国会質問

質問日:2020年 11月 27日  第203国会  安全保障委員会

米軍泡消火剤 交換後も「PFOS」 衆院委・赤嶺氏に外務省認める

 

 外務省の市川恵一北米局長は27日の衆院安全保障委員会で、米軍が9月に交換の契約をした普天間基地(沖縄県宜野湾市)の泡消火剤について、「定量(濃度の検出が可能な量)可能でないレベルのPFOSは含まれる」と述べ、微量のPFOSが含まれる可能性を認めました。日本共産党の赤嶺政賢議員の質問に対する答弁。

 PFOSは有機フッ素化合物(PFAS)の一種で、国内での製造・使用等が原則禁止されています。普天間基地では2019年12月、20年4月にPFOSを含む泡消火剤の漏出事故が発生しました。政府は、米軍が事故後の対策として21年9月末までに普天間基地内のPFOS含有の泡消火剤を全て交換するとしていました。

 赤嶺氏は、外務省の担当者が交換後の泡消火剤に「PFOSは一定含まれる」と説明したとの沖縄の地元2紙の報道をあげ、「新しく交換する消火剤にはPFOSが含まれるのか」と質問。市川氏は「米国が2024年10月までに非PFAS化を進める中で、現時点でできる限りの措置として定量可能なレベルのPFOSを含まない代替品への交換が進められている」と答弁。赤嶺氏の再度の確認に、市川氏は交換後の泡消火剤に「定量可能でないレベルのPFOS」が含まれることを認めましたが、詳細は明らかにしませんでした。

 赤嶺氏は「非常にあいまいな答弁だ」と批判し、詳細な事実関係を同委員会に提出するよう求めました。(しんぶん赤旗 2020年11月29日)

 

議事録

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 質問に入る前に、当安保委員会には、一般質問は外務大臣、防衛大臣、両大臣そろうというのが決まりであります。きょうは外務大臣が不在のままの質問になることについて、既に理事会でも意見は申し上げましたけれども、今後こういうことが繰り返されないように、与党筆頭におかれても、十分な努力と責任感を持ってやっていただきたいと思います。これは質問ではありませんので。
 先ほどの屋良議員の質問に続きまして、私も、有機弗素化合物、PFOSを含む泡消火剤の漏出事故について質問をいたします。
 ことし四月十日、米軍普天間基地から、有毒で重大な健康被害を引き起こすと言われています有機弗素化合物、PFOSを含む大量の泡消火剤が漏出をし、周辺市街地は騒然となりました。
 事故から五カ月近くたった九月四日に、米軍の事故調査報告書が公表されました。これによりますと、今回の事故は、普天間基地の海兵隊員が格納庫の目の前でバーベキューを行い、その火に格納庫の消火システムが反応したことによるものだったとしています。
 地元自治体からは、唖然とした、言葉がない、バーベキューというのは海でやるものだ、これを教えてあげなさいという声が相次ぎました。
 余りにずさんな米軍の管理体制を示すものだと思いますが、大臣、どのように認識しておられますか。

○岸国務大臣 この普天間飛行場で起きましたPFOSの漏出事故でございますけれども、経緯については、今委員から御紹介があったとおりでございますね。米海兵隊の関係者が格納庫の前でバーベキューを行った際に、その調理器材の発した熱によって消火システムが作動し、PFOSを含む泡消火剤が漏出した、こういうことでございます。
 また、事故の要因として、消火システムの一時停止ボタンの使用法の掲示が適切でなかったこと、使用法を把握していた者がいなかったこと等が書かれております。要は、消火剤をとめることができなかったということだと思います。
 その上で、再発防止策として、沖縄の全ての海兵隊施設等で、格納庫の消火システムの機能についての理解向上のための教育、それから、全ての格納庫の消火システムの一時停止ボタンの標識を最新の規則と整合的なものとするための改定などを実施するとしています。
 防衛省としては、この報告書によって、米側において徹底した事故調査が行われたという認識はしておりますが、地元の住民の方々の懸念を払拭するため、引き続き、米側に対して、事故調査報告書に基づく再発防止策の徹底、泡消火剤の速やかな交換を求めてまいります。

○赤嶺委員 再発防止策まで述べておられましたけれども、もうちょっと報告書を、立ち返って、今大臣も触れられたことですが、報告書の中には、泡の漏出拡大を防ぐため海兵隊員たちが非常停止ボタンを十七回以上押したものの、消火システムがとまらなかったことが明記されています。
 泡消火剤の放出をとめるためには、ボタンを押した状態にし続けなければなりません。ところが、現場にいた隊員の誰一人として操作方法を知らずに、ボタンを押しては離し、放出が始まってはまた押すということを繰り返していました。
 昨年十二月にも普天間基地で漏出事故が起きましたが、その際にも操作方法を知らなかったことが問題になり、米軍は再教育を徹底したと。そのときも繰り返していたんです。
 再発防止のために再教育を徹底すると説明していたにもかかわらず、なぜ今回同じことが起こったんですか。

