国会質問

質問日:2023年 4月 14日  第211国会  安全保障委員会

目視調査の公表制限 沖縄米軍基地 赤嶺氏追及で判明

衆院安保委

 防衛省は14日の衆院安全保障委員会で、同省沖縄防衛局が実施している沖縄県内の米軍基地を使用する米軍機に対する目視調査結果の公表を一部制限し、航跡図の公表を中止したと明らかにしました。日本共産党の赤嶺政賢議員の追及で認めたもの。

 赤嶺氏は、沖縄防衛局が米軍普天間基地(宜野湾市)と嘉手納基地(嘉手納町)を離着陸した米軍機の時刻、機数、機種などを明らかにしていたのを、大まかな時間帯の機種・回数だけの提供に変更したとの報道を示し、事実関係をただしました。防衛省の深沢雅貴地方協力局長は「米軍が運用情報の保全を求めたことを踏まえ、昨年8月から変更した」と認めました。

 赤嶺氏は、目視調査は部品落下などの事故の際、被害状況の把握や原因究明につながる情報だと指摘。「事故を起こした米軍の要求をのんで、被害を受けてきた側への対応を制限するのは本末転倒だ」と批判しました。

 また赤嶺氏が普天間基地を離着陸する米軍機の航跡図の局内での閲覧・提供をやめた問題をただしたのに対し、深沢局長は「米軍の要請を踏まえ、2021年度から調査結果の閲覧を控えた」と認めました。

 赤嶺氏は、米軍ヘリから部品が落下した緑ケ丘保育園の保護者らは、飛行経路外なのに園上空を飛んでいると訴えており、それを裏付けるのが航跡図だと指摘。閲覧中止ではなく、園上空の飛行停止を米軍に求めるべきだと迫りました。浜田靖一防衛相は、「真摯(しんし)に受け止めて行動したい」と答弁しました。(しんぶん赤旗 2023年4月16日)

 

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目視調査の公表制限(衆院安保委)

議事録

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 初めに、米軍機の飛行に関する情報提供の問題から質問をいたします。
 今週十一日の沖縄の地元紙の報道で、米軍普天間基地と嘉手納基地で航空機の目視調査を行っている沖縄防衛局が情報提供の内容を制限していることが報じられております。
 従来は、メディアや自治体からの問合せに、具体的な離着陸の時刻や機種、機数などの情報を提供していたのに対し、大まかな時間帯と、まとめた形での離着陸回数の提供のみにとどめるようになったことが指摘をされております。
 防衛大臣に伺いますが、なぜこのようなことになっているのか、事実関係と防衛省の対応について説明をしていただけますか。

○深澤政府参考人 お答え申し上げます。
 沖縄防衛局において実施をしております目視調査につきましては、防衛省として、普天間飛行場と嘉手納飛行場における航空機の運用の実態を把握することを目的といたしまして、調査の結果を月ごとの目視調査結果として関係自治体へ提供するとともに、米側との様々なやり取りに活用しているところであります。
 その上で、報道機関や関係自治体からの日々の個別の問合せに対しましては、沖縄防衛局において可能な範囲で情報提供を行ってきているところですが、昨年八月以降、一機ごとに機種と離着陸時間をお答えする形から、基本的に、まとまった時間帯の機種と離着陸回数をお答えする形に変更しているところであります。
 ただし、特異な事象が生じた場合には、関係自治体や報道機関からの問合せに対しまして、状況に応じて詳細な情報を提供させていただくこととしております。
 これは、米側が従来から運用情報の保全を求めていることを踏まえまして、米軍の運用情報の保全の必要性と関係自治体等への適切な情報提供といった観点とを併せまして沖縄防衛局において検討した結果として、現在の情報提供内容としているところであります。
 こうした対応によりまして防衛省としての航空機の運用実態の把握内容が変わるわけでもなく、把握した調査結果の中で引き続き関係自治体等に適切に情報提供を行うことができているものと考えているところでございます。

○赤嶺委員 米軍の運用と安全な運航を求める自治体の間で、結局、詳しい情報を今提供しなくなったと。
 今年三月下旬にも、普天間基地所属のヘリが火薬類を含む部品を落下させる事故を起こしました。被害状況の把握や原因究明につながる情報を得るために、メディアや自治体が米軍機の飛行状況について情報提供を求める、これは非常に当然なことだと思うんですね。事故を起こしてきた側の米軍の要求をのんで、被害を受けてきた側への対応に制限を加えるというのは本末転倒だと思うんです。
 今回の防衛局の対応はおかしい、従来どおりに改めるように指示していただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。

