赤嶺氏が反対
陸海空自衛隊を一元的に指揮し日米の指揮統制連携強化を狙う、「統合作戦司令部」創設等を盛り込んだ防衛省設置法等の一部改定案が11日の衆院安全保障委員会で採決され、日本共産党以外の賛成で可決されました。
日本共産党の赤嶺政賢議員は反対討論で、同司令部の創設は「自衛隊を米軍の指揮下に深く組み込むもので断じて容認できない」と強調しました。
統合作戦司令部創設に合わせ日米両首脳は11日の会談で、米軍と自衛隊の指揮統制の連携強化について合意しました。
赤嶺氏は、エマニュエル米駐日大使が、日米の指揮統制連携強化は台湾有事を念頭にしたものだと発言していると指摘。台湾有事を想定した日米共同作戦計画の原案が策定されたと報じられていることを挙げ、統合作戦司令部を創設し、米軍との間で、現実に即したより詳細な共同計画をつくるのではないかと追及しました。
さらに、2月の日米統合指揮所演習「キーン・エッジ」では同計画原案に基づき、自衛隊が仮の統合作戦司令部を立ち上げ、インド太平洋軍司令部との作戦や指揮を調整したとの報道に言及。すでに米軍司令官の指揮の下、統合作戦司令官が自衛隊の部隊を指揮する体制整備を進めているのではないかとただしました。
防衛省の加野幸司防衛政策局長は「(同演習は)常設の統合司令部の創設を含む国家防衛戦略の内容等を踏まえたものだ」と答えました。
赤嶺氏は、自衛隊が台湾有事で「米国の要請に応じて必要な行動をとらざるを得ないことは明白だ」とする森本敏元防衛相の指摘を紹介。「米軍の指揮下に組み込まれ、日本を台湾有事の矢面に立たせることは絶対に許されない」と批判しました。(しんぶん赤旗 2024年4月12日)
質問の映像へのリンク
議事録
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
まず最初に、うるま市の陸上訓練場の整備計画について質問をします。
NHKは、今朝五時のニュースだったと思うんですが、防衛省が、訓練場として整備することは断念し、土地を取得しない可能性も含め、計画を白紙に戻す方向で調整していると報じました。
大臣、これは事実ですか。
○木原国務大臣 報道は承知しておりますが、現在、私の考えとしては、従来どおりでございます。
○赤嶺委員 従来どおりという中身がよく分からないんですよね。
今、先ほど新垣邦男議員の質問に対しては、地元の意見を聞く必要があるという答弁だったと思いますが、それで、うるま市の市長や、報道によりますと、自民党の県連幹事長や自民党の県選出衆議院議員も同席の上で、この委員会が終わった後にお会いするということですが、地元の意見はもう明確じゃないですか。これ以上、地元の意見を確かめるという作業は必要ないと思いますが、今、防衛省が、大臣が取るべき態度は、やはり断念以外にないと思いますけれども、いかがですか。
○木原国務大臣 防衛省としては、一五旅団の改編によって一五師団化する、一個普通科連隊が増えるということによって、当然、訓練の所要が増えていくということ、そしてまた、様々な物資等の置き場所も必要になってくるということ、そういうところから、今回、うるま市のゴルフ場跡地を取得を検討してきたところでございます。その状況に変わりはないということです。
しかしながら、うるま市さんに対する昨年の年末の十二月の説明、あるいは沖縄県に対する説明、その後の二月の住民説明会、そしてその後の様々な、反対する集会なども行われたと承知しておりますが、そういった状況を踏まえて、もう既に私どもは、訓練場を取得した後の計画について当初お示しをし、そして、二回目に再提案をさせていただいております。しかし、今回、また更に新たに、取得後の利用方法について幅広く検討するということを申し上げてこれまで来ました。そして、まだそれはお示しをしていない段階です。それは、それが、案が固まった時点でまた地元に対して丁寧に説明しなきゃいけないということが、今、少し長くなりましたけれども、これが従来どおりという、その私の考えでございます。
