日本共産党の赤嶺政賢議員は25日の衆院予算委員会分科会で、政府が沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設の総事業費を当初の約3500億円から約9300億円に引き上げた問題を追及し、工事の中止を求めました。
赤嶺氏は、増額の要因である警備費用1700億円について、「これだけの警備費用を要する事業は異常だ」と追及。「不可欠な経費」と強弁する河野太郎防衛相に、赤嶺氏は、1年前の県民投票で7割を超える県民が埋め立てに反対し、全国世論調査でも反対が多数を占めていることを示し「警備費用がかかるのは民意に反する工事を強行するからだ。新基地建設が間違っていたことを受けとめるべきだ」と指摘しました。
赤嶺氏は、防衛省資料で地盤沈下により供用開始後の20年で6回の滑走路のメンテナンスが必要としていることを示し、巨額の補修費用がかかると追及。防衛省の鈴木敦夫整備計画局長は、補修費用は9300億円に含まれていないとし「米軍と調整し検討する」としました。赤嶺氏は「建設後なおいくらかかるのか全く分からない。補修も含めた費用の全体像を示さなければ工事の妥当性は検証できない」と批判しました。
さらに赤嶺氏は、普天間基地などで滑走路補修に半年以上かかっているとし、「6回のメンテナンスで半年閉鎖すると20年のうち3年は1本の滑走路で運用することになる。2本の滑走路を使い分けることで住宅地上空の飛行を避けるという政府の説明が成り立たなくなる」と指摘しました。(しんぶん赤旗 2020年2月26日)
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議事録
○赤嶺分科員 日本共産党の赤嶺政賢です。
名護市辺野古の米軍新基地建設について質問をいたします。
政府は、昨年十二月、地盤改良工事に伴う新たな工期と費用の見積りを明らかにいたしました。工期は、当初の五年から九年三カ月、米軍への提供手続などを含めた全体では十二年に延長をいたしました。費用も、これまでの三千五百億円から九千三百億円に引き上げております。
まず、費用の問題から伺いますが、九千三百億円の内訳と増額になった要因、これを説明していただけますか。
○鈴木政府参考人 昨年十二月、地盤改良工事の追加に伴いまして、護岸や埋立て等の設計、施工、維持管理がより合理的なものとなるよう、有識者の提言、助言を踏まえながら検討を進めてきたところでございます。
具体的な施工計画を検討し、これをもとにした全体工程を提示させていただきました。この工程に基づき、現時点での経費の見積りの見直しを行いまして、今御指摘もございましたように、約九千三百億円との見積りをお示ししましたところでございます。
その内訳といたしましては、環境保全措置等に要する経費が七百億円、仮設工事に要する経費が二千億円、護岸工事に要する経費が約一千五百億円、埋立工事に要する経費が約三千六百億円、附帯工事に要する経費が約百二十五億円、飛行場施設整備に要する経費が約六百二十五億円、キャンプ・シュワブ再編成工事に要する経費が約七百五十億円となってございます。
そして、その主な増額理由といたしましては、環境の保全措置の追加、これが約六百億円の増でございます。それから、環境を、安全かつ円滑に進めるために必要な安全対策費の追加、これが約一千七百億円の増でございます。地盤改良工事の追加、約一千億円の増、それから、人件費や資材価格の上昇等によりまして約二千五百億円の増というふうになってございます。
その上で、今後、事業を進めるに当たりましては、各年度の予算要求の段階におきまして所要額を精査し、また、その後の現場の状況に応じた効率的な施工等を追求するなどして適切な予算執行に努め、辺野古移設に要する全体経費の抑制に努めてまいるというふうに考えてございます。
以上です。
○赤嶺分科員 増額の要因の一つに、当初の見積りにはなかった警備費用千七百億円が追加されたことがあります。一口に千七百億円と言っても、那覇空港の滑走路増設事業が二千億円です。それに匹敵するような額を警備費用のためだけに投入するというのは、いかにこの事業が無謀な事業かということを示していると思います。