○浜田国務大臣 我々とすれば、防衛局の方でこのような形にしたということを報告を受けているところであります。
 確かに先生の御指摘というのはあるのかもしれませんが、しかし、その運用については、我々とすればこれからも以前と同じようにしっかりと対応をさせていただきたいというふうに思っていることは、これは事実でございますので、我々の今回の試み、しばらくやらせていただければと思います。

○赤嶺委員 これは、ですから、加害者である米軍の要求をのんでいるということになりますよ。私は、防衛大臣、そんなのは本意ではないと思っておりますが、今の答弁はちょっと違っていると思います。
 目視調査だけではありません。二〇一八年に、普天間基地周辺の航跡調査に関して、沖縄防衛局がホームページでの航跡図の公開を取りやめたことが問題になりました。当時防衛省は、ホームページでの公開は行わないとしても、報告書の閲覧は引き続き沖縄防衛局内で行えるようにすると説明しました。ところが、今回、その閲覧も取りやめていたことが明らかになりました。月ごとの航跡図の提供にも応じなくなったとされています。
 大臣、これも事実ですか。いつから閲覧や提供を取りやめたんですか。

○深澤政府参考人 お答え申し上げます。
 防衛省では、沖縄防衛局におきまして普天間飛行場における回転翼機等の飛行経路の航跡調査を実施しており、二〇〇七年に日米間で合意をいたしました報告書に記載されている場周経路等に沿った飛行が行われているかについて、大まかな傾向の把握に努めているところであります。その上で、令和二年度分までの航跡調査の結果につきましては、調査結果の概要を公表するとともに、沖縄防衛局において航跡図の閲覧を行ってきたところであります。
 一方、米側からは、国際社会における米軍に対する脅威により、航空機の運用に係る情報保全についてはより厳しい考慮が必要であること、特に、近年、飛行場周辺において航空機に対するレーザー光発射が行われる事案や小型無人機が飛行場周辺を飛行する事例などが発生しており、これらの行為は航空機の安全運航の支障となり、一歩間違えると大事故につながる危険性があること、こういったことを踏まえ、米軍機の運用に係る詳細な調査結果を基に作成した航跡図を公表することについて強い懸念が示され、公表を取りやめるよう要請があったところであります。
 こうした米側からの要請を踏まえまして、昨年十二月末の令和三年度分の航跡調査結果の概要の公表から航跡図の閲覧を控えることといたしました。
 他方、航跡図の閲覧は取りやめるものの、調査結果についての地元等への説明の重要性を踏まえまして、引き続き説明責任を果たすため、関係自治体に対しましては、航跡図を用いて調査結果の説明を行うとともに、その評価を沖縄防衛局のホームページに公表させていただいているところであります。

○赤嶺委員 米軍は、自分の運用に関しては様々な理由をつけると思うんですが、沖縄にとって、米軍の運用で一番政府が気をつけなければいけないのは、住民に対する安全ですよ。騒音の被害や、そういうことについては全く検討しないで、米側の言うことを一方的にうのみにしていく。
 沖縄防衛局が行ってきた航跡調査は、飛行経路が守られていないことを、当時宜野湾市長だった伊波洋一現参議院議員を始め、住民の皆さん、そして私たち国会議員も繰り返し訴えて行われるようになったものです。米軍ヘリの部品が落下した緑ケ丘保育園の保護者や関係者の方々は、飛行経路ではないのに米軍機が飛んでいることを何度も上京して訴えてきました。そのことを裏づけているのが航跡図の資料です。公表を取りやめるのではなく、資料に基づいて、園の上空を飛ぶのをやめるよう米軍に求めるのが政府のやるべきことだと思いますが、大臣、いかがですか。

○浜田国務大臣 今委員から御指摘のありました点につきましては、確かに、地域の皆さん方にとって、その不安の払拭のためには、我々のそういった情報の提供、そしてまた丁寧な説明というのは、これは欠かさざることだと思っております。
 その点において、今我々の方がそれに対して後ろ向きなのではないかという御指摘もあるわけでありますが、しかし、我々とすれば、常にこの安全性については米軍に対して申入れをしているところでございますし、その意味では、我々とすれば、米軍に対してのやり方というのはそういった形を今取るのが最善の方法だと思い、お話をさせていただいているところであります。
 先生からのいろいろな御指摘については常に的確なところをおつきになっていると思いますけれども、しかし、我々とすれば、我々の努力をしっかりとしていくことだと思っておりますので、先生のおっしゃったことに対して真摯に受け止めて行動していきたいというふうに思っております。

