国会質問

質問日:2022年 12月 7日  第210国会  沖縄北方特別委員会

民間宿泊施設支援を 赤嶺氏 子どもの貧困取り上げ

 

 日本共産党の赤嶺政賢議員は7日の衆院沖縄北方特別委員会で、沖縄の子どもの貧困問題を取り上げ、若年妊産婦を支援する民間宿泊施設への国による支援を求めました。

 沖縄県の若年出産率は全国平均の2倍以上とされています。赤嶺氏は、「妊娠を誰にも相談できずにいた父子家庭の高校生を保護し、父親への告知から出産まで預かったことで高校へ無事に復学できた」との支援団体の取り組みを紹介。宿泊を伴う民間シェルターが帰る家のない若年妊産婦の救いの場になっていると指摘しました。

 赤嶺氏は、内閣府が若年妊産婦の支援事業の対象を「通所」施設に限定し、宿泊施設を対象外としているのはなぜかと質問。岡田直樹沖縄北方担当相は「入所して利用できる母子生活支援施設の制度が別途存在しているためだ」と答えました。

 赤嶺氏は「母子支援施設につなぐ間の施設が必要とされている。衣食住の環境が整った居場所は希望だ」と強調し、沖縄県と連携して民間シェルターへの支援策を講じるよう要求。厚労省の野村知司官房審議官は、同省の事業として若年妊産婦への一時的な住まいの提供や食事の支援を行っていると紹介し、「相談があれば真摯(しんし)に対応する」と述べました。(しんぶん赤旗 2022年12月14日)

 

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民間宿泊施設支援を(衆院沖北特別委)

議事録

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 子供の貧困の問題から質問をいたします。
 今年三月の本委員会でも取り上げましたが、沖縄県の子供の貧困率は全国平均の約二倍、子供たちの三人に一人が貧困状態に置かれ、極めて深刻な状況にあります。
 子供の貧困に密接に関連する問題として、若年出産の問題があります。沖縄県の若年出産率は全国平均の二倍以上とされ、誰にも相談できずに赤ちゃんを身ごもった女性を助けようと、民間団体が支援事業を始めています。しかし、その運営に当たっては、多くを全国からの寄附などによって賄っているのが現状です。
 最近も、支援に取り組んでいる方から、次のようなお話を伺いました。
 今年の四月以降、十九歳の子連れの妊婦と、妊娠していることに気づくのが遅く、産まざるを得ない高校三年生を二人保護して、出産までこぎ着けました。高校生の一人の女の子は父子家庭で、父親に妊娠していることさえも告げることができず、私たちが一緒に妊娠の告知を行い、出産まで預かり、無事出産し、高校へ復学をしました。その子が退所するときに、もしここがなければ、自分一人で産んで、子供を殺していたのかもしれないと、とても感謝の言葉を述べていました。本当に、私たちもこの居場所は必要な施設だと思います。今年度は何とかやりくりして続けたいと思います。
 資金難の中で、このように述べておられます。こうした支援の取組は、誰にも相談のできない若年妊産婦の方々にとって、本当にかけがえのない、救いの場になっていると思います。
 ところが、先ほどの質問でもありましたが、内閣府の支援事業は、通所施設が対象で、今申し上げた宿泊を伴う施設は対象になっていないと聞きました。帰る家もない、最も支援を必要とする方々への支援を行っている民間シェルターへの公的支援が行われていない現状があります。
 岡田大臣、伺いますが、内閣府が子供の貧困緊急対策事業の一環として行っている若年妊産婦への支援事業は、具体的にどのような施設を対象に行っているのでしょうか。なぜ宿泊施設への支援が対象になっていないのでしょうか。
○岡田国務大臣 お答え申し上げます。
 内閣府においては、十代女性の妊娠率が高いという沖縄県の特徴も踏まえまして、沖縄子供の貧困緊急対策事業の一環として若年妊産婦への支援事業を行っているところでございます。
 具体的には、令和元年度から、十代の妊娠した女性に対して、家庭や社会から孤立することがないように、安定した生活を営むための自立支援を行う若年妊産婦の居場所の設置に係る支援を開始しておりまして、令和三年度末時点において、沖縄市、うるま市、石垣市、宮古島市、南風原町の五か所に設置をいたしております。
 この南風原町にございます若年妊産婦の居場所、ママ笑みROOMというんですけれども、私はこの九月にその若年妊産婦の居場所を……(赤嶺委員「宿泊施設がなぜないかを聞いているんですよ」と呼ぶ)はい。訪ねてまいりました。これは通所施設を対象としており、宿泊して利用する場合は補助の対象外となっていることはおっしゃるとおりであります。
 これは、入所して利用できる母子生活支援施設の制度が既に別途存在しておりまして、若年妊産婦の居場所を通所で利用することを想定しているものによるものであります。
○赤嶺委員 宿泊施設がないんですね。それを、宿泊施設なら母子支援施設を利用したらどうかというんですが、そんなふうに直接はつないでいけないんですよ。母子支援施設につなぐような間の施設が必要なんです、今求められているのは。本当に子供の貧困を突き詰めていったらそこにたどり着くんですね。
 ですから、産前から産後まで入居施設という形で預かる民間シェルター、これが本当に沖縄の現状に照らして求められております。そこには、助産師、保健師、看護師、心理士、社会福祉士などの専門家もいます。DVなどから逃げてきて帰る場所のないお母さんたちにとって、衣食住の環境が整った居場所は希望であります。一人一人の人生に寄り添い、産後は自立に向けて関係各所とつなぐ大切な役割を果たしています。
 厚労省に伺いますが、現在、厚労省の事業として、こうした若年妊産婦の宿泊施設を補助するメニューにはどのようなものがありますか。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
 厚生労働省におきましては、予期せぬ妊娠などにより困難を抱える若年妊産婦の方などを対象といたしまして、妊娠期から出産後までの継続的な支援というのを行うことを目的といたしまして、産前・産後母子支援事業というものがございます。
 こちらの方は、母子生活支援施設であるとかあるいは婦人保護施設、産科医療機関にコーディネーターあるいは看護師といったものを配置をいたしまして相談を受け付ける、そして相談に基づいて支援の中身を考える、そしてその支援につないでいくといったことを基本とする事業でございますけれども、そうしたものの中の一環として、施設などへの宿泊を伴う支援も含めた中長期的な支援を行っていくという事業が現在予算事業でございます。
 更に加えまして、令和六年四月からの施行ではございますけれども、先般成立をさせていただきました改正児童福祉法の中で、妊産婦等生活援助事業という事業が新たに位置づけられたところでございます。施行は令和六年四月からではございますけれども、この新たな生活援助事業の中では、特定妊婦の方などに対しまして、一時的な住まいであるとか、あるいは食事といったものの提供、さらには医療機関を始めとする関係機関との連携、調整などを行っていくということとともに、今回、事業に位置づけたということも相まちまして、都道府県などによる利用勧奨などを通じて、必要とされる方に着実に支援を届けていくということを目的としているところでございます。
 こうした施策を通じまして、困難を抱える若年妊婦の方などへの支援を推進していきたいというふうに考えているところでございます。
○赤嶺委員 当然、今、調査研究を進めている新しい事業の開始までの間は、今の産前・産後母子支援事業が続けられていくわけですよね、切れ目なくそれは取り組まれていくと。
 民間シェルターを運営している方々は、今、沖縄県と相談しながら、御紹介のあった事業を含めて検討を進めている、このように伺っておりますが、厚労省としても、沖縄県と連携しながら、要望を実現するように取り組んでいただきたいと思いますが、これはいかがですか。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、現在の予算でも、産前・産後母子支援事業というものを予算の中に盛り込んでおります。