そして、先ほど新垣委員にもお答えしましたが、本日の午後、うるま市長と自民党の沖縄県連幹事長が要請活動のために防衛省にお越しになるということでございます。私がその要請を承る予定であります。
うるま市では、議会で一定の決議が行われたというふうに承知をしております。その決議もまだ私自身は受け取っておりませんので、それを受け取るというプロセスになろうかというふうに思いますが、いずれにしても、地元の状況、うるま市長、まさに地元の首長であります。あわせて、自民党の幹事長、その状況をしっかりと拝聴したいというふうに考えております。
○赤嶺委員 党派を超えた反対運動の取組が広がっていることは、防衛大臣がそこを認識していないとしたら、それ自身が重大問題だと思います。
やはり、うるま市の訓練場の建設、私たちの質問に対しても、何も予算が確定した後じゃなくて、それ以前の平素から、いろいろなことを地元の自治体ともやってきたという答弁もあるわけですから。それでもなお、地元自治体の市長も含めて住民集会には参加しています。党派を超えたそういう声に対して、今大臣が取るべき選択は断念以外にないということを強く申し上げておきたいと思います。
最初に、法案の統合作戦司令部について質問をします。
岸田政権が二〇二二年末に策定した国家防衛戦略は、「陸海空自衛隊の一元的な指揮を行い得る常設の統合司令部を創設する。」としています。今回の法案はこれを具体化するものです。
防衛省は前回の委員会で、統合作戦司令部の創設について、アメリカからの要求があったのかと問われて、今年度に創設することになった直接のきっかけは国家防衛戦略だと述べる一方で、防衛戦略に記載することとなった経緯については触れませんでした。
国家防衛戦略に常設の統合司令部の創設を盛り込むに当たって、アメリカとのやり取り、どのようなやり取りがあったんですか。
○木原国務大臣 日米間においては、平素から、安全保障に関する様々なやり取りを行っております。したがって、それぞれ個別の内容に関する議論の詳細については、これはまさに安全保障の問題であり、相手国もあることですから、お答えすることは差し控えたいと存じます。
その上で、本日といいますか米国時間の十日に日米首脳会談が行われたわけですが、自衛隊と米軍との間の相互運用性を強化するため、それぞれの指揮統制の枠組みを向上させる意図を表明すると共同声明によってされたように、現在、日米間においては、我が国が統合作戦司令部を設置するとの決定も踏まえつつ、日米の相互運用性及び即応性を強化するために同盟としていかに効果的に連携して対応していくか、これは議論を進めているところでございます。
○赤嶺委員 私が伺ったのは、国家防衛戦略に記載する以前にアメリカと日本とのやり取りということを聞いたわけですが、大臣は答えられませんでした。
河野克俊元統合幕僚長、この方が、二〇一八年七月に行われた講演で、ハリス元太平洋軍司令官に、自衛隊には太平洋軍司令官のカウンターパートが必要だと言われて、研究を進めたいと述べているわけです。河野さんとハリスさんは一緒に与那国島に行って、見よ、あれが台湾だということで、台湾有事をアピールしているんじゃないかと思われるような行動もありましたが、そういうハリスさんに、カウンターパートが必要だと言われていた経過があるわけですね、それで研究すると。
米軍から太平洋軍司令部との調整機能を強化すべきだと言われて検討を進めてきた、そういうことではありませんか。
○木原国務大臣 国家防衛戦略において、常設の統合司令部を創設することといたしましたのは、自衛隊の統合運用の実効性を強化するためでありまして、委員が言われたように、米国に言われて創設を決定した、そういう御指摘にはまず当たらないということははっきりと申し上げておきます。
その上で、我が国の防衛政策というのは、特定の国や地域を脅威とみなして、これに軍事的に対応していくという発想に立っているものではなく、お尋ねの、日米間の指揮統制に係る議論についても、特定の事態を念頭に置いているわけではございません。
