エッセイ

水曜随想 菅内閣に強烈な審判

 

 総選挙が確実に行われる2021年を迎えた。沖縄では、1区から4区までオール沖縄の予定候補者がそろった。1区・赤嶺政賢、2区・新垣邦男(照屋寛徳さんの後継ぎ)、3区・屋良朝博(立憲民主党)、4区・金城徹(元那覇市議会議長)だ。1月4日から7日までの4日間、各小選挙区で4人そろって街頭演説にたち、建白書実現をめざし、4人全員勝利をアピールした。

 2022年には県知事選挙が行われる。辺野古新基地の軟弱地盤の設計変更申請の承認は、政府寄りの知事を実現しない限り極めて困難だ。辺野古が暗礁に乗り上げたら、日米同盟が漂流する。そこで政府は、1月宮古島市、2月浦添市、4月うるま市の3市長選挙で圧勝し、デニー知事打倒に弾みをつけようと狙った。

 ところが、最初の宮古島市長選挙で、元自民党県議の座喜味一幸さんとオール沖縄が共闘した「ワンチームみゃーく(宮古)」が、自公の現職を大差で破った。利権まみれの現職に対して、公平・公正な市政の実現を目指した市民の勝利だ。しかも現職は、オール沖縄打倒をめざして政府肝いりでつくられた保守系市長の集団、「チーム沖縄」の会長だ。選挙戦には菅首相の秘書と自民党本部のオルグも配置されていた。菅首相には大きな痛手だ。

 2月7日には浦添市長・市議選挙が行われる。那覇軍港浦添移設問題が最大の争点だ。1月31日の告示の日、市長候補の伊礼ゆうきさんの出発式は、軍港建設が狙われている西海岸の砂浜で行われた。「軍港反対といわれるのが、一番きつい」と自公陣営は悲鳴をあげている。菅首相は、この選挙にも秘書を配置、自民党本部も全力だ。19人の自民党の市議候補も現職市長とセットで選挙戦を展開している。

 そんな中で、馬毛島への米空母艦載機離着陸訓練場建設を抱える鹿児島県西之表市で、建設に反対する現職が市長選で接戦を制したというニュースがとびこんできた。北九州市議選では自民党現職6人が落選した。浦添市での市長選勝利、党の2議席を含む軍港反対を掲げる候補者全員の勝利で、菅内閣に強烈な審判を下したい。(しんぶん赤旗 2021年2月3日)

 

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