○鈴木政府参考人 昨年の十二月に発生しました事案の原因については、米側の調査報告書におきまして、格納庫内で補助動力装置を使用していたことによって、泡消火剤による消火装置が作動したこととされております。
 また、米側は、同事案の調査報告書の中で、再発防止として、屋内での補助動力装置の使用を禁止する指示を策定、それから、委員御指摘ございました、要員に対する消火設備等の緊急システムの使用に関する教育等の実施について勧告しているものと承知してございます。
 その上で、本年四月の普天間飛行場における流出事故の調査報告書では、昨年十二月の漏出事案を受けたこれらの勧告が四月の事故を起こした部隊に共有されていなかったとしておりまして、この点について、私どもとして大変遺憾に感じているところでございます。
 防衛省といたしましては、引き続き、米側に対して、昨年十二月に発生した漏出事案への再発防止の徹底を含めまして、本年四月の流出事故についての事故調査報告書に基づく再発防止策の徹底と保有する泡消火剤の速やかな交換、これを求めてまいりたいと考えてございます。

○赤嶺委員 十二月に格納庫の中で事故を起こした部隊と四月に事故を起こした部隊は違っていたと。十二月に教育したけれども、それが四月には別の部隊が起こしたからといって、泡消火剤に対する管理やコントロールという意識が全くないですよね。全くないですよ。
 問題はそれだけではありません。報告書は、事故のあった五三九という格納庫のドアが、少なくとも十年以上壊れたままになっていたことを明記しています。
 格納庫には、地下の貯蔵タンクがあり、本来ならそこに漏出した泡が収容される仕組みになっています。ところが、今回、ドアが壊れ、開いたままの状態になっていたため、雨水が貯蔵タンクの四分の一近くもたまっていました。そのため、すぐに泡があふれ出して、基地の外に漏出したということです。
 なぜ米軍はそのような状態で格納庫を使い続けていたのですか。余りにもずさんな管理体制ではないかと思いますが、いかがですか。

○鈴木政府参考人 御指摘につきましては、事故調査報告書におきまして、格納庫扉の不備により、外部から流入した雨水が格納庫用の地下タンクに既にたまっておりまして、本来地下タンクに格納されるべき分の泡消火剤の一部が格納されなかったという旨の記述がございます。また、再発防止策として、事故が発生した格納庫の整備状況に関する四半期ごとの定期報告、これを実施することになってございます。
 その上で、大切なことというふうに考えてございますのは、こうした事故を二度と起こさせないということでございます。
 防衛省といたしましては、引き続き、米側に対して、事故調査報告書に基づく再発防止策の徹底、つまり、ここで言いますと、事故が発生した格納庫の整備状況に関する四半期ごとの定期報告、これをきちっと実施するということと、保有する泡消火剤の速やかな交換、これを求めてまいりたいと考えてございます。

○赤嶺委員 やるべきことをやっていなかったから、起こるべくしてこういう事故が起こったという答弁にしか聞こえません。
 昨年十二月の漏出事故を受けて、消火システムの取扱いを再教育すると先ほど説明があったわけです。これもまともにやられていない。ドアの改修も放置したまま格納庫を使い続ける。住民の安全に対する責任を全く果たしておりません。
 米軍は、普天間基地周辺の学校や保育園に米軍機から部品を落下させる事故を繰り返してきました。普天間基地というのは、市街地のど真ん中にあるのに加えて、そこを管理している米軍が、運用も余りにもずさん。もう基地を管理する能力に欠けている。そういう米軍に普天間基地を使わせる意味が全くない。やはり、住民の命と安全を守るためには即時の閉鎖、撤去、運用停止、これになると思います。
 こんな状態で、辺野古はあと十二年かかると言っておりますが、放置しておくわけにはいかないと思います。私は改めて、普天間基地の即時の運用停止、閉鎖、撤去を防衛大臣に強く求めておきたいと思います。
 米軍の事故後の対応も極めて問題です。
 茂木外務大臣がきょうはいらっしゃいませんけれども、十月に宜野湾市の松川市長に、米軍が来年九月末までに普天間基地のPFOS含有泡消火剤を全て交換すると伝えました。ところが、そのことを報じた沖縄の地元紙、二つの新聞の報道によりますと、外務省の担当者が、米軍が求める消火力を満たす基準に合わせた場合、新しい泡消火剤にもPFOSは一定含まれると述べたことが報じられています。
 新しく交換する消火剤にはPFOSが含まれるということですか。