政府としては、国家防衛戦略に記載しているとおり、統合運用の実効性強化のため、陸海空自衛隊の一元的な指揮を行い得る統合作戦司令部を令和六年度末に設置すべく検討を進めており、日米間においても、一般論としてではございますが、相互運用性と即応性を高めるため、指揮統制に係る調整要領や連携強化について議論を随時行っているところでございます。
○赤嶺委員 今日、岸田首相は、バイデン大統領との首脳会談で、日米の指揮統制の連携を強化することで合意しました。大臣がおっしゃるとおりでありますが。
エマニュエル駐日大使は、四月五日の記者会見で、自衛隊と米軍の指揮統制の連携強化は台湾有事を念頭にしたものだと述べております。
大臣、この認識については同じですか。
○木原国務大臣 エマニュエル駐日大使の発言というのは報道等で承知をしておりますが、いわゆる台湾有事という、まさに仮定の質問についてお答えすることは、これはふさわしくないと考えております。
○赤嶺委員 仮定というよりも、エマニュエルさんがおっしゃっているから聞いただけですよね。エマニュエル大使は、台湾有事を想定したものだと明言しているわけですよ。
日本がアメリカと台湾海峡をめぐる問題に介入すれば、これは沖縄を始め日本列島は報復攻撃を受け、甚大な被害を受けることになります。国民の生命財産に関わる極めて重大な政策変更、これを、国民に一切説明せず、国会で問われても答えず、政府の一存で決めるなどということは絶対に許されないものだと思います。
一体、どういう事態を想定したものなのか、これを明らかにすべきだと思いますが、いかがですか。
○木原国務大臣 政府といたしましては、台湾海峡の平和と安定というものは、我が国の安全保障はもとより、国際社会全体の安定にとっても重要、そのように考えておりまして、台湾をめぐる問題が対話により平和的に解決されることを期待するというのが台湾についての従来からの政府の一貫した立場でございます。
日米間においても、十日に実施された日米首脳会談や、また、昨年十月に日米防衛相会談を始め、私が直接オースティン長官と対談をした中においても、台湾海峡の平和と安定の重要性については一致しているところでございます。
○赤嶺委員 平和外交が大事だとおっしゃいましたけれども、二〇一五年の日米ガイドラインは、日米が平時から共同計画の策定を強化すると明記しております。
今回、統合作戦司令部を新設することによって、共同計画の策定は従来と何がどのように変わるのか。台湾有事を想定した詳細な共同作戦計画を策定していくということになるのではないですか。
○加野政府参考人 お答え申し上げます。
まず、委員御案内のとおり、日米両政府は、二〇一五年の日米防衛協力のための指針の下で、共同計画を策定、更新するということにしておるわけでございますけれども、その策定状況や内容などの詳細につきましては、緊急事態における両国の対応に関わることでございますので、お答えできないことを御理解を頂戴したいというふうに存じます。
その上で、統合作戦司令部創設後の日米共同計画の策定メカニズムにつきましては、我が国の平和それから安全に関連する緊急事態に際して効果的な日米対処を可能にするという観点から、現在、様々な議論を行っているところでございまして、現時点で具体的な在り方が決まっているわけではございませんけれども、引き続き検討していく考えでございます。
○赤嶺委員 これについても一切説明しようとしません。
台湾有事を想定した日米共同作戦計画の原案は、既に策定されたことが報道をされています。そこでは、海兵隊は対艦攻撃ができるロケット砲を配備し、拠点となる島を転々としながら中国艦艇への攻撃を続けるとしています。日本は、安保法制に基づく重要影響事態と認定し、自衛隊が米軍の輸送や弾薬の提供など、後方支援を行います。日米が一体になって中国と戦うというものであります。
国民の知らないところで、既に軍と軍の間では作戦計画の策定が進められているのではありませんか。統合作戦司令部と新たに強化される米軍の前線司令部との間で、現実の対応に即した詳細な作戦計画を策定しようとしているのではありませんか。
