日曜版報道示し 赤嶺議員 議事録公表迫る
衆院予算委
日本共産党の赤嶺政賢議員は7日、衆院予算委員会で質問に立ち、在日米軍が昨年9月以降、日本への出国前検査を免除していたことを日本側に伝えたとする本紙日曜版のスクープを突き付け、事実関係を明らかにするよう迫りました。
赤嶺氏は、昨年9月からの出国前検査の免除の事実をいつ日本側に伝えたかについて在日米軍司令部が「言うまでもなく日本政府には絶えず情報提供を続けてきた」と回答し、「9月末までにか」との質問に「イエス」と答えたことを紹介。米軍の感染対策緩和措置を12月末に把握したと説明してきた日本政府の説明と百八十度異なると指摘しました。
米軍がいつどの場で提供したと説明しているのかをただした赤嶺氏に対し、林芳正外相は「(日米)両者の認識に齟齬(そご)があった」とあいまいな答弁に終始。赤嶺氏は「在日米軍のコロナ対策は、これまでも日米合同委員会で話し合ってきたはずだ」と述べ、開催日付や協議内容を明らかにするよう求めました。
林氏は、昨年8月から12月まで日米合同委員会を5回、外務省やニューサンノー米軍センター(東京都内)などで開催したことを初めて明らかにしました。一方、協議内容については「差し控える」として回答を拒みました。
赤嶺氏は「合同委員会の議事録は日米双方の同意があれば公表できる」と指摘し、「昨年8月から12月まで5回開かれた議事録を日米間で協議し、公表すべきだ」と主張しました。
また赤嶺氏は、米軍横田基地(東京都)が公表している資料を示し、米本土から日本に向かう際の出国前検査は免除していた一方、米国に戻ってくる際の検査は継続していた事実を指摘。「本当に植民地的だ」と批判し、日本の検疫法を米軍に適用するよう求めました。
「(出国前検査の再開等で)結果的として感染者は減少している」と開き直る岸田文雄首相に対し、赤嶺氏は「市中に感染拡大した沖縄県民のあの恐怖心が理解できないのか」と厳しく追及しました。(しんぶん赤旗 2022年2月8日)
在日米軍のコロナ対策 赤嶺氏の追及
国内の検疫法適用させよ
衆院予算委
日本共産党の赤嶺政賢議員は7日の衆院予算委員会で、在日米軍の新型コロナウイルス対策について日本政府の責任を追及し、在日米軍に検疫法などの国内法を適用するよう求めました。
日米 百八十度異なる説明
事実あいまいにするな
昨年9月に米軍が日本に入国する際の出国前検査の免除などコロナ対策を緩和していたことを、政府は当初から知っていた―。
本紙日曜版がスクープした米軍の「検査なし入国」の事実です。NHKも同様の内容を2日に報じました。政府はこれまで「確認したのは(昨年)12月24日だ」と述べていましたが、日曜版編集部が在日米軍司令部に取材したところ、「いうまでもなく、日本政府に情報を提供してきた」と回答。「9月末までにか」との質問にも「イエス」と答えました。情報を提供したという米軍と、提供されていないという日本政府の説明が百八十度異なる事態となりました。外務省はその後、4日の会見で同省にも同様の回答があったことを明らかにしました。
赤嶺氏は出国前の検査の免除について、「米軍はいつ、どの場で(情報)提供したといっているのか」と追及。林芳正外相は、政府が確認したのは12月24日だとして、米側が外務省に通知していたとの認識については「われわれとしてはそのような認識は持っていなかった」と答えました。赤嶺氏は「事実関係をあいまいにするのではなく、どこに問題があったのかはっきりさせるべきだ」とただしました。
合同委の議事録公開せよ
国民の命に関わる問題
米軍基地に関わる問題を両政府間で協議する場が日米合同委員会です。岸田首相や林外相は、米軍のコロナ対策の協議は昨年8月から12月までの間に5回開催されたことを明らかにする一方、開催日時や場所、協議事項など詳細は答えませんでした。
赤嶺氏が5回の日米合同委員会の日時・場所・内容の報告を要求すると、林外相は日付と場所について、初めて答弁(別項)。秘密のベールに包まれている合同委員会の一端が明らかになりました。ただ、協議内容については「米側との関係もあり、差し控えたい」と繰り返し答弁を避けました。
外務省が明らかにした日米合同委員会の開催状況(昨年8月~12月)
8月26日 ビデオ会議方式
9月22日 外務省
10月21日 ニューサンノー米軍センター
11月17日 同
12月16日 外務省
赤嶺氏は、検査を免除した9月にも合同委員会が開かれているとした上で、「軍事機密を明らかにしろと言っているのではない。国民の命が関わっている」と追及。「合同委員会で新たに設けられた委員会(検疫・保健分科委員会)で議論を続けていく」とまともに答えない岸田首相に対し、赤嶺氏は、米軍基地でクラスターが発生し市中感染が広がったと指摘し、「あの恐怖心を理解できないのか。責任の一端も感じられない」と厳しく批判しました。