○市川政府参考人 お答え申し上げます。
 現在、在日米軍を含む米軍全体として、現在所持しているPFOS含有泡消火剤から、定量可能なレベルのPFOSは含まない、より環境に優しい代替製品への交換を進めている、このように承知しております。
 このような中で、普天間飛行場に存在するPFOS含有消火剤については、二〇二一年アメリカ会計年度中、すなわち二一年の九月ということになるかと思いますが、それに向けて、より環境に優しいものに交換するということで作業が進められているというふうに承知しております。
 そう申し上げた上で申し上げると、アメリカの国防授権法におきましては、原則として、二〇二四年十月以降はPFOSを含むPFAS含有消火剤を使用してはならないとされていると承知しておりまして、これに基づいて、現在、国防省において、米軍の所要を満たし、かつPFASを含まない代替品を開発するための調査研究、こういうものが進められている、こういうことも承知しております。
 したがいまして、現在米側が行っている交換というのは、二〇二四年の非PFAS化に向けた取組を推し進める中で、現時点でできる限りの措置として進められているもの、こういうふうに認識しております。
 政府としましては、引き続き、PFOS等をめぐる問題全般に取り組む中で、在日米軍施設・区域におけるPFOS含有泡消火剤の交換などの課題について、しっかりと日米間で対処していきたい、このように考えております。

○赤嶺委員 今の答弁、全く意味不明だったんですけれども。
 松川市長は、四月の漏出事故を受けて外務大臣に会われたわけですよね、再発防止だということで。そのときに外務大臣が言ったということは、二〇二四年からを展望しての話であって、今すぐ直ちに事故を起こした普天間基地の泡消火剤についてPFOSを含まないものに取りかえるという意味ではないということですか。定量の何とかという、PFOSを含まないというのはどういう意味ですか。マスコミは、取材に基づいてPFOSの一部含むものにかえるということを言っていますけれども、いかがですか。

○市川政府参考人 ただいま申し上げましたように、アメリカの国防授権法では、原則として二〇二四年十月以降はPFOSを含むPFAS含有泡消火剤を使用してはならない、こういうこととなっているんですが、それに基づいて、現在、アメリカ国防省では、米軍の所要を満たし、かつPFASを含まない代替品を開発するための調査研究を進めている、こういうことでございます。
 そういう中で、現時点でできる限りの措置として進められている措置というのが、先ほど申し上げた点でございます。
 定量可能なレベルというのは、濃度が特定できる最小の分量である、こういう説明を米側から受けております。

○赤嶺委員 私は、報道の記事を見て、両紙の取材担当記者にも確認をしましたが、外務省の担当者は記事のとおりPFOSを一部含むと説明していたと。今の北米局長の答弁を聞いていても、その可能性が非常に高いと思いました。
 米軍は、ことし九月に新しい代替製品に取りかえる契約を結んでいます。既に契約をしているのですから、外務省はそれがどういう製品かを把握しているはずであります。しかも、外務大臣が地元の市長に説明しているわけです。米軍が契約した代替製品にはPFOSが含まれていることを外務省は知っているわけですね。
 だから、先ほどの説明を聞いても、一番最小限のPFOSを含むという答弁に聞こえましたけれども、今米軍が取りかえているのもPFOSを含む、だから地元紙の記者にそう答えたという理解でいいですね。

○市川政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど来申し上げておりますが、現在、二〇二四年の非PFAS化に向けた取組を推し進める中で、現時点でできる限りの措置として進められている作業として、定量可能なレベルのPFOSを含まない、より環境に優しい代替品への交換が進められている、こういうことでございます。

○赤嶺委員 二〇二四年からの非PFOS化。しかし、私が聞いているのは、ことし九月に米軍が契約した泡消火剤、これには定量可能なPFOSを含まないというのは、定量可能でないPFOSは含むという意味ですか、いかがですか。

○市川政府参考人 定量可能なレベルのPFOSは含まないということでございますので、定量可能でないレベルのPFOSというのは含まれるということではございます。
 それから、泡消火剤の詳細については、現在、アメリカ軍に更に情報を確認中でございます。

○赤嶺委員 今の外務省の答弁を聞いていても非常に曖昧であります。
 米軍が契約を終えて既に二カ月たっているわけですから、具体的な製品名、PFOSが、定量可能でない部分は含まれるということを言っていますが、一体どのぐらい含まれているか。これは契約した製品名が出されたらわかるわけですから、その事実関係を理事会に速やかに報告していただきたいというぐあいにお願いしたいと思います。委員長、取り計らいをお願いします。

○若宮委員長 後刻、理事会で協議させていただきます。

○赤嶺委員 終わります。

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