○加野政府参考人 お答え申し上げます。
繰り返しの答弁になって恐縮でございますけれども、共同計画の策定状況、内容の詳細などにつきましては、これは緊急事態における両国の対応に関わることでございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
その上で申し上げますると、自衛隊による全ての活動というのは、米軍との共同対処を含めて、我が国の主体的な判断の下で、日本国憲法、国内法令等に従って行っていくということでございまして、共同計画等の策定作業に際しましても、それは当然の前提になってくるということでございます。
○赤嶺委員 憲法を前提にするが、中身は言えない、こういう答弁で納得できるはずがないですよね。
二月一日から八日にかけて、自衛隊と米軍との大規模な統合指揮所演習、キーンエッジが行われています。そこでは、日米共同作戦計画の原案に基づいた日米の運用の検証が行われたとされています。自衛隊は、実戦に沿うように、仮の統合作戦司令部を立ち上げて、インド太平洋軍司令部と作戦や指揮を調整した、このように報道されております。
既に、日米共同作戦計画に沿って、米軍司令官の指揮の下で統合作戦司令官が部隊を指揮するための調整を進めているということではありませんか。
○加野政府参考人 お答えを申し上げます。
委員御指摘の、日米統合共同演習、キーンエッジ24でございますけれども、こちらにつきましては統合作戦司令部の創設を前提にしたというものではございませんけれども、常設の統合司令部創設を含む国家防衛戦略で示されました内容等を踏まえまして指揮統制について演練をするということについては、各種事態における自衛隊の切れ目のない対応を可能とするとともに、日米の連携の強化を図るというために必要なことであるというふうに考えてございます。
演習を含みます様々な機会を捉えまして、指揮統制の在り方について防衛省として不断に検証、演練をしてまいる考えでございます。
○赤嶺委員 日米は独立した指揮系統で行動すると繰り返しておりますけれども、森本敏元防衛大臣、この委員会で何度もやり取りをしましたけれども、森本元大臣は、台湾有事に際し、我が国の防衛力は米国と独立して行動できるわけではなく、かつ、米国の要請に応じて必要な行動を取らざるを得ないことは明白である、このように述べております。
武力攻撃事態や重要影響事態に関する法律は、全て米軍や第三国の軍隊に日本がどのような支援を行うかを規定したものであります。森本元防衛大臣が言うとおり、米国の要請に応じて必要な行動を取ることになっていくのではありませんか。
○加野政府参考人 お答え申し上げます。
委員御案内の御発言につきましては、元防衛大臣ではございますけれども、有識者としての御見識というふうに受け止めたいというふうに存じます。
その上で、ただ、事態に際して、米軍と日本につきましては、お互いに調整をしながらきちんと対処をしていかなきゃいけないということでございますけれども、その大宗を定めましたのが二〇一五年の日米防衛協力のための指針でございます。
御案内のとおり、各種事態に応じて日本とアメリカがどのような形で協力をしていくのかということを、その中で大枠を定めているわけでございますけれども、ただ、その前提といたしましては、我が国の活動については、全て憲法、国内法等の規定に従って、その範囲内で共同していくということでございます。
○赤嶺委員 実際の現場では、米国の要請に応じて必要な行動を取ることになっていくと思います。その事態が発生したときに、とても日本が独自の、アメリカの要請と離れて行動することはできないということを申し上げたいと思います。
陸上自衛隊の東北方面総監などを務めた松村五郎氏は、今回の統合作戦司令部設置の背景に、台湾有事への懸念が高まったことを挙げています。その上で、日米の司令部の連携が密になることで、日本の自衛隊なのに、むしろ米国の軍事的意向が強く反映することになりかねない、このように指摘をしております。