なぜこれほど巨額の警備費用が必要なのか。その積算根拠、これを示していただけますか。
○鈴木政府参考人 警備費用につきまして、キャンプ・シュワブの陸上及び海上周辺の警備をすることを目的といたしまして、二〇一五年度から二〇一八年度までに契約を完了した業務の支出済み額といたしましては、約百六十六億円となってございます。これらのキャンプ・シュワブでの警備に加えまして、二〇一八年からは、埋立工事を開始したことを踏まえまして、埋立材の積出し港として使用している本部港や安和の民間桟橋においても、作業を安全かつ円滑に進めるために、所要の警備が必要となったというところでございます。
今般、こうした警備費用といたしまして約千七百億円を見積もるに当たりましては、こうした状況に加え、工事を安全かつ円滑に進めるために必要となる経費を適切に見積もっているということが背景でございます。
○赤嶺分科員 防衛省の資料、今の説明にもあったんですが、キャンプ・シュワブの陸上と海上周辺で警備体制をとっていた二〇一五年度から二〇一八年度の間の警備費用は百六十六億円、これを支出したという説明でありました。一年当たり四十二億円です。ところが、今後十二年間で残りの千五百三十四億円を支出するとした場合、一年当たり百二十八億円になります。現在の三倍です。
なぜこれだけの費用が必要なんですか。キャンプ・シュワブ以外に何カ所で警備体制をとる想定をしているんですか。
○鈴木政府参考人 今御説明申し上げたとおり、二〇一五年から一八年まではキャンプ・シュワブの陸上及び海上周辺の警備ということでございます。それから、それに加えまして、二〇一八年からは埋立工事が開始されました。そして、その積出し港として使用している本部港、安和港の民間桟橋、これについても所要の警備が必要になったというところでございます。
今回の千七百億円の見積りに当たりましては、こうした状況に加えまして、工事を安全かつ円滑に進める必要な経費を適切に見積もったということでございます。
申し上げれば、今般検討した具体的な施工計画を踏まえまして、工事を安全かつ円滑に進めるために必要となる警備規模を想定いたしまして経費を見積もってございますが、その内容を明らかにすることにより今後の警備に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えすることは困難であることを御理解いただきたいと思います。
○赤嶺分科員 幾ら何でも、今度からの警備体制はこれまでの三倍、そういうことについて何も説明しないというわけにはいかないと思いますよ。やはり、三倍もの費用が必要とする具体的な根拠、これを国会に示すべきだ、このように主張しているわけです。それを示さなければ、国会での検証のしようがありません。
なぜそれだけの費用が必要なのか。警備箇所がふえるのかどうか、そういう根拠、これを説明すべきであります。いかがですか。
○鈴木政府参考人 今般検討いたしました具体的な施工計画、これを踏まえて、今後、工事を安全かつ円滑に進めるために必要な警備規模、こうしたものを経費として見積もっているということでございますけれども、繰り返しになって恐縮でございますが、その警備の内容ということを明らかにすることにより今後の警備に支障を及ぼすおそれがあるということから、現時点でお答えすることは困難であることを御理解願いたいというふうに考えてございます。
○赤嶺分科員 全く理解できない説明であります。
防衛大臣、伺いますが、これだけの警備費用を要する事業というのは、常識で考えても、異常としか言いようがありません。県民の民意に反する事業であることを象徴していると思います。
一年前に行われた県民投票で、七割を超える県民が辺野古の埋立てに反対の意思を示しました。しかも、県民はもちろん、全国の世論調査でも辺野古反対が多数を占めております。そういうもとで、このような税金投入、これは妥当だという認識を大臣はお持ちなんですか。
○河野国務大臣 普天間飛行場代替施設建設事業を進めていくに当たっては、作業の安全に十分留意しながら、所要の措置を講じた上で、適切に工事を進めてきているところであります。