さらに赤嶺氏は、「米側はコロナ対策をめぐる国防総省の方針などを説明しただけで、出国前検査の免除と明言したわけではなかった」と報じられていることをあげて、「合同委員会でのやりとりがこんないいかげんなものかという疑いを持つ」と強調。政府が議事録公表には日米双方の同意が必要としていることについて、「逆に言えば、双方が同意すれば公開できる」と指摘し、昨年8月から12月までの日米合同委員会の議事録の提出を求めました。
植民地的ではないか
日本から国外は検査あり
一般人は民間空港から入国する際、出国前だけでなく入国直後の検査も義務付けられています。しかし、米軍は、独自の判断で出国前検査を免除しただけでなく、入国直後の検査はそもそも実施していませんでした。
赤嶺氏は、米軍のコロナ対策は日本側と整合的な措置をとっていると繰り返す日本政府の説明について、「判断するのはあくまで米軍で、日本政府は日本側のとっている措置を必死に説明して『整合的な措置』をとってもらえるようお願いしているのが現状だ」と指摘。米軍の資料(下)を示し、米軍が日本に向かう際の出国前検査を免除していた一方、日本から米本国・韓国などに向かう米軍関係者の出国前検査は継続していたこともあげ、「本当に植民地的だ。米側にお願いするのではなく、米軍に検疫法など国内法を適用することが必要だ」と迫りました。
林外相は「一つ一つの具体的な問題に対応してきている」などと強弁。赤嶺氏は「米軍にも日本の検疫法を適用し、合同委員会の議事録をすべて本委員会に提出すべきだ」と強調しました。
米軍横田基地(東京都)の旅客ターミナルが昨年12月以降、フェイスブックで公表している資料。昨年までは米本土から日本に出国する際にはPCR検査が免除されていたにもかかわらず、横田基地から米本土に戻る際、あるいは韓国や英領ディエゴガルシアに渡航する際は出国前検査を義務づけています。
質問の映像へのリンク
議事録
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
私は、今日は、在日米軍の新型コロナ対策について質問をいたします。
昨年末以降、感染が急拡大していますが、そのきっかけは米軍基地と見られています。沖縄でも、山口、広島でも、基地でクラスターが発生し、それが市中に広がったと指摘をされております。
政府は、水際対策の一環として、米国からの入国を原則停止していますが、日米地位協定の下で、米軍関係者はその例外とされ、自由に入国し続けております。しかも、米軍は、昨年九月以降、日本に入国する際の出国前の検査を取りやめ、入国後の行動制限期間中も基地内を自由に動き回れる状態になっておりました。
米軍基地でクラスターが発生したのは、今回が初めてではありません。二〇二〇年七月にも発生し、沖縄県の玉城デニー知事や私たち沖縄県選出の野党国会議員は、繰り返し、米軍基地が水際対策の抜け穴になっており、感染が収束するまで、米軍関係者の入国停止や外出禁止の措置を取ること、日米地位協定を改正して、日本の国内法を在日米軍に適用することを求めてまいりました。
ところが、政府は何ら実効的な対策を取ってきませんでした。感染防止対策に懸命に取り組み、コロナを抑え込んでいた県民の努力を台なしにする事態を招いた日米両政府の責任は極めて重いと思います。
総理は、その責任をどのように認識しておられますか。
○林国務大臣 今お話がありましたように、二〇二〇年の七月に、在沖縄米軍において多数の感染が確認されたことを受けまして、政府といたしましては、在日米軍とともに発出した共同プレスリリースを発出し、在日米軍が、日本政府の方針に整合的な形で、移動制限措置や入国後の検査等の厳格な措置を行うことを確認し、感染拡大の防止や地元の方々の不安解消に向けて、日米間で緊密に連携の上、対応してまいりました。
昨年十二月以降、在日米軍施設・区域内及びその周辺自治体で感染が拡大したことを踏まえ、米側に対して強く申入れを行った結果、在日米軍は、元々実施しておりました入国後五日目以降の検査に加えて、昨年十二月二十六日からは出国前七十二時間以内の検査を、十二月三十日からは入国後二十四時間以内の検査を実施しており、現在では計三段階の検査を実施しております。
また、米国は、一月十日から三十一日までの三週間、必要不可欠な場合以外の外出を認めない、夜間の外出を禁止するなど、在日米軍として厳しい感染拡大防止措置を取ったところであります。