米軍の事実上の指揮下に組み込まれ、日本を台湾有事の矢面に立たせることは絶対に許されません。日本政府がやるべきことは、アメリカの危険な軍事戦略につき従うことではなく、米中双方に緊張を高める言動を厳に慎むよう求めるとともに、当事者間の平和的な話合いで解決するための外交、これを強化することだというのを強く申し上げたいと思います。
次に、敵基地攻撃能力の運用との関係についてであります。
今、日本とアメリカは、敵基地攻撃とミサイル防衛を一体化させた統合防空ミサイル防衛、IAMDの構築を進めております。
防衛省・自衛隊は、陸海空全てに敵基地攻撃に用いる長射程ミサイルを導入する計画を進めています。米軍も、在日米軍のイージス艦や航空機に加えて、米太平洋陸軍が日本を含むアジア太平洋地域に中距離ミサイルを配備する方針です。
昨年一月の日米首脳会談の共同声明は、日米が敵基地攻撃能力の効果的な運用について協力を強化するとしています。敵基地攻撃が、日米共同で行使するためには、攻撃目標の重複を避けるため、攻撃目標の情報を一元的に集約し、攻撃に最適な艦船や戦闘機を瞬時に割り当てることが不可欠です。
政府は、日米が独立した指揮系統で行動すると言いますが、事態が起こってから日米で協議するということは、対応できるはずがありません。指揮系統を一元化しないで一体どうやって対応できるのか、説明していただけますか。
○小泉委員長 持ち時間を過ぎていますので、この答弁で終わります。
○木原国務大臣 反撃能力に係る日米間の協力内容については、その能力をより効果的に発揮する協力体制を構築することとしておりまして、日米間で今後も議論していくものでございます。
その上で、日米間で状況に応じた双方向の調整を行って緊密に連携していくということになりますが、自衛隊の運用というのは、米国の情報だけでなくて、我が国自身で収集した情報を始め全ての情報を統合して行われるものであります。
大前提としてでございますが、繰り返しますが、自衛隊の全ての活動というのは、我が国の主体的な判断の下で、日本国憲法、国内法令に従って行われることになっており、自衛隊、米軍、各々独立した指揮系統に従って行動いたしますから、指揮系統を一元化しないと運用できないという委員の御指摘には、これは当たらないと存じます。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○赤嶺委員 私は、日本共産党を代表し、防衛省設置法等一部改正案に反対の討論を行います。
統合作戦司令部は、陸海空自衛隊を一元的に指揮する常設の司令部組織です。台湾有事などを想定し、日米の指揮統制の連携強化を図るものです。自衛隊を米軍の指揮下に一層深く組み込み、日米一体で敵基地攻撃能力を運用する体制をつくるものであり、断じて容認できません。
政府機関、GIGOへの職員の派遣は、イギリス、イタリアとの次期戦闘機の共同開発を進めるためのものです。イギリスはアメリカの無法な戦争を共に遂行してきた国であり、同国の軍事攻撃に加担することは許されません。岸田政権が次期戦闘機の第三国輸出を一片の閣議決定で容認したことは、憲法に基づく平和国家の在り方を根底から覆す暴挙です。閣議決定は直ちに撤回すべきです。
日独ACSAの関連規定は、憲法違反の安保法制と一体で、平時から有事に至るあらゆる段階で、ACSAを通じた日独間の軍事協力を可能とするものです。アメリカの対中軍事戦略に沿って、二国間、多国間の共同訓練を拡大し、中国に対する軍事的圧力を強め、地域の対立と分断を拡大するものであり、認められません。
共同の部隊の船舶に乗船する自衛官への各種権限の拡大は、海上保安庁の任務である海上における人命、財産の保護、治安の維持において、自衛隊の権限と役割を拡大し、軍事的緊張と軍事衝突の危険を高めるものです。自衛隊海上輸送群の新編は、沖縄が戦場になることを想定して、日米一体で南西地域の軍事力を迅速に増強できる体制をつくるものであり、断じて容認できません。
政府は、東アジアに平和をつくる外交にこそ力を尽くすべきことを強調し、討論といたします。