具体的には、キャンプ・シュワブの陸上部においては、工事車両が安全かつ円滑に基地を出入りするために必要な警備を実施するなどしているほか、海上部においては、海上作業を安全かつ円滑に行うために必要な警備を実施しております。さらに、二〇一八年からは、埋立工事を開始したことを踏まえ、埋立材の積出し港においても、埋立材の運搬、積出し作業を安全かつ円滑に行うために必要な警備を実施してきているところでございます。
今般、約千七百億円とお示しした警備費用については、今申し上げたような、これまで必要とした警備の実績や今後の工事計画を踏まえ見積もっており、工事を安全かつ円滑に進めていく上で不可欠な経費と考えております。
事業を進めていくに当たっては、引き続き、全体経費の抑制に努めるとともに、作業の安全に十分留意した上で、辺野古移設に向けた工事を着実に進めてまいります。
○赤嶺分科員 大臣が、警備費用が千七百億円にもなると。那覇空港の滑走路建設が二千億円、これに比べても、何で異常な警備体制が必要になってきているのか。それは、政府が進めている辺野古新基地建設がいかにも民意に反したもの。小野寺防衛大臣もいらっしゃいますが、岩屋前防衛大臣もいらっしゃいますけれども、それぞれ、苦労なさったのかどうかわかりませんが、民意に反する工事を強行するからこれだけの警備費用が必要になってくる、しかも、警備体制が更に強化される、こういうことは絶対に許されない。やはり、普天間の基地を閉鎖するのに辺野古をつくることは間違っていたなということを、大臣であれば受けとめるべきだと思います。
費用の問題でもう一点ただしたいのは、軟弱地盤に基地を建設するために、供用開始後も巨額の補修費用が必要になるということです。
年末の技術検討会で示された資料によると、滑走路の舗装の設計供用期間である二十年の間に、北側滑走路は二回、南側滑走路は四回も不同沈下に伴うメンテナンスが必要になる、このようにしています。
なぜこれほど頻繁にメンテナンスが必要なんですか。説明していただけますか。
○鈴木政府参考人 御指摘の点につきまして、まず申し上げておきますのは、滑走路の供用後の補修工法等につきましては、今後、使用者でありますところの米軍とも調整をしながら検討していくものでございまして、補修の回数について、現時点で、確定した、こうしたものはございません。
その上で、昨年の十二月の第三回技術検討会におきましては、舗装の設計供用期間である二十年間で、不同沈下に対する許容値といたしまして設定した不同沈下量が四十五メートルで三十ミリメートルを超えないことを踏まえましたメンテナンスの回数として、北側滑走路については二回、南側滑走路については四回との見込みをお示ししたというものでございます。
○赤嶺分科員 今示している九千三百億円という予算は、供用開始後の滑走路の補修の分は全く含まれていないわけですね、今の説明ですと。一兆円を超えていくかもしれない、そういう工事で。
大体、供用開始後の補修にどれだけの費用が必要かも含めて、トータルで費用の全体像を示さなければ、このまま工事を進めていくのが妥当なのかどうかの判断ができないということになります。補修費用の見積りもあわせて示すべきだ、そうでなければその工事の妥当性は検証できないと思いますが、いかがですか。
○鈴木政府参考人 先般公表いたしました経費の概略、トータル約九千三百億円でございますが、これにつきましては、辺野古移設の工事を進めていくに当たって必要となる経費をお示ししているものでございまして、事業が完了した後の維持管理段階の経費というものは含めてございません。この考え方につきましては、平成二十一年度に、少なくとも三千五百億円程度というふうに見積りを示した際も、同様の考え方で示しているというところでございます。
その上で申し上げますと、滑走路の供用後の補修工法につきましては、先ほども申し上げましたとおり、今後、使用者であるところの米側とも調整しながら決めていくものでございますので、そうした意味におきまして、必要な経費も含めまして米軍ともよく調整をしながら進めていく、検討していくというものでございまして、現時点で確定したものはございませんというものでございます。
