国会質問

質問日:2022年 1月 7日  第207国会  議院運営委員会

米軍の検疫免除を批判 赤嶺氏

無料PCR検査広げよ 倉林氏

まん延防止措置 衆参議運で質疑

 衆参両院の議院運営委員会が7日開かれ、沖縄、山口、広島の3県への「まん延防止等重点措置」の適用にあたって政府の報告をうけ質疑を行いました。日本共産党からは赤嶺政賢衆院議員と倉林明子参院議員が質問に立ちました。

 赤嶺氏は、在日米軍基地での感染急拡大が3県での感染拡大を招いた大きな要因だと指摘。政府が米国からの入国停止措置をとる一方、日米地位協定のもとで米軍関係者は自由に入国を続け、日本の検疫も免除されていると批判し、「一般の米国人と同様に米軍関係者の入国を停止すべきだ」と求めました。

 山際大志郎経済再生担当相は「日米同盟の抑止力の観点からも、入国禁止という話とは違う」と強弁しました。

 赤嶺氏は日本政府の権限で出入国管理と検疫を実施できるよう日米地位協定の改定を求めると同時に、日米間で合意すれば現行協定の下でも入国停止はできると述べ「米側に提起すべきだ」と主張。「日米同盟の抑止力は必要だ。毀損(きそん)するようなことは判断しない」と繰り返す山際担当相に、「大変情けない態度だ。感染拡大は米軍基地から始まっている。その対策をとれない政府の責任は重大だ」と批判しました。

 

 

 倉林氏は、岸田文雄首相が強調していた「水際対策」で、「米軍という大穴が4カ月放置されていた」と述べ、「感染の急拡大を招いた責任は重大だ」と指摘しました。

 ワクチンの高齢者などへの3回目接種の完了が見通せず、経口治療薬の登録医療機関が1割に満たない現状を示し「感染の急拡大に準備が間に合っていないとの認識をもつべきだ」と強調。無症状者への無料のPCR検査を全国に広げるため、自治体が積極的に取り組めるよう全額国庫負担にせよと迫りましたが、山際担当相は答えませんでした。

 倉林氏は重ねて国庫負担を求めつつ、必要な医療が受けられず在宅で亡くなる人が相次いだ第5波の経験をふまえ、原則自宅療養方針の撤回、宿泊療養施設や臨時の医療施設の拡充を要求しました。(しんぶん赤旗 2022年1月8日)

 

質問の映像へのリンク

緊急に入国停止を(衆院議院運営委)

議事録

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 今回の事態を招いた大きな原因は、在日米軍基地での感染の急拡大です。沖縄でも、山口、広島でも、基地のクラスターが発生し、それが市中に広がったと見られています。
 昨年九月以降、米軍は、出国前のPCR検査を取りやめ、入国後も基地内を自由に動き回れる状態になっていました。政府は、今、米国からの入国を禁止する措置を取っていますが、日米地位協定の下で米軍関係者はその例外とされ、自由に入国を今日でもし続けております。基地からの入国なら、日本の検疫も免除されています。
 まずは、これ以上の感染拡大を防ぐために、日米間でしっかりと話し合って、少なくとも感染が収まるまでは、一般の米国人と同様に、米軍関係者の入国を停止すべきであると思いますが、いかがですか。

○山際国務大臣 これは、先生御案内のとおりですけれども、日米同盟の抑止力という観点からいっても、アメリカ軍との関係というのは、我々は、今言った入国を禁止するというような、そういう話とはちょっと違う観点からも考えなきゃいけないと思っておりまして、我が国の平和と安定を確保する上でどうしても必要だ、このように私たちは考えております。

○赤嶺委員 極めて残念な答弁です。
 岸田内閣の水際対策は、まさに米軍基地の自由な出入りから大穴が空いていたわけですよね。日本政府は米国からの入国を停止しているわけです。米軍関係者はそんなことはお構いなしに自由に入国をし続けております。全く整合性がありません。
 日本政府の権限の下で出入国管理と検疫を実施できるように日米地位協定を改定すべきでありますが、同時に、今の地位協定の下でも、緊急的な措置として、日米間で合意すれば、入国を停止することができるはずであります。なぜそれをやらないんですか。米側に提起すべきだと思いますが、いかがですか。

○山際国務大臣 これは繰り返しになりますけれども、我々は、国を守っていかなくてはいけない、その責務を負っていると考えております。日米同盟の抑止力というのは必要だというのが政府の判断でございますので、そこに関係することに関して毀損するようなことは判断しないということでございます。
 しかし、アメリカから入ってくる方々に関しては、先ほども申し上げましたように、向こうを出国するときにも、入ってきたときにも、その後五日過ぎたときにもきちんと検査をしていただいて、さらに、林大臣や岸大臣の方から、総理の指示を受けて、外出の制限等々も含めて、日本の制度と整合的になるようにということで要請をして、向こうもそれを受け入れて、そのようなオペレーションになりつつあるということでございますから、それに関しての問題はこれからなくなっていくものと考えております。

○赤嶺委員 大変情けない態度である、今、感染拡大は米軍基地から始まっている、その対策を取れない政府の責任は重大だということを申し上げて、質問を終わります。

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