改憲問題対策法律家6団体連絡会は2月3日、9条改憲に反対するキックオフ集会をオンラインで開催しました。与党と一部野党が必要性のない改憲を主張しているなかで「憲法が生かされた政治の実践こそが必要」と訴え、参院選に向けて「憲法改悪を許さない全国署名」などに取り組み、「改憲勢力が3分の2を下回るよう、市民と野党の共闘をいっそう強化しよう」とアピールしました。総がかり行動実行委員会が共催。
同連絡会の大江京子事務局長が主催者あいさつ。コロナ感染が急拡大するなか岸田政権は、いまだにまともな対策すらせず改憲論議を主張していることに「怒りを込めて抗議します」と述べ、国民が求めているのは改憲ではなく、コロナから命と暮らし、子どもを守る政策だと強調。「火事場泥棒的に狙われている9条改憲を、主権者の声で断ち切ろう」と呼びかけました。
早稲田大学の愛敬浩二教授、名古屋学院大学の飯島慈明教授が講演。愛敬さんは、改憲派が現実政治では必要性がないのに、改憲を主張していると指摘。コロナ禍をきっかけに、新自由主義の見直しや格差と貧困の解消が世界中で求められているなかで「憲法を変えている時間はありません。いまやるべきことは、憲法を政治に生かすことです」と述べました。
飯島さんは、改憲手続き法の問題点を紹介し、各政党の改憲項目を批判。「環境権や教育無償化、データ基本権などは法律で対応可能なもの。自衛隊の明記や緊急事態条項は危険で無謀なものです」と語り、「850億円とも言われる税金を使う改憲発議は無駄遣いです」と述べました。
日本共産党、立憲民主党、社民党の国会議員があいさつ。共産党は赤嶺政賢衆院議員と山添拓参院議員が参加し、あいさつした赤嶺氏は、総選挙後に国会の力関係が大きく変わり、与党と一部野党が憲法審査会の開催を強行してくる可能性もあると指摘。「国民的なたたかいが必要になっています。国会内外で力をあわせましょう」と呼びかけました。(しんぶん赤旗 2022年2月5日)