦艇へのミサイル攻撃を繰り返し、自衛隊が安保法制に基づいて後方支援を行うという内容です。まさに南西諸島全域を戦場にする計画です。
 総理、こういう計画を作成したんですか。

○岸田内閣総理大臣 二〇一五年に策定された日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインですが、この下で、日米両政府は、我が国の平和と安全に関する緊急事態についての共同計画を策定、更新する、このようにしております。
 その上で、共同計画の策定の状況、具体的な内容の詳細については、これは緊急事態における日米両国の対応に関わるものでありますから、事柄の性質上、差し控えなければならないことであると思っています。
 そして、何のために防衛力を強化するのか。これは、間違いなく、国民の命と暮らしを守るためであります。自衛隊の抑止力、対処力、そして日米同盟の対処力、抑止力、これを向上させることで武力攻撃そのものの可能性を低下させる、こうしたことのために防衛力を強化していくと認識をしております。

○赤嶺委員 南西諸島に住んでいる住民は国民じゃないんですか。今にも長距離ミサイル、敵基地攻撃ミサイルが配備されて、住めなくなるんじゃないかとおびえているんですよ。おびえている人たちがいる、それに対して、いや、国民の命を守るためだ、こういうことを言ってごまかそうとする。
 今度の共同作戦計画というのは、作っていることを認めておりますが、今度の2プラス2でも、着実な進展を歓迎すると。そして、その中で、海兵沿岸連隊という部隊に再編することも明記しています。小規模な部隊が島々に分散して展開し、無人の対艦ミサイルで、相手の艦船を攻撃するというものです。まさに報道された共同作戦計画の具体化です。国民の命に関わる問題ですよ。政府間だけで秘密裏に進めることなど許されるはずがありません。
 台湾問題をめぐって政府が一体どういうことをやろうとしているのか、その結果、国民にどれだけの犠牲が生じることを想定しているのか、国民に説明すべきであります。その点、いかがですか。

○岸田内閣総理大臣 まず、複雑な、そして厳しい安全保障環境の中で、国民の命や暮らしを守るために政治は責任を果たさなければいけない。では、どうやってその責任を果たすか、これが今現実的に問われている、こうしたことであると思います。そして、現実の中で、政府としてその責任を果たすために、防衛力の抜本的な強化は必要であると認識をしています。
 そのために、自衛隊の、そして日米同盟の対処力、抑止力を向上することによって武力攻撃そのものを未然に防ぐ、こうした取組を進めることが重要であるという考えに基づいて、昨年一年間をかけて議論を積み重ね、安全保障の三文書、これを取りまとめました。それを公にした上で、国会に対しては、予算、法律という形で、こうした取組を御了承いただけるかどうか、議論をお願いしているということであります。
 こうした丁寧な議論、説明を尽くすことによって、国民に対する説明もしっかり尽くしていきたいと考えています。

○赤嶺委員 軍事力を強化して国民の命を守るというのは、沖縄戦を体験した県民にとっては絶対に納得できるものではありません。
 日本政府がやるべきことは、緊張を高めることではなくて、アメリカや中国とも、平和外交、話合いで平和をつくるための……

○根本委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、おまとめください。

○赤嶺委員 努力をすることだと申し上げて、質問を終わります。

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参考資料

委員会配布資料

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