○赤嶺委員 航跡図は公表していないけれども、場周経路に従って運航しているかどうかを、さっき政府参考人の方はちゃんとやっていると言いましたが、その評価を見せてもらいましたよ。米軍は場周経路のとおり運航しています、今後も気をつけてくださいという、もう守っているという評価を日本政府が与えているんですよ。だけれども、緑ケ丘保育園は、自分たちは場周経路の下にはないのに何で飛ぶんだというようなことで、子供たちがおびえているわけですよ。私の指摘が的確と言うなら、大臣、ちゃんと的確な指摘を米側に申し入れてほしいと思うんですよ。
 今月十二日で普天間基地の返還合意から二十七年になりました。この問題がいまだに解決しない根本的な原因は、住民の安全よりも米軍の運用を優先する日本政府の姿勢にあります。返還が実現しないばかりか、住民の安全に関わる情報提供さえ次々と後退しているのが実態です。住民の安全を最優先にして、普天間基地の閉鎖、返還に正面から取り組むことを改めて強く求めておきたいと思います。
 次に、安保三文書に関わって、空港、港湾の軍事利用拡大について質問をいたします。
 初めに、今年一月に米軍が下地島空港の使用を申請した問題から伺います。
 米軍は、日米2プラス2が行われた翌日の十三日に、人道支援、災害救援の習熟飛行を目的に県に使用届を出したとされていますが、防衛省には事前の通知はあったんでしょうか。防衛省はこの問題にどう対応したんですか。

○深澤政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の件につきましては、米海兵隊が、人道支援、災害救援目的の習熟飛行を下地島空港で行うため、本年一月十三日に沖縄県に対し、直接、下地島空港の使用を打診したものと承知をしております。
 防衛省に対しましては事前の連絡はなく、沖縄県からの連絡を受けまして、米側に対して事実関係を確認した上で、本件につきましては、民間航空機の円滑かつ安全な定期運航が確保され、地元の皆様に与える影響を最小限にとどめ、安全面に最大限配慮を行うよう求めたところです。
 その上で、一月十九日に、米海兵隊から沖縄県に対しまして、下地島空港を使用しない旨の連絡があったものと承知をいたしております。

○赤嶺委員 政府にはなかったんですね。
 防衛大臣に伺いますが、米軍は、下地島空港の利用を民間航空に限定する屋良覚書があることを重々承知しながら、政府に何の断りも入れずに、勝手に申請を出していたことになります。私、これは日本政府をいかに軽く扱っているかを示すものだと思います。政府の頭越しに勝手なことはやるなと米側に言うべきだと思いますが、いかがですか。

○浜田国務大臣 米軍機による民間空港の利用に際して、航空当局への必要な通報が行われるものと承知をしております。その上で、防衛省としては、米軍の運用に当たって、公共の安全に妥当な配慮を払うのは当然のことであると考えております。このため、民間航空機の円滑かつ安全な定期運航が確保され、地元の皆様に与える影響が最小限にとどまるよう、米側に対して安全面に最大限の配慮を求める等の対応を行ってまいりたいと思っております。
 委員のおっしゃるとおりだと思います。

○赤嶺委員 何か、私が言うとおりだと言いながら、本当にやってくれるかどうか大変不安なんですけれども、今の答弁は重く受け止めたいと思います。
 外務大臣に伺いますが、政府はこれまで、日米地位協定五条に基づいて、在日米軍には空港、港湾への出入りが認められていると説明をしてきました。しかし同時に、十六条では、日本国の法令を尊重する義務が課されているとも述べてきました。在日米軍には、十六条に基づいて、政府と地方自治体との間の合意事項を尊重する義務があると考えますが、いかがですか。

○林国務大臣 米軍の航空機は、日米地位協定第五条に基づきまして、我が国の飛行場に出入りすることが認められており、米軍機が我が国の民間空港を使用する場合には同条に基づいて行われることになると考えられます。
 その上で、一般論として申し上げますと、米軍の航空機が我が国の民間空港を使用する際には、民間機による空港使用への影響が最小限にとどめられるよう、米軍が空港管理者と所要の調整を行うこととなっております。政府としても、米軍の航空機による飛行場の使用が民間航空機による飛行場使用に及ぼす影響を最小限とするよう、従来から米側に配慮を求めているところでございます。
 いずれにいたしましても、政府としては、下地島空港をめぐる問題につきましては、過去の経緯についても十分念頭に置かなければならないと考えておるところでございます。