○根本委員長 外務大臣、簡潔にお願いします。
○林国務大臣 政府としては、今般新たに設立された検疫・保健分科委員会において、日米当局間における建設的な協議を通じ、今後の感染状況も注視しながら、感染拡大の防止及び地元の方々の不安解消に向けて連携をより一層強化してまいります。
○赤嶺委員 先ほどの大串先生の質問に繰り返し答えた、同じ答弁。しかし、努力はしてきました、今でも努力しています、二〇二〇年のクラスターのときも同じことを言っていたんですよ。そして今回ですよ。
責任あるんじゃないですか、総理大臣。
○岸田内閣総理大臣 今回の事態を受けて、今外務大臣からもお話をさせていただいたように、これは、検査につきましてもしっかり三段階の検査を確保し、そして一月三十一日まで外出禁止などの厳しい感染防止措置を取ってきたところであります。
そして、その結果として、一月十四日の段階で在日米軍の新規陽性者の数七百十五人だったものが、二月四日は百六十二人に減少しております。
こうした取組によって数字的にも減少している、こういった状況を受けて、引き続き、申し上げております検疫・保健分科委員会において一層取組を強化していきたいと考えております。
○赤嶺委員 全く、繰り返されている責任について触れるどころか、今は減ってきているじゃないか、こういう御答弁でした。
玉城デニー知事は、基地の中での感染はまだ終わっていない、引き続き厳しい対策を取るべきだと言ってまいりました。
そこで、私、今日伺いたいのは、昨年九月から米軍が対策を緩和していたことについて、政府はこれまで、十二月のクラスター発生後に米軍に照会して初めて分かったと説明をしてきました。ところが、実際はそれ以前から知っていたのではないかという疑いがあることが指摘をされております。
NHKや私どものしんぶん赤旗日曜版の取材に、在日米軍司令部は、言うまでもなく日本政府に情報を提供してきた、このように文書で回答しています。それは九月末までにかと再度問い合わせたところ、イエス、このように米軍は答えています。情報を提供していたという米軍とされていないという日本政府との間で、説明が百八十度異なる事態になっております。
外務大臣は、外務省にも同様の回答があったことを先週の会見で明らかにしておりますが、米軍は、いつ、どの場で提供したと、このように言っているんですか。
○林国務大臣 これは何度か答弁をいたしましたけれども、二月二日の報道がございました。
在日米軍に対しては、我々から、同日、出国前検査が免除されたことを日本政府が確認したのは昨年十二月二十四日であり、それよりも前に日本側に通知していたとの認識は誤りである旨を申し入れております。
これに対して、二月三日、在日米軍からは、在日米軍として新型コロナ対策に関して日本側と緊密に連携する中、出国前の検査の免除についても外務省に通知していた、認識であるという説明があったわけですが、これに対して、我々としては、そのような認識は持っていなかった旨を改めて明確にしたところでございます。
○赤嶺委員 そうすると、米側からは、いつ、どこで説明したという通知はなかったと。日本側は今でも、通知はなかった、知ったのは十二月だ、そういう認識ということですね。何で日本側にも落ち度があったみたいな記者会見になっていたんですか。
○林国務大臣 先ほど申し上げたように、両者の認識にそごがあったことを踏まえて、今後はそうした状況が生じないように、今般設置された検疫・保健分科会委員会の場を含めて、より一層緊密に連携していくことで米側と一致したということでございます。
今般こうした認識のそごが生じたのは、米側の措置の整合性を確保する外務省の取組に不十分な点があったことは否定できず、真摯に受け止めているということを会見でも申し上げたわけでございます。
○赤嶺委員 非常に曖昧なんですよね。聞いていて、事実は何なのかがさっぱり分からないということですよ。
しかし、これは、クラスターが、去年の十二月といえば、沖縄で感染も収まって、今年はお正月ができるね、家族、親族集まってという期待を抱いていたときに、米軍基地からどんどんどんどんクラスターが発生していって、本当に、人命を危うくする事態に立ち至ったわけですよ。
だから、米側は説明したと言うけれども、日本側は聞いていない、しかし、日本側に不十分なところがあった、そういう言い方で事実関係を曖昧にするのではなくて、もっと、どこに今回のような問題があったのか、これをはっきりさせるべきだと思いますよ。
まあ、今まではともかく、今後はきちんとやっていきましょうでは駄目ですよ、それは。事実関係をきちんと明らかにすべきであります。
