国会質問

質問日:2022年 11月 10日  第210国会  憲法審査会

改憲 統一協会が介入 赤嶺氏「議論の前提崩れた」

衆院憲法審

 衆院憲法審査会が10日に開かれ、自由討議が行われました。日本共産党の赤嶺政賢議員は自民党と統一協会の癒着について「安倍晋三元首相が主導してきた改憲をめぐる運動が、韓国に拠点を置く謀略団体と一緒に進められてきたことは極めて重大だ。改憲議論の前提が大本から崩れている」と主張しました。

 赤嶺氏は、統一協会の創始者・文鮮明が岸信介元首相を足掛かりに日本の政治と関係を持ち、安倍派を中心に「国会議員との関係強化」などを指示していたと「毎日」(7日付)が報じたことをあげ、「外国の反国民的勢力が日本の政治に介入しようというもので看過できない」と指摘。「自民党政権全体の問題だ。政府・自民党の責任で徹底的に調査すべきだ」と批判しました。

 赤嶺氏は、岸田政権が進める憲法違反の「敵基地攻撃能力」保有の具体化は「相手国領土への攻撃を可能にするもので、絶対に認められない」と批判。政府がロシアのウクライナ侵略や台湾問題を口実に大軍拡をねらっていることについて「軍事に軍事で対抗することは、際限のない軍拡競争を招く危険な道だ」と強調。「憲法9条を生かした徹底した外交努力こそ政治に求められる」と主張しました。(しんぶん赤旗 2022年11月11日)

 

質問の映像へのリンク

改憲 統一協会が介入(衆院憲法審)

議事録

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 前回、私は、民主主義の根幹を揺るがす重大な問題として、反社会的、反国民的組織である統一協会と自民党政権との癒着に言及しました。とりわけ、安倍元首相が主導してきた改憲をめぐる運動が、韓国に拠点を置く謀略団体と一緒になって進められてきたことは極めて重大であり、改憲議論の前提が大本から崩れていると言わざるを得ません。
 その点で、十一月七日の毎日新聞が、統一協会が自民党の安倍派を中心に国会議員と関係を持つことによって政界工作を画策していたと報じたことは重大です。記事によると、協会の創始者である文鮮明は、岸信介元首相を足がかりに日本の政治と関係を持ったと強調し、安倍派を中心に国会議員との関係を強化する、国会議員の秘書を輩出する、国会内に教会をつくる、そこで原理を教育することなどで全てのことが可能になるなどと指示したことが明らかになっています。外国の反国民的勢力が日本の政治に介入しようとしているもので、看過できません。
 さらに、八日の毎日新聞は、統一協会が安倍晋三元首相に接近することで政治への影響力を持とうとしていたことを報じました。安倍氏は、第一次政権を辞任した後から協会側と接点を持ち始めたこと、さらに、参議院選挙などでは協会の比例票を差配したと指摘されています。
 自民党が半世紀以上にもわたり統一協会と関係を持ち、岸氏を始め安倍家三代がその中心にいたのではないかという疑惑が高まっています。これは、まさに自民党政権全体の問題であり、個々の政治家の疑惑とは次元の異なる問題です。政府・自民党の責任で、統一協会と自民党政権との深刻な癒着について徹底的に調査すべきです。
 岸田首相は、統一協会と関係を絶つと言っていますが、その姿勢も問われています。この間も、岸田政権の政務三役と統一協会との関係が次々と発覚しています。選挙に当たって、確認推薦書に署名し、推薦書を受け取り、さらに、協会側がつくった後援会から選挙支援を受け、政務官室にまで招き入れていたことまで明らかとなっています。協会側による自民党議員の後援会は各地にあったと指摘されています。
 問題は、国会議員だけではありません。地方議員との癒着も深刻です。ジェンダー政策をめぐっては、自民党と統一協会側が一緒に勉強会を開き、協会側が自民党議員に働きかけ、請願や意見書を提出していたことが広く指摘されており、この解明が必要です。
 ところが、各地の地方議会で、自民党は、統一協会と政界との関係の徹底解明を求める意見書に反対し、否決しています。これで関係を絶つことなどできるはずがありません。岸田政権、自民党が統一協会との癒着の解明に背を向けたまま改憲議論を推し進めようとすることは許されないということを改めて強調しておきます。
 最後に、岸田政権が進める憲法破壊の大軍拡についてです。
 政府は、年末に向けた国家安全保障戦略など安保関連三文書の改定を進めていますが、その中身は、憲法違反の敵基地攻撃能力の保有を具体化しようというものです。これまで歴代政府が建前としてきた専守防衛さえ投げ捨て、相手国の領土への攻撃を可能にする防衛政策の大転換にほかなりません。
 さらに、政府は、五年間の軍事費を四十八兆円と現在の倍にまで増額し、そのために国民に対する増税や他の経費の削減、国債を発行することが議論されています。憲法を無視して大軍拡を推し進め、その負担を国民に押しつけようとしており、絶対に認められるものではありません。
 岸田首相などは、ロシアによるウクライナ侵略や台湾問題を口実に軍拡を正当化しようとしています。しかし、軍事に軍事で対抗することは、この東アジア地域に際限のない軍拡競争を招く最も危険な道です。台湾有事は日本有事などと言いますが、一たび戦争が起これば、犠牲になるのは沖縄県民であり、日本国民です。今必要なのは、争い事を絶対に戦争にしないことです。そのためにも、憲法九条を生かした徹底した外交努力こそ政治に求められていると繰り返し強調して、発言を終わります。

すべて表示

このページをシェアする