エッセイ

水曜随想  サトウキビ農家は正念場

 

 週末は与論町の演説会でした。「外需頼みの日本経済を、内需主導へ」の訴えのなかで、島の基幹産業であるサトウキビ農業を守る課題を訴えました。

 「サトウキビ農業に市場競争の原理が導入されて、現在は特例措置の期間中。その期間も来年で切れるため、農家は崖っぷちにたたされている。トンあたりのサトウキビの価格は20000円余。『耕地面積の規模拡大、作業の機械化』に応じきれない農家の手取りは約4000円になってしまう。サトウキビ生産の担い手は高齢者がほとんどだから、機械化や規模拡大は机上の空論だ。農業の発展が景気回復の近道だ」と、だいたいこんな訴えでした。

 翌朝、島の製糖工場を訪問。製糖工場の煙突からはもくもくと煙があがり、ことしの製糖期もピークでした。「製糖の煙」は、日本の南の島々の季節の風物詩です。

 突然の訪問でしたが、工場の所長さんが、「ちょうどいいところに来てくれた。」と歓迎してくれました。

 「いま、来年のキビを植えていいのかどうか、農家からいっぱい質問が寄せられる。」と所長さん。「農家がサトウキビを作らなくなると、工場は存亡の危機、島のコミュニティーも崩壊する。」「日本農業は工業製品の輸出の犠牲にされている」と、切迫した現状を次々と訴えます。

 政府は昨年暮れの私の質問に、来年の夏までに特別措置を延長するかどうか、農家の意見を聞いて決めると答弁しています。「キビ農家にとってもこの夏が正念場です。」と説明すると、「共産党、がんばってほしい」と激励されました。

 与論島を含む鹿児島県南西諸島では農家の77%、沖縄県では74%の農家がサトウキビ生産農家です。「鹿児島と沖縄のキビ農家守るために頑張ろう」と、日本共産党与論支部の同志たちと闘う決意をかわし、島をあとにしました。(しんぶん赤旗九州・沖縄面2009年4月1日)

 

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