国会質問

質問日:2023年 6月 1日  第211国会  憲法審査会

延長は国民主権軽視 赤嶺氏 議員任期巡る議論批判

衆院憲法審

 

 衆院憲法審査会は1日、自由討議を行いました。日本共産党の赤嶺政賢議員は、緊急事態を理由に国会議員の任期延長を可能にする改憲議論は「国民主権を軽んじるものだ」と批判しました。

 赤嶺氏は、国民主権は「憲法の基本原理であり、国民の選挙権は最大限に保障されなければならない」と指摘。2005年の最高裁判決が国民の選挙権は「議会制民主主義の根幹を成すもの」で、「制限することは原則として許されない」と強調しているにもかかわらず、審査会で制限を当然視する議論が行われているのは「議会制民主主義を根底から揺るがすものだ」と批判しました。

 また、5月18日の審査会で、参考人の長谷部恭男早稲田大学大学院教授が、議員任期を延長すれば「緊急時の名を借りて、通常時の法制度を大きく変革する法律が次々に制定されるリスクがある」「従前の政権が長期にわたって居座り続ける、緊急事態の恒久化を招く」と警告したことを挙げ、「権力の乱用と恣意(しい)的な延命につながる危険が鮮明になった」と指摘しました。

 赤嶺氏は、1941年に衆院議員の任期が延長され、無謀な戦争に突入した歴史への反省から、戦後は「法律ではなく、憲法に任期を規定した」と指摘。憲法制定議会で当時の金森徳次郎憲法担当相が、議員任期を自ら延ばすのは「甚だ不適当」だとし、必ず選挙に訴えて「国会が国民と表裏一体化しているかどうか現実に現さなければならない」と強調したことを「重く受け止めるべきだ」と述べました。(しんぶん赤旗 2023年6月2日)

 

質問の映像へのリンク

任期延長は国民主権軽視(衆院憲法審)

議事録

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 前回に続いて、緊急事態を理由とした国会議員の任期延長と参議院の緊急集会について意見を述べます。
 この間の議論で特徴的と感じている点を幾つか申し述べたいと思います。
 一つは、議員任期の延長が国民の参政権を制限することへの認識が極めて希薄だということです。
 日本国憲法は、前文で、主権が国民に存することを宣言し、国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動すると述べています。国民主権は日本国憲法の基本原理であり、国民の選挙権は最大限に保障されなければならないものです。
 二〇〇五年の最高裁判決は、国民の選挙権について、国民の国政への参加の機会を保障する基本的権利として、議会制民主主義の根幹を成すものと述べ、これを制限することは原則として許されないと強調しています。
 ところが、今、緊急事態を理由に、議員任期を延長し、国民の選挙権を制限することを当然視する議論が行われています。議会制民主主義を根底から揺るがすもので、国民主権を軽んじるものと厳しく指摘しなければなりません。
 任期延長の口実として、国会機能や二院制の維持が強調されていますが、その大前提は、国会が国民に正当に選挙された議員で構成されていることです。人為的に任期を延長し、国民から信任を受けていない議員が長期にわたって居座り続けることは許されません。衆議院議員が不存在の場合は、臨時の暫定的措置として参議院の緊急集会で対応し、その後に国民から選ばれた衆議院がその当否を判断する仕組みを維持すべきであります。
 長期にわたって総選挙を実施できないおそれがあるというのであれば、そのような事態を招かないための選挙制度の改善を議論すればよいのであって、憲法を変えて任期延長を可能にするなどというのは、まさに本末転倒の議論であります。
 二つ目は、議員任期の延長が、権力の濫用と恣意的な延命につながる危険が鮮明になったことです。
 長谷部参考人は、議員任期を延長すれば、総選挙を経た正規のものとは異なる、ある種の国会が存在することになり、国会に付与された全ての権能を行使できることから、緊急時の名をかりて、通常時の法制度そのものを大きく変革する法律が次々に制定されるリスクがあると指摘しました。その上で、任期の延長された衆議院と、それに支えられた従前の政権とが長期にわたって居座り続ける、緊急事態の恒久化を招くことになりかねないと警告しました。
 そのようなことは考えていないという反論があるようですが、いついかなるときも権力の濫用が起こらないように、三権分立を始めとする民主政治の仕組みがつくられてきたことを思い起こすべきではないでしょうか。
 我が国では、一九四一年、衆議院議員の任期が、任期満了前に立法措置により一年間延期されました。緊迫した内外情勢下に短期間でも国民を選挙に没頭させることは、挙国一致体制の整備を邁進しようとする決意に疑いを起こさせないとも限らないというのがその理由でした。その間に、東南アジアへの戦線拡大と真珠湾攻撃に踏み切り、無謀な戦争に突入していきました。この歴史への反省から、戦後の日本は、権力者の都合で恣意的に任期を延長することのないように、法律ではなく、憲法に任期を規定したのです。
 憲法制定議会において、金森担当大臣は、国会議員の任期を自ら延ばすことは甚だ不適当であり、そのために憲法に四年の任期を明記したこと、そのときには必ず選挙に訴えて、国会が国民と表裏一体化しているかどうか現実に表さなければならないことを強調しています。この指摘を重く受け止めるべきです。
 前回、また今日も、玉木委員から、緊急集会に七十日間を超える対応を認めることになれば、フルスペックの集団的自衛権の行使も可能になるのではないかという質問がありました。この問題を考える上で土台に据えなければならないのは、日本国憲法はどういう憲法なのか、何を求めた憲法なのかということです。
 日本国憲法は、侵略戦争によって多大な犠牲を出したことへの反省と、二度とあのような惨禍を繰り返さないという決意の下に作られたものです。だからこそ、権力の濫用を招く議員任期の延長も、他国の戦争に参加する集団的自衛権の行使も、それが限定的であれ、ましてや全面的であれ、認められる余地はないというのが私の考えです。長谷部参考人が指摘したように、五十四条、九条のいずれの条項も、憲法の趣旨、目的を踏まえて考えていくことが重要だと思います。
 以上で発言を終わります。

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