国会質問

質問日:2024年 4月 11日  第213国会  憲法審査会

改憲議論の前提欠く 赤嶺氏 自民裏金の解明求める

衆院憲法審

 衆院憲法審査会は11日、自由討議を行いました。日本共産党の赤嶺政賢議員は「裏金事件で自民党政権が国民の信を失ったもとで、改憲を議論する前提そのものを欠いている」と批判し、「いま国会が果たすべき使命は、関係者を証人喚問し、真相解明をすることだ」と主張しました。

 赤嶺氏は、裏金事件は自民党の主要派閥が政治資金パーティー収入を派閥ぐるみで裏金化するという政治資金規正法違反を長年にわたって行ってきたものだと強調。自民党に改憲を語る資格はないと断じた上で、「岸田首相は真相解明にふたをし、党内処分で幕引きしようとしている。絶対に認められない」と主張しました。

 また、岸田政権が憲法にもとづく平和国家としての理念を次々に破壊しようとしていると指摘。武器輸出の問題では、殺傷能力のあるライセンス兵器や次期戦闘機の輸出を一片の閣議決定で容認したとして、「国際紛争を助長し、憲法の平和主義を投げ捨てる暴挙だ」と批判しました。

 さらに、日米首脳会談では、日米の指揮統制の連携強化や、米英豪の軍事的枠組み「AUKUS(オーカス)」との先端軍事技術での協力を検討することも確認したと指摘。「米国の軍事戦路に追従し、憲法を踏みにじり続けているのが岸田政権だ」と批判しました。(しんぶん赤旗 2024年4月12日)

 

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改憲議論の前提欠く(衆院憲法審)

議事録

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 私たちは、改憲のための憲法審査会は動かすべきではないという立場を表明してきました。それは、国民の多数が改憲を求めていないからです。国民の中から改憲の要求がないのに、政治権力を持つ側が改憲を喧伝し、雰囲気をつくり出し、国民に改憲を押しつけるのは、本末転倒と言わなければなりません。
 加えて重大なことは、裏金事件で自民党政権が国民の信を失った下で、改憲を議論する前提そのものを欠いているということです。
 裏金事件は、自民党の主要派閥が政治資金パーティー収入を派閥ぐるみで裏金化するという政治資金規正法違反を長年にわたって行ってきたものであります。前代未聞の極めて悪質な組織的犯罪行為であり、自民党全体が問われているのであります。
 政治資金規正法は、政治資金の収支の状況を国民の不断の監視と批判の下に置くことで、政治活動の公明と公正を確保すると強調しています。長年にわたって国民を欺き、議会制民主主義の土台を踏みにじってきた自民党に、改憲を語る資格はありません。自民党がやるべきは、いつ、誰が裏金システムをつくり、裏金を何に使ったのか、その内容、全容を明らかにすることです。
 ところが、政倫審に出席した安倍派幹部らは、秘書に任せていた、分からないなどと何も語らず、疑惑は深まるばかりです。にもかかわらず、岸田首相は、真相解明に蓋をし、党内処分で幕引きしようとしています。絶対に認められません。
 今、国会が果たすべき使命は、関係者を証人喚問し、真相解明をすることです。改憲のための議論を進めることではありません。
 もう一つ重大なことは、岸田政権が、憲法に基づく平和国家としての理念を次々に破壊しようとしていることです。現実の憲法理念の破壊を放置して改憲を議論することは、まさに立憲主義をじゅうりんするものであり、断じて許されません。
 今、沖縄県うるま市では、政府が陸上自衛隊の新たな訓練場の整備を住民に一切の説明なく決めたことに、怒りが沸き上がっています。自治体、住民は党派を超えて計画の断念を強く求めていますが、政府は整備を強行する構えです。国が決めたことには黙って従えと言わんばかりの姿勢で、民主主義も地方自治もないがしろにするものであります。
 武器輸出の問題も、岸田政権は、昨年十二月、殺傷能力のあるライセンス兵器などの輸出を、今年三月には、殺傷兵器の最たるものである次期戦闘機の輸出を、一片の閣議決定で容認しました。国際紛争を助長し、憲法の平和主義を投げ捨てる暴挙です。
 さらに、今回の日米首脳会談では、日米の指揮統制の連携を強化することで合意しました。台湾有事などを想定し、自衛隊を米軍の指揮下に一層深く組み込み、日米一体で敵基地攻撃を行うための体制強化にほかなりません。日米の軍事産業の連携を強化する協議体を立ち上げ、アメリカ、イギリス、オーストラリアの軍事同盟、AUKUSとの先端軍事技術での協力を検討することも確認しました。自衛隊も軍需産業も全てをアメリカの戦略に組み込み、利用しようとするものです。
 アメリカのエマニュエル駐日大使は、岸田政権は七十年来の安全保障政策を根底から覆したと称賛しています。
 アメリカの軍事戦略に追従し、憲法を踏みにじり続けているのが岸田政権です。この憲法じゅうりんの政治を正す議論こそ私たち国会議員に求められているということを強調し、発言を終わります。

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