○赤嶺分科員 それじゃ、いつ示すんでしょうか、これは。
○鈴木政府参考人 そこにつきましては、申し上げましたとおり、まず、滑走路の供用後の補修工法、これにつきまして米側ともよく相談をしていくということでございます。それが前提になりまして、その中での必要な経費というもの、こうしたものについても見積もってあるというものでございます。
ただ、いずれにいたしましても、申し上げますが、それ自身は辺野古移設のいわゆる建設に係る費用というものではございませんで、これはでき上がった後の維持管理段階での費用ということでございますので、それにつきましては、九千三百億円の内数にも入ってございませんし、繰り返しになりますが、平成二十一年度にお示ししました少なくとも約三千五百億円程度という見積りの中にも入っていないというものでございます。それは、あくまでも建設までに必要な経費というものをお示ししているというものでございます。
○赤嶺分科員 建設後もなお幾らの費用がかかるのか全くわからない、そういう説明であります。
技術検討会では、滑走路のジャッキアップなど、メンテナンスの案も複数記載されていますが、一回の補修に必要な期間はそれぞれどれだけなのか、その間、滑走路は閉鎖するのか、この点はいかがですか。
○鈴木政府参考人 繰り返しになりますが、滑走路の補修等の維持管理につきましては、今後、使用者であるところの米軍ともよく調整を行いながら、個々の施設の詳細な設計等を行う段階で検討されるものでございまして、一回の補修に要する期間ですとか、その間の滑走路の閉鎖の有無について、現時点で確たることは申し上げることは困難でございます。
ただ、その上で申し上げれば、補修による飛行場の運用停止期間ということを極力減らすということは当然重要だというふうに認識しておりますので、他の空港においても、例えば運用に支障を来さないような夜間に補修を行っている例というものもございますので、こうしたものを参考にしながら、補修による飛行場の運用停止期間を極力減らすという方向で検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○赤嶺分科員 極力減らすと言いますけれども、普天間飛行場の滑走路の補修とか嘉手納基地の滑走路の補修とか、半年以上も補修にかかっているわけですよ。
辺野古の場合に、北側で二回、南側で四回、合計六回を半年ほど閉鎖するとなると、二十年のうち三年くらいは一本の滑走路で運用する計算ということになります。二本の滑走路を使い分けることで住宅地上空の飛行を避けるという政府の説明が成り立たなくなるわけですね。そういう点からいっても、いや、夜間にやるんだとか、全く曖昧な話じゃなくて、補修事業の手法それから費用、こういう点をきちんと示すべきだと思うんですよね。
二本の滑走路を使うということを前提に住宅地上空を飛ばないという説明が全く成り立たなくなるような、そういうことについてもきちんとした説明ができないわけです。運用する米軍と相談してと言っているわけです。それじゃ、基本の考え方が違ってくるんじゃないか。大臣、いかがですか。
○河野国務大臣 特に違っているとは思いません。
○赤嶺分科員 二本の滑走路が同時に使えるというのが、住宅地上空を飛ばないという説明でありました。滑走路の補修となると、それは一本の滑走路で運用するのかどうか、これは使う米軍と相談してみなきゃわからないということになると、基本の考え方が維持されるかどうかわからないじゃないですか。基本の考え方が維持されるのかどうかわからないのに、特に違っているとは思わないというのはおかしな答弁じゃないですか。いかがですか。
○鈴木政府参考人 普天間飛行場代替施設の完成後における飛行経路につきましては、二〇一一年十二月二十八日に防衛省が公表いたしました普天間飛行場の代替施設における有視界飛行経路についてにおいて示しているとおりでございます。離陸、着陸のいずれも周辺の集落の上空を通過するのではなく、基本的に海上とすることで日米間で合意しております。