 さらに、令和六年から創設される妊産婦等生活援助事業という新たな方の事業でございますが、こちらの方も、実は今、三年度補正予算の基金事業ということで、この法施行に先立っての試行的な準備事業での予算のメニューということで、メニューは用意してございますので、こうしたものの活用も含めて、御相談があれば真摯に対応していきたいと思います。
○赤嶺委員 先ほど大臣が申し上げた沖縄県の母子生活支援施設、これは三か所なんです。そういった観点からも、若年妊産婦の方々に機敏に対応できる民間シェルターの役割というのは大変重要であります。沖縄の子供の貧困問題の解決を軌道に乗せていく上で非常に大事な取組であります。宿泊施設を伴った民間シェルターへの積極的な支援、取組を重ねて申し上げておきたいと思います。
 次に、石垣市にある湿地帯、名蔵アンパルに関連して質問をいたします。
 石垣市には、ラムサール条約に登録された、全国的にも珍しい湿地帯の広がる名蔵アンパルという場所があります。今日は、私、名蔵アンパルを素材にした絵本を持ってまいりました。これには歌もあります。この「あんぱるぬゆんた」、ユンタというのは八重山の方言で、古謡、歌というほどの意味ですね。大変住民にも親しまれている地域です。七〇年代に初版が出て、今復刻版で、大変、カニたちをして住民のいろいろな年間行事の踊りや祭りを語らせているものなんですが、非常に自然豊かな場所であります。
 多くの希少生物のすみかとなっているところです。カニなどの甲殻類のほか、特別天然記念物のカンムリワシも生息しています。石垣の市街地から山を越えてアンパルが見えるところに来ると、カンムリワシが羽を広げて飛んでいる姿を運がよければ見ることもできます。
 その場所で、現在、大規模なゴルフリゾートの開発計画が進められています。現在の計画のまま進められた場合、歴史的価値のあるアンパルが失われ、そこをすみかとする希少生物がいなくなってしまうのではないかと、幅広い団体から懸念の声が寄せられています。
 計画には様々な問題点がありますが、まず地下水の問題です。
 計画によりますと、ゴルフ場やホテル、プールなどの大型複合リゾート施設が建設され、そこでは一日約一千トンの水を使用し、そのうち約七百トンを地下水に頼ることになっています。これだけの地下水を使いますと、河川の水量の減少を招き、アンパルや周辺の農地、生態系に深刻な影響を与えることが懸念をされます。
 ラムサール条約湿地を所管する環境省として、大量の地下水の取水がアンパルなど周辺の環境に与える影響をどのように認識しておりますか。
○松本政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の開発計画につきましては、沖縄県の独自条例であります沖縄県環境影響評価条例に基づきまして事業者が作成した環境影響評価書に対しまして、昨年六月、沖縄県知事が意見を出されていると承知しております。
 知事意見におきましては、御指摘のとおり、地下水について、取水による水環境や動植物の生息、生育環境への影響に対する懸念が示されておりまして、さらに、水位の安定性に関する十分な調査がなされていないこと、また、塩水化に関する予測、評価がなされていない等の指摘がなされております。このため、事業者におきまして地下水の取水による影響や名蔵アンパルの汽水域の生態系への影響などに関して再評価を行い、必要に応じて適切な環境保全措置を講じるべきことが述べられていると承知しております。
 これを受けまして、事業者から知事意見を踏まえた補正評価書が提出され、昨年十月に公告縦覧されたと聞いております。
 基本的には、県条例に基づく環境影響評価につきましては沖縄県において適切に対処されるものと考えておりますが、環境省としても、沖縄県から相談等があった場合には、必要な情報や助言を提供するなど真摯に協力してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○赤嶺委員 事業者は、沖縄県の環境アセスの勧告に、地下水の意見に対して、予測を行うことは難しいと。地下水を取った結果、難しいと、応えようとしていないんですね。異常が見られた場合には、必要に応じ環境保全措置を講じると。事前の環境対策じゃなくて、もし何かあったらそのときにやりますよという、これは本当に環境アセスに対応しているとは言えないと思います。
 この地域はカンムリワシへの影響も懸念されます。御承知のように、カンムリワシは、環境省のレッドデータブックで、最も絶滅のおそれが高い絶滅危惧種1A類に指定をされています。
 環境省はカンムリワシの現状についてどのように把握しておりますか。
○松本政府参考人 お答えいたします。
 二〇一二年に一斉カウント調査を行いました。そのとき、石垣島では百十羽、また西表島では七十六羽の生息が確認されておりますので、生息数としては二百羽以上と推定されているところでございます。
○赤嶺委員 本当に絶滅が危惧されているわけですが、その地域は、カンムリワシが営巣し、そしてひなを育てる地域でもあるわけです。同じように、近くに自衛隊の駐屯地もありますが、沖縄県は、工事から出る騒音、繁殖期にはやめてくれと。そこのリゾートホテルの事業者にも、そういう時期は、特に求愛行動の頃から工事をやめてくれ、そういう意見を出しておりますが、これも聞き入れる様子がありません。
 全く、名蔵アンパルを中心とした、本当に自然豊かな、しかも石垣島の田んぼが集中している、その地域の環境を壊してまで地下水を吸い上げ、そしてカンムリワシの環境にも影響を与える、このような、石垣島の、八重山の豊かな環境を壊すようなホテル建設はやめるべきだと強く申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○松木委員長 赤嶺さん、誰かに答えてもらいますか。大丈夫ですか。
○赤嶺委員 はい、お願いします。
○松本政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、カンムリワシは絶滅のおそれがある旨指摘されているところでございます。
 御指摘の計画の対象地域の周辺におきましては、カンムリワシが生息している、また繁殖場所になっている可能性もございます。このため、事業の実施方法によっては、カンムリワシの生息状況に影響を与える可能性があると考えております。
 このような地域におきましては、事業者においてカンムリワシの生息状況を適切に調査し、その結果を踏まえて、カンムリワシの生息、生育環境の保全について適切に配慮がなされることが重要、このように考えているところでございます。
○赤嶺委員 委員長、どうもありがとうございました。
 これで終わります。

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