さっき、外務大臣は、今後、分科委員会、つまり日米合同委員会でしっかり連携していくと強調しておりました。在日米軍のコロナ対策については、これまでも合同委員会で話し合ってきたはずであります。
対策が緩和された昨年の九月頃から、米側からは、いつ、どのような説明があったんでしょうか、合同委員会で。
○林国務大臣 今お話のあった、昨年八月からですが、十二月までの間には、日米合同委員会は五回開催されております。
日米間では、新型コロナ感染症の発生以降、日米合同委員会の場を含めて、様々な機会を捉えて、日本側の措置の説明など、同感染症への対応について緊密に連携をしてきたところでございます。
具体的な協議内容については米側との関係もありますので差し控えたいと思いますが、いずれにしても、申し上げたとおり、日米合同委員会声明を発出するなど、日米合同委員会の枠組みも通じて、これまでも日米間では緊密に連携をしてきておるところでございます。
○赤嶺委員 去年の八月から十二月までの間に、日米合同委員会は五回開かれていたと。その日付についても、きちんと報告してほしいと思います。
そして、その五回の合同委員会の中で、日本側の立場の説明、整合的な措置を取る意味での日本側の立場の説明を、あったということですが、私が聞いているのは、アメリカ側がどんな説明をしていたのか、アメリカ側が取った措置についてどんな説明をしていたのか。
五回の合同委員会の日時、場所、そしてその中身について、きちんと報告してくれますか。
○林国務大臣 今申し上げました期間において日米合同委員会が開催されましたのは、八月二十六日にこれはビデオ会議形式で、そして九月二十二日に外務省で、十月二十一日にニューサンノー米軍センターで、十一月十七日にニューサンノー米軍センターで、また十二月十六日には外務省において、それぞれ実施をされたものでございます。
協議内容については、先ほど申し上げましたように、米側との関係もあり、差し控えたいと思います。
○赤嶺委員 アメリカ側が九月にPCR検査を免除した措置について、その頃、合同委員会も開かれているわけですね。九月以前にも開かれている。
私が中身を明らかにしてほしいと言うのは、総理、何も軍事機密を明らかにしろと言っているんじゃないですよ。コロナ対策について、アメリカ側は、措置を取ったことを日本側に連絡したと言っている。じゃ、日米合同委員会でどんな話合いが行われていたか、これを明らかにするのは当たり前じゃないですか。これは外交問題だからとか、外交問題じゃないですよ、国民の命が懸かっていますよ、これ。そして、コロナ対策の大穴が空いているという問題ですよ。それをはっきりさせるべきじゃないですか。
この五回の合同委員会の中で、アメリカ側からそういう説明があったのかなかったのか、この点について、総理、お答えください。
○林国務大臣 先ほど申し上げたとおりでございますが、八月から十二月にかけて五回ほど、先ほども申し上げたように合同委員会が開催をされております。
この具体的な協議内容については、相手側との関係もございますので差し控えたいと思っておりますが、政府としては、新たに設立されました検疫・保健分科委員会も含めて、日米当局間における建設的な協議を通じて対応してまいりたいと思っております。
○赤嶺委員 コロナ対策の水際対策をきちんと取るとおっしゃったのは総理じゃないですか。そして、アメリカの国民も入国禁止措置を取っているじゃないですか。だけれども、米軍は、日米地位協定でそういう禁止措置の対象から特例扱いされて、自由に出入りをしている。出入りをしている、そのことを今聞いているんじゃなくて、出入りをする際の最低限の問題について、PCR検査を受けずに米軍は入ってきたというのを十二月に明らかにした。しかし、米側は九月からそれは日本側に通知していた。そういうものは、これは軍事問題じゃないですよ。まさにコロナ対策の、水際対策の大事な点じゃないですか。
これはよけて考えられるんですか。総理、いかがですか。
○岸田内閣総理大臣 日米の間でどのような情報交換をしたかということについては、先ほど外務大臣から答弁させていただいたとおりであります。
大事なのは、日本国民の安心、安全を守るということであります。こうしたやり取りの結果、アメリカにおいても、三度の検査をしっかり実施する、外出禁止を始めとする感染対策を強化する、こうしたことに取り組み、我が国の水際対策と整合的な対応を取る、こういったことになり、そして結果として、実際、感染者の数が減少しているということにつながっています。