こうした考え方のもと、先ほど御指摘にありました滑走路の補修等の維持管理については、米軍とも調整を行いながら、個々の施設の詳細な設計を行う段階で検討されるものでございますけれども、先ほど申し上げたように、補修による飛行場の運用停止期間を極力減らすということは重要であるということは認識してございます。
ほかの空港においても、運用に支障を来さないよう夜間に補修を行っている例もあるということでございますし、繰り返しにもなりますけれども、昨年十二月の第三回の技術検討会におきまして、滑走路の沈下対策といたしまして、補修による飛行場の運用停止期間を極力減らすという観点で、短期間で対応可能な工法、こうしたことを提示させていただいているということでございますので、引き続き、この補修の工法についてもしっかりと検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○赤嶺分科員 短期間で補修する方法そのものは、使う米軍と相談してみなきゃわからないというのが今の答弁じゃないですか。短期間、短期間と言うのは、説明を曖昧にしている点だと思います。
次に、工期の問題について質問をいたします。
地盤改良工事では、軟弱地盤に砂ぐいを打ち込むサンド・コンパクション船を使います。昨年三月二十八日の安保委員会で、二〇一七年の現有作業船一覧に基づいて、国内に十五隻しかないサンド・コンパクション船のうち、十一隻を辺野古の工事に確保することが可能なのかを質問いたしました。十分に検討を重ねた結果、施工は可能であるというのが防衛省の答弁でありました。
ところが、今回示された計画によると、十五隻としていたサンド・コンパクション船の現有隻数が八隻に減っています。なぜ減ったんですか。
○河野国務大臣 昨年三月の国会審議においては、当時の最新の現有作業船一覧二〇一七年版に掲載されている十九隻から重複する同一船舶を除外し、国内に在籍するサンド・コンパクション船が十五隻あるとお答えをいたしました。
一方、昨年十二月の第三回技術検討会の資料においては、現在の最新の現有作業船一覧二〇一九年版に掲載されている十五隻について、現有作業船一覧の記載及び業者ヒアリングにより、重複する同一船舶を除外し、サンド・コンパクション船が十隻あることをお示ししたところでございます。
このうち、今般計画している地盤改良の施工を合理的に行うべく検討した結果、打ち込み深度五十メーター以上に対応可能な船舶を対象とし、打ち込み深度五十メーター以上七十メーター未満に対応可能なものが五隻、打ち込み深度七十メーター以上に対応可能なものが三隻の計八隻としたところであります。
このことから、隻数の違いは、二〇一九年版現有作業船一覧の掲載隻数が二〇一七年版から減っていること、業者へのヒアリングにより隻数の確認をしたことに加え、合理的な施工を追求した結果によるものでございます。
○赤嶺分科員 じゃ、あのときの答弁というのは、合理的な施工を追求していない。
大体、十五隻が八隻になるというのは、今、重複して数えていたといいますけれども、こんな数え方ってないんじゃないですか。十五隻あるから絶対大丈夫だ、十一隻の確保ができる、そういうことを言っていたわけですよね。
結局、防衛省の説明というのは、肝心なところは説明しない。そして、作業船についても、大きく見せようとして、重複して数えて、重複して数えたかどうか自分たちでチェックもできない。一年間で七隻も減ってしまうというのでは、一体あの説明は何だったのかという疑問を持たざるを得ません。
さっき、八隻じゃなくて、大臣、十隻とおっしゃいましたか。十隻で間違いないですか。
○河野国務大臣 昨年十二月の第三回技術検討会の資料においては、現在の最新の現有作業船一覧二〇一九年版に掲載されている十五隻について、現有作業船一覧の記載及び業者ヒアリングにより、重複する同一船舶を除外し、サンド・コンパクション船が十隻あることをお示ししたところです。
このうち、今般計画している地盤改良の施工を合理的に行うべく検討した結果、打ち込み深度五十メーター以上に対応可能な船舶を対象とし、打ち込み深度五十メーター以上七十メーター未満に対応可能なものが五隻、打ち込み深度七十メーター以上に対応可能なものが三隻の計八隻としