衆院憲法審
衆院憲法審査会が25日に開かれ、自由討議を行いました。日本共産党の赤嶺政賢議員は、緊急事態を理由に国会議員の任期延長を可能にする改憲議論について、「権力の恣意(しい)的な延命につながる」と批判しました。
赤嶺氏は、同審査会で参考人の長谷部恭男早稲田大大学院教授が「任期の延長された衆議院と、それに支えられた従前の政権とが長期にわたって居座りを続ける、緊急事態の恒久化を招く」(18日)と警告したことは、「議論の本質を突くものだ」と強調しました。
赤嶺氏は、国会議員の任期延長は国民が政権を代える機会を奪い、国民主権の侵害につながると指摘。長谷部氏が緊急事態でも基本権を十全に保障し、速やかに選挙を実施すべきだと指摘したことを挙げ、「真摯(しんし)に受け止めるべきだ」と述べました。
赤嶺氏は、参考人が強調したのは、「想定外の上に想定外のことを仮定して、改憲議論を行うことの問題だ」と述べ、長谷部氏が「衆議院の総選挙を行うことが長期にわたって困難な状況が起こり得るのか」と疑問を呈したと指摘。これまでも審査会に出席した参考人が繰り返し同様の指摘をしてきたにもかかわらず、無視したまま改憲が必要だという議論が繰り返されているとして、「全く通用しない議論だ」と批判しました。
さらに赤嶺氏は、「国民は改憲を政治の重要課題と考えていない」と強調。共同通信の世論調査(5月2日)で、「改憲機運は高まっていない」と答えた人が7割を超えたことを示し、「国民が改憲を求めていない中、どれだけ審査会を動かそうと、国民との矛盾は一層深くなる」と強調しました。(しんぶん赤旗 2023年5月26日)