引き続き、この合同委員会における、この新たに設けられました委員会においてしっかりと議論を続けていきたいと考えております。
○赤嶺委員 結果としてと言いますけれども、あの十二月に米軍基地からクラスターが発生して、それが沖縄県民の中に市中感染で広がっていった、あの恐怖心、理解できないんですか。今はちょっと収まっているからいいんじゃないかという答弁でいいんですか、総理。責任の一端も感じられないじゃないですか、そんなことを言ったら。どんな恐怖の下にあったか。それさえできないんですか。
総理は外務大臣の頃からずっとやり取りをしてまいりましたが、合同委員会では、朝日新聞の記者がフォーブスに書いた記事によると、アメリカ側はコロナ対策をめぐる国防総省の方針などを説明しただけで、出国前検査の免除と明言したわけではなかった、このように書いている記者がいらっしゃるんですね。合同委員会でのやり取りというのはこんないいかげんなものかという疑いを持つわけです。
総理は、これまで、合同委員会の議事録の公表は日米双方の同意が必要と言ってきましたが、逆に言えば、双方が同意すれば公表できるという性格のものじゃないですか。是非、コロナから国民の命を守るための水際対策の一環として、合同委員会の議事録、日米間で協議して、公表するという具合に約束してくれますか。
○林国務大臣 今委員からお話があったわけでございますが、先ほど来、繰り返しになりますけれども、これは米側との具体的な協議内容でございますから、米側との関係もあり、差し控えたい、こういうふうに思います。
○赤嶺委員 是非、委員長、去年の八月から十二月までの合同委員会の議事録、本委員会に提出を求めたいと思います。取り計らい、よろしくお願いします。
○根本委員長 理事会で協議します。
○赤嶺委員 総理に更に伺いますが、政府はこれまで、米軍のコロナ対策は日本側と整合的な措置を取ってきている、だから大丈夫だ、このように言ってまいりました。米側は、独自の判断で出国前検査を免除し、入国直後の検査についてはそもそも実施していませんでした。今は三回と言っておりますが、当時は全くありませんでした。
これは大串先生も取り上げておられましたが、検査の方法についても、日本の空港検疫は抗原定量検査で、アメリカの場合は抗原定性検査で精度が非常に低いものと。やはり、整合的な措置と言うけれども、判断するのはあくまでも米軍なんですね、どういう措置を取るかというのを。日本政府は、日本側が取っている措置、これを一生懸命説明して、整合的な措置を取ってもらえるようにお願いをしている、そういうのが現状であります。これはまた同じことが繰り返される危険があります。
資料を今日提出しておりますが、二枚目の方に、結局、この資料で明らかにしているのは、去年の九月から、アメリカは、日本に来るときはPCR検査を免除されていたにもかかわらず、日本からアメリカに戻るときにはPCR検査を行うこと、このようになっているわけですね。日本の横田から韓国に渡航するときはPCR検査を行うこと。ディエゴガルシアに行くときは行うこと。これっておかしくないですか。日本からアメリカに戻るときにはPCR検査を行え、アメリカから日本に入国するときはPCR検査を免除していた。(発言する者あり)
これ、私は、今なめられているというお声も聞こえましたけれども、本当に植民地的じゃないかなと思いますよ。やはり、アメリカに一方的にお願いする立場ではなくて、検疫について、日本の検疫法、国内法をアメリカに適用する、そういう措置まで、今回の問題を通じて踏み込むべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○林国務大臣 お示しになったこの英語の表でございますが、これは、嘉手納や岩国にこの基地から、すなわちこれを出された国内の基地から移動するということで、これは国内の移動でございますのでこういう書き方になっているということは申し上げておきたいと思います。
その上で、日米地位協定は大きな法的枠組みでございまして、政府としては、事案に応じて、効果的に、かつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じて、一つ一つの具体的な問題に対応してきておるところでございます。
○赤嶺委員 資料をゆがんで説明されましたが、横田から岩国、嘉手納への移動はもちろんですが、韓国に行くときは検査やれ、ディエゴガルシアに行くときは検査やれということも書かれております。
私は、米軍にも日本の検疫法を適用すべきである、そして合同委員会の議事録を全部本委員会に提出すべきであるということを求めて、質問を終わります。