国会質問

質問日:2022年 4月 28日  第208国会  憲法審査会

憲法違反の現実正せ 国民投票法改定案 赤嶺氏が批判

衆院憲法審

 衆院憲法審査会は28日、国民投票法などについて自由討議を行いました。

 日本共産党の赤嶺政賢議員は、国民投票法は「改憲作業と地続き」のものだと指摘し、「国民が改憲を政治の優先課題と考えていないもとで、投票法を整備する必要はない」と主張。

 自民党などが提出した新たな「公選法並びに国民投票法改定案」について、「投票法を形だけ整えて、いつでも動かせるようにしておき、次は憲法本体の議論に進もうというものだ」と批判しました。

 その上で、「今やるべきは憲法に反する現実をただす議論だ」と述べ、憲法と矛盾する沖縄の実態を告発。1952年4月28日は沖縄がサンフランシスコ条約によって本土から切り離され、米軍統治下に取り残された「屈辱の日」だとして、72年の本土復帰後も、安保条約に基づき米軍基地が温存され、「米軍関係者による事件・事故などで県民の命と暮らしが脅かされ続けている」と指摘しました。

 衆院本会議で可決された沖縄の本土復帰50年決議は、県民の願いに反して米軍基地を存続させた政府の責任を明らかにせず、基地の整理・縮小や日米地位協定改定にも一切触れていないと厳しく批判。「憲法の上に日米地位協定があり、国会の上に日米合同委員会がある沖縄の現実こそ変えるべきだ」と強調しました。(しんぶん赤旗 2022年4月29日)

 

議事録

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 参考人の皆様、今日は大変ありがとうございます。
 私たちは、国民が改憲を求めていない中、国民投票法を整備する必要はないという立場であります。
 その上で、幾つか御意見をお伺いいたしますが、まず、大前提の問題として伺いたいのは、国民投票では、国民が幅広い意見に接し、自由闊達に意見を表明し、意思を形成することが何よりも重要だと思います。その上でも放送が担っている社会的な役割というのは大きいと思いますが、放送事業者には何が求められているのか、お考えを伺いたいと思います。

○堀木参考人 先生、ありがとうございます。
 放送法の四条で定めていること、この中には政治的公平もございますけれども、大きなことは多角的論点の提示ということだと思います。
 これは国民投票運動のときはなおさらそうなんですけれども、ふだんから放送事業者は、多角的論点の提示ということが、先ほど来出ています民主主義の基盤を維持するということで一番大事なことだというふうに考えておりますので、この国民投票運動の放送対応に関しても同じことが言えるんだというふうに承知しております。

○赤嶺委員 お示しいただいたガイドラインでは、報道、広告を含めた放送全ての側面で、正確かつ多角的な情報を積極的に提供することは、放送事業者の当然の責務だとも述べておられます。特に、報道は、放送事業者が主体的に多様な意見や論点を集め、深く掘り下げ、国民に提供することができるもので、その役割と影響は非常に私も重要だと思います。
 この点について、今の政治報道ではどのようなことを意識して取組をされているのか、また、今後の取組として検討していることがあれば、政治報道に関して教えていただきたいと思います。

○堀木参考人 繰り返しになって恐縮ですけれども、先生おっしゃるとおり、まず、信頼されるメディアであり続けたいということは、私ども放送事業者がいつも考えていることでございます。先ほど出ました今回のロシアのウクライナ侵略に関しても、やはり、私たちが真実を追求して誠実な報道でありたいということは、何よりも大事なことだと考えております。その上で、日頃からそうなので、この国民投票運動に関する放送対応も同じことだというふうに先ほど申し上げました。
 ただ、それを実現することは、個々の放送事業者がそれぞれ考えることでございます。業界全体としてこういう方向ということを考えていることではございませんので、そこはちょっと、事業者団体としてのコメントは控えさせていただきます。

○赤嶺委員 ありがとうございます。
 法制定時の特別委員会での議論の中で、民放連の渡辺参考人は、放送事業者の役割は、正確な報道をすること、そしてもう一つは、国民の間で議論を触発するための場を提供することだということで、その方法として、積極的に討論番組などを企画していくと述べておられました。
 一方で、政治報道については、例えば、国政選挙の報道時間は選挙のたびに減少傾向にあるという指摘もされています。二〇一九年の参議院選挙の報道は、二〇一六年のときと比べて三割から四割減ったとされています。昨年の衆議院選挙でも、二〇一七年のときと比べて半分に減ったテレビ局や、ほとんど報道しなかった局もあったという調査もあります。特に顕著なのが、選挙期間中の政党間の討論番組や政策報道が減っていることだと言われています。
 昨年の総選挙に関して、明るい選挙推進協会が行った意識調査では、情報源がテレビだと答えたのは、全ての年代で過半数を超えています。こうした中で、政治報道、選挙報道が減っているという指摘は大変重大だと思いますが、参考人はどのように受け止めておられますでしょうか。

○堀木参考人 先生が今おっしゃったこの調査データについて、にわかにコメントするのが難しいんですけれども、党の討論番組や政策報道ということですね。
 もちろん、放送事業者ですから、その時々の国民・視聴者の関心に沿って、最大限それを反映して報道しようということは、今までもやっておりますし、これからも変わらないところなんですが、そうした、討論番組が少ないとか政策報道が少ないということ、こういう御指摘については、真摯に受け止めて考えていかなきゃいけないことというふうに思っております。

○赤嶺委員 ありがとうございました。
 今日の参考人の意見では、インターネットの広告のことを強調されておりました。
 重要なのは、放送事業者がその責任と役割を果たすことだと思います。そのことを何よりも重く受け止めてもらいたいと申し上げまして、私からの質問を終わります。

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