○赤嶺委員 今回の米軍の行動は、外務大臣は含んでおっしゃいましたけれども、屋良覚書を無視して使用申請を出しているわけですね。だから、今回の米軍の対応は、日本国の法令を尊重する対応とは言えないと思うんですよ。外務大臣、そういう認識でいらっしゃいますか。

○林国務大臣 先ほど浜田防衛大臣がおっしゃったとおりだと認識しております。

○赤嶺委員 やはり、米軍には日本の法令を尊重する立場があると。屋良覚書がある以上、それを政府の頭越しに使うようなことは許されないと思います。
 防衛大臣に確認をいたします。在日米軍が自衛隊施設や空港、港湾を一定期間訓練に使用する場合には、日米地位協定の二条四項(b)、いわゆる二4(b)に基づき、日米合同委員会の手続が必要になります。
 日本政府は、屋良覚書に基づいて、下地島空港の利用を民間航空に限定する義務を負っています。屋良覚書が現在も有効である以上、米軍から二条四項(b)、地位協定の二4(b)に基づく使用の求めがあった場合、防衛省には覚書の趣旨を踏まえた対応が求められると思いますが、いかがですか。

○浜田国務大臣 個別具体的な状況次第ではありますが、一般論として申し上げれば、米軍が一定の期間、日本側の施設において訓練を行う場合には、通常、日米地位協定の第二条第四項の(b)が定める共同使用の手続を取ることとなると考えられます。
 その上で、米軍から訓練目的での下地島空港の使用の求めがあった場合には、防衛省としては、訓練の内容を確認しつつ、空港管理者である沖縄県とも調整の上で、共同使用の手続の判断を行う必要があると考えております。
 この調整に当たっては、使用の態様、地元の施設の関係者に与える影響等について十分に考慮する必要がありますが、いずれにせよ、米軍の下地島空港の使用の取扱いについては、空港管理者である沖縄県において判断されるものと考えております。

○赤嶺委員 現在の地位協定によっても、米軍には屋良覚書を尊重する義務があるということを強調しておきたいと思います。同時に、米軍の特権を保障した地位協定そのものの改定が急務だということを改めて指摘しておきたいと思います。
 有事を想定して訓練に使用する空港、港湾が有事の際に攻撃目標とされることは常識です。地域の緊張を高め、住民を危険にさらす下地島空港の軍事利用はやめるべきだということを強く指摘しておきたいと思います。
 別の角度から伺いますが、政府は、二三年度予算に、航空機の訓練の拡大、多様化に対応するための新たな交付金制度の創設を盛り込んでいます。訓練交付金という名称で、三月三十一日には交付要綱も策定しています。この制度の概要をまず説明していただけますか。

○深澤政府参考人 お答え申し上げます。
 我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、自衛隊、米軍の能力向上のため、日米共同訓練や、他国との連携強化を目的とした多国間の共同訓練等が増加してきており、このような平素からの訓練、演習は我が国の防衛力の強化のために不可欠です。
 このような中、自衛隊又は外国の軍隊が行う訓練が、その訓練のために使用される施設の周辺地域に対する生活環境などに及ぼす影響を考慮をしまして、当該施設の周辺における事業のために必要な措置を講じ、もって自衛隊等の訓練の円滑かつ確実な実施を確保することにより、我が国の安全保障に資することを目的といたしまして、今般、新たな交付金として訓練交付金を創設したものであります。
 この制度の対象となる訓練でございますけれども、航空機を使用したものであり、かつ、特定防衛施設以外の施設を使用したものとしており、その上で、個々の訓練が周辺に与える影響等を踏まえまして、対象となる訓練は、自衛隊と外国の軍隊が防衛施設又は訓練のため一時的に使用される施設において共同で行う訓練、それと自衛隊が米軍施設又は自衛隊の訓練のため一時的に使用される施設として交付要綱に定めるものにおいて行う訓練、そして米軍が日米地位協定第二条第四項(b)の適用がある施設及び区域において行う訓練といたしてございます。
 また、訓練交付金の対象となる事業でございますけれども、これらの訓練に使用される施設が所在する市町村であって、訓練の実施に理解を示し協力を行っていると認められる市町村が行います公共用の施設の整備又はその他生活環境の改善若しくは開発の円滑な実施に寄与する事業としているところでございます。
 本交付金の令和五年度予算額については、二億八千百万円でございます。

