国会質問

質問日:2022年 4月 21日  第208国会  憲法審査会

国民投票CM 民放連聴取 衆院憲法審で赤嶺氏が質問

 衆院憲法審査会は21日、憲法改正の国民投票にかかわる有料広告の問題などについて、民放連への参考人質疑を行いました。

 民放連の永原伸専務理事は意見陳述で、テレビやラジオ、インターネットの広告に対する規制を強化することは「言論空間のゆがみを拡大しかねない」「言論・表現の自由を毀損(きそん)しかねない」として、反対を表明しました。

 自民党の新藤義孝議員は「今後議論すべきは、広告の『出し手』である政党の自主的な取り組みだ」と主張。立憲民主党の奥野総一郎議員は「資金の多寡によって投票結果が左右されかねない」として、テレビ・CMなどの量的な規制も検討すべきだと述べました。

 日本共産党の赤嶺政賢議員は、国民投票では国民が幅広い意見に接し自由に意見表明することが重要だと強調し、放送事業者が担う社会的な役割についてただしました。民放連の堀木卓也常務理事は「多角的論点の提示が、民主主義の基盤を維持する」「真実を追究して誠実な報道であることが大事だ」と述べました。(しんぶん赤旗 2022年4月22日)

 

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国民投票CM 民放連聴取(衆院憲法審)

議事録

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 参考人の皆様、今日は大変ありがとうございます。
 私たちは、国民が改憲を求めていない中、国民投票法を整備する必要はないという立場であります。
 その上で、幾つか御意見をお伺いいたしますが、まず、大前提の問題として伺いたいのは、国民投票では、国民が幅広い意見に接し、自由闊達に意見を表明し、意思を形成することが何よりも重要だと思います。その上でも放送が担っている社会的な役割というのは大きいと思いますが、放送事業者には何が求められているのか、お考えを伺いたいと思います。

○堀木参考人 先生、ありがとうございます。
 放送法の四条で定めていること、この中には政治的公平もございますけれども、大きなことは多角的論点の提示ということだと思います。
 これは国民投票運動のときはなおさらそうなんですけれども、ふだんから放送事業者は、多角的論点の提示ということが、先ほど来出ています民主主義の基盤を維持するということで一番大事なことだというふうに考えておりますので、この国民投票運動の放送対応に関しても同じことが言えるんだというふうに承知しております。

○赤嶺委員 お示しいただいたガイドラインでは、報道、広告を含めた放送全ての側面で、正確かつ多角的な情報を積極的に提供することは、放送事業者の当然の責務だとも述べておられます。特に、報道は、放送事業者が主体的に多様な意見や論点を集め、深く掘り下げ、国民に提供することができるもので、その役割と影響は非常に私も重要だと思います。
 この点について、今の政治報道ではどのようなことを意識して取組をされているのか、また、今後の取組として検討していることがあれば、政治報道に関して教えていただきたいと思います。

○堀木参考人 繰り返しになって恐縮ですけれども、先生おっしゃるとおり、まず、信頼されるメディアであり続けたいということは、私ども放送事業者がいつも考えていることでございます。先ほど出ました今回のロシアのウクライナ侵略に関しても、やはり、私たちが真実を追求して誠実な報道でありたいということは、何よりも大事なことだと考えております。その上で、日頃からそうなので、この国民投票運動に関する放送対応も同じことだというふうに先ほど申し上げました。
 ただ、それを実現することは、個々の放送事業者がそれぞれ考えることでございます。業界全体としてこういう方向ということを考えていることではございませんので、そこはちょっと、事業者団体としてのコメントは控えさせていただきます。

○赤嶺委員 ありがとうございます。
 法制定時の特別委員会での議論の中で、民放連の渡辺参考人は、放送事業者の役割は、正確な報道をすること、そしてもう一つは、国民の間で議論を触発するための場を提供することだということで、その方法として、積極的に討論番組などを企画していくと述べておられました。
 一方で、政治報道については、例えば、国政選挙の報道時間は選挙のたびに減少傾向にあるという指摘もされています。二〇一九年の参議院選挙の報道は、二〇一六年のときと比べて三割から四割減ったとされています。昨年の衆議院選挙でも、二〇一七年のときと比べて半分に減ったテレビ局や、ほとんど報道しなかった局もあったという調査もあります。特に顕著なのが、選挙期間中の政党間の討論番組や政策報道が減っていることだと言われています。
 昨年の総選挙に関して、明るい選挙推進協会が行った意識調査では、情報源がテレビだと答えたのは、全ての年代で過半数を超えています。こうした中で、政治報道、選挙報道が減っているという指摘は大変重大だと思いますが、参考人はどのように受け止めておられますでしょうか。

○堀木参考人 先生が今おっしゃったこの調査データについて、にわかにコメントするのが難しいんですけれども、党の討論番組や政策報道ということですね。
 もちろん、放送事業者ですから、その時々の国民・視聴者の関心に沿って、最大限それを反映して報道しようということは、今までもやっておりますし、これからも変わらないところなんですが、そうした、討論番組が少ないとか政策報道が少ないということ、こういう御指摘については、真摯に受け止めて考えていかなきゃいけないことというふうに思っております。

○赤嶺委員 ありがとうございました。
 今日の参考人の意見では、インターネットの広告のことを強調されておりました。
 重要なのは、放送事業者がその責任と役割を果たすことだと思います。そのことを何よりも重く受け止めてもらいたいと申し上げまして、私からの質問を終わります。

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