辺野古新基地建設をめぐる安倍内閣対県民のたたかいが緊迫している。安倍首相は、沖縄の民意などお構いなしに工事強行の構えだ。県民は民意の尊重を求めて、不退転の決意だ。人間としての誇りが人々を結びつけている。
工事の強行は絶対に容認できないと、キャンプ・シュワブのゲート前と海上の現場での抗議行動がねばりづよく続く。ゲート前は工事資材の搬入を監視するため別時間態勢だ。県外からもたくさんの支援者がかけつけている。海外のメディアの取材もふえた。
そんな中、沖縄地元紙のワシントン特派員が、英大手経済誌エコノミストの最近号が、辺野古の記事を掲載していると伝えてきた。それによると、辺野古移設計画が「ヤマ場を迎えている」とし、キャンプ・シュワブゲート前で抵抗運動をする市民について「極端な過激派はほとんどおらず、市民の中には元公務員や教員、大学教員らの姿もある」と、正確だ。最近、県内大手建設会社の会長が参加し、「基地撤去の公共工事を請け負いたい」と発言し、参加者を感動させた。
同誌はこのたたかいが「巨大な(基地)負担が住民を苦しめてきた」と歴史的背景をもったものだと分析し、そうした事態は「米国と安倍晋三首相を窮地においやるかもしれない」と警告している。
県民は「不屈」のスローガンをかかげ、励まし合いながらたたかっており、きたる22日には、ゲート前大集会の開催が予定されている。
辺野古の海ではボーリング調査が強行された。重さ10トンから45トンの巨大なコンクリートブロックが連日投入され、その場所は37カ所におよび、つぶされた海底のサンゴが無残な姿をさらしている。承認区域の外側にも投入されており、これは違法構造物だ。
私も現場を調査してきた。翁長知事は違法な行為を政府が改めない限り、前県政が行ったサンゴの破壊を伴う「岩礁破砕等の許可」を取り消す姿勢を沖縄防衛局に通告した。野蛮な強権政治は、民主主義の力で絶対に葬り去らなければならない。(しんぶん赤旗 2015年2月18日)