○赤嶺委員 交付金要綱によると、交付金の対象は、先ほど説明しておりましたが、自衛隊又は外国の軍隊が行う訓練とされているわけです。ここで言う外国の軍隊とは具体的にどういう軍隊を指すんですか。第三国の軍隊ということになろうかと思いますが、第三国の軍隊については、前回審議した訪問軍地位協定の締結国に限られるのか、それとも、締結には至っていないが訓練に参加する国も含まれるのか、その点はいかがですか。

○深澤政府参考人 お答え申し上げます。
 訓練交付金交付要綱におきましては、自衛隊と外国の軍隊との共同訓練を訓練交付金の交付対象となる訓練といたしておりますが……

○鬼木委員長 できるだけ簡潔にお願いいたします。

○深澤政府参考人 はい。この外国の軍隊は、我が国以外の国の軍隊を指しているところでございます。
 具体的にどの国の軍隊との共同訓練が交付金の交付対象となるかということにつきましては、個別の訓練の態様等を踏まえて判断することとなります。

○赤嶺委員 訓練の内容についてですが、航空機を使用して行う訓練とされていますが、ここで言う航空機とは具体的にどのような機種を指すのですか。ジェット戦闘機などの固定翼機、回転翼機、オスプレイなどが考えられますが、そのうち除外されるものはありますか。

○深澤政府参考人 お答え申し上げます。
 訓練交付金交付要綱にあります航空機は、航空法に定める航空機と整理してございますので、先ほど委員から御指摘がございました航空機については対象となるところでありますけれども、具体的にどのような航空機が用いられた訓練を交付金の交付対象とするかにつきましては、個別の訓練の態様等を踏まえて判断することとなります。

○赤嶺委員 基本的には全てが対象になるということであります。
 訓練で使用を想定しているのはどのような場所ですか。空港、港湾の使用はどのような場合を想定していますか。さっきちょっと答弁がありましたが、もっと具体的に、私が分かるように説明してください。

○深澤政府参考人 お答え申し上げます。
 訓練交付金の対象となります共同訓練等に使用される施設でございますけれども、これは、特定防衛施設以外の防衛施設又は訓練のため一時的に使用される施設という形で、交付要綱に定める手続を経て借り上げた施設といったものがその対象となります。
 その上で、一般論としては、空港でありますとか港湾につきましても本交付金の対象となり得るものと考えておりますけれども、いずれにせよ、具体的にどの施設における訓練が訓練交付金の交付の対象になるかにつきましては、個別の訓練の態様等を踏まえて適切に判断をしてまいります。

○赤嶺委員 ちょっと時間も迫っておりますので、防衛大臣に伺いますが、今年一月の2プラス2の共同発表は、南西諸島などの地域で共同訓練を増加させることや、空港、港湾の柔軟な使用を可能にするために協力することを確認しています。
 大臣は、昨年の有識者会議で、先島諸島の名前を挙げて、部隊運用の有用性が高いものがあるとの認識も示しております。
 今の防衛省の説明からすると、先島諸島を始めとする南西諸島の空港を使用して、ジェット戦闘機を含む米軍や自衛隊の訓練が行われることが当然想定をされますが、そういうことを念頭に置いているということですか。

○浜田国務大臣 南西諸島を含む我が国の防衛力を強化するため、日米同盟の抑止力及び対処力の強化は急務になっておると考えます。
 そのため、先般の日米2プラス2において、より緊密な運用確保、相互運用性の確保などの観点から、南西諸島を含む地域において、日米の施設の共同使用を拡大し、共同演習及び訓練を増加させることを確認しました。
 また、災害等の各種事態においては、防衛アセットの抗堪性や運用効果を確保するために、多様な空港や港湾を柔軟に使用できることが重要となります。
 いずれについても、今後、日米間で更なる詳細について議論を行ってまいりたいと考えているところであります。

○赤嶺委員 今度の、基地の、今の新しい交付金というのは、本当に、宮古島や、非常にのどかで静かな観光地にもまた、普天間基地や嘉手納基地と同じような爆音、騒音をまき散らす訓練が行われる危険がある、こんなことをやっていいのかということを強く指摘しておきたいと思います。
 外務大臣についての質問はまた次回に回していきたいと思いますので、時間ですので終わります。

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