衆院憲法審査会は26日、与党提出の憲法改正の国民投票法改定の質疑を行いました。日本共産党の赤嶺政賢議員は現行の国民投票法には、CM規制をめぐる問題や最低投票率の規定がないなど重大な欠陥が残されたままだとして、「国民投票法というのであれば、この欠陥に向き合う議論が大事だ」と指摘。立憲民主党の原口一博議員らが提出している法案を与党案と並行して慎重審議すべきだと主張し、細田博之会長の運営姿勢をただしました。細田氏は「幹事会で与野党で協議したい」と答えました。
立民の奥野総一郎議員はCM規制の問題などをあげ、現行法の「抜本改正が必要だ」と主張。自民、公明両党は与党案の「早期採決」を繰り返しました。日本維新の会の馬場伸幸議員は質疑終局・採決を求める動議を提出。会長は幹事会で協議すると述べました。
赤嶺氏は質疑で、維新の馬場氏が法案審議に先立つ自由討議で、「審査会を動かすべきではない」という共産党の主張は国会法に反するなどと述べたことに反論。1922年の党創立以来、戦争中の弾圧のもとでも、戦争反対、国民主権、基本的人権の尊重の旗を掲げてきた精神は、日本国憲法に生きていると述べ、「国民から改憲を求める声がない以上、改憲作業を任務に持つ審査会を動かすべきでないというのがわが党の基本的立場だ」「与野党合意で動かすのは審査会のルールだ」と主張しました。
法案審議に先立つ自由討議で、日本共産党の本村伸子議員は、いま必要なことは改憲論議ではなく、各委員会で憲法原則に反する現実を正す議論を行うことだと指摘。学問の自由を侵害する日本学術会議への人事介入、安倍晋三前首相の「桜を見る会」での公選法違反や虚偽答弁の真相究明をすべきだと強調しました。(しんぶん赤旗 2020年11月27日)
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議事録
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
先ほど私たちの党に対して言及がありましたので、一言申し上げたいと思いますが、御承知のとおり、私たち日本共産党は一九二二年に結党され、二年後に百年目を迎えます。党創立のときから戦争に反対し、平和主義、国民主権の民主主義、基本的人権の尊重の旗を掲げて、暗黒政治の戦争中は、弾圧のもとでもその旗をおろさずに頑張ってきました。
その精神は今日の日本国現憲法に生きている、このように考えており、そして、今の日本国憲法は国民の間に定着しているというのが、これは憲法調査会の報告の中でも出された共通の認識だと思います。だからこそ、国民の中からは改憲せよという声が起こってこないのであります。
一方で、憲法審査会は改憲の作業を目的とする任務も負っています。そういう改憲の作業は、国民の間から改憲の声が出ていない以上、これはやるべきではない、動かすべきではない、そういう基本的立場であります。
国会法を知らないのかという御発言がありました。国会法は、憲法審査会は定例日は木曜日と定めておりますが、さらに、憲法審査会は、その運営に当たっては、与野党が一致をして開くという非常にすぐれた慣例を持っている。これは新藤筆頭もよく御存じのルールだと思います。まさにルールに基づいて開いているということで、このルールを破ろうとするならば、これはもう憲法審査会が成り立たなくなるというようなことも一言申し上げておきたいと思います。
そこで、今回の法案でありますが、国民投票法案は、先ほど本村委員も述べたように、欠陥法であります。CM規制の問題や最低投票率の問題、広報協議会の問題、根本的な問題が残されたままの欠陥法となっています。現行法の欠陥に正面から向き合うことこそ、今極めて大事であると思います、国民投票法を議論するというのであれば。
こちらには、提案者の奥野先生を始め、原口案というのが審査会に提案されております。私は、並行審議について、あえて会長にお願いを申し上げたいんですが、これらの原口・奥野案も含めて、今後、これは並行審議をしていくというような運営を図っていただきたいと思いますが、会長の御所見をお聞きしたいと思います。