エッセイ

水曜随想 「軍事インフラが民圧迫」 衆議院議員 赤嶺政賢

 

 沖縄の米軍基地は、実弾射爆撃訓練場が各地におかれている。米軍にとってはいたれりつくせりの軍事施設がそろっているから、米国内の州軍までやってきてさまざまな訓練を行う。軍事インフラがそろっている沖縄で負担軽減が実現するはずがない。

 那覇近郊の離島の久米島(くめじま)や渡名喜島(となきじま)にも実弾射爆撃場がある。ゴールデンウイークの一日を割いて、比嘉瑞己県議と、渡名書島の調査にでかけた。

 那覇からフェリーで1時間45分。島の周囲は12・5キロ、人口370人、戸数212戸の小さな島だ。住宅のまわりはふくぎの木で囲まれ、家屋の多くは道路より一段低いところに建てられている。台風の影響をさけるための先人の知恵だ。文化庁はこの集落を「重要伝統的建造物群保存地区」に指定した。

 議会定数は7。そのなかで日本共産党は上原哲明議員、上原茂治議員の2議席だ。日本共産党の掲示板が目立つ。のどかな島の風景にとけあっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

問題は島の西側4キロ沖合の入砂島だ。防衛省や米軍は出砂島とよび、今は無人島になってしまったこの島全体が米軍の実弾射爆撃訓練場だ。米軍の戦闘機やヘリ、オスプレイの実弾射爆撃訓練が行われている。

 漁船が島に麿つくと米軍のヘリにどこまでも追っかけられる。訓練水域は渡名喜島の一部までおよんでおり、島の出入り口をふさいでいる。1年半前の台風15号で破壊された沖の防波堤の復旧工事は、米軍の訓練が行われていない日曜日のみに限られているので遅々としてすすまない。冬場は海が荒れ北風が吹くとフェリーは欠航する。人や生活物資の往来もとだえてしまう。防波堤の復旧は島の住民の死活問題だ。軍事よりも民の生活を優先すべきだ。

 

 両議員とたたかいの方向を話しあった。島を離れるとき、とれたばかりのタコやしびまぐろをいっぱいおみやげにいただいた。「豊かな島の漁場は県民のもの。島からは米軍はでてゆけ」。決意を新たに島を離れた。(しんぶん赤旗 2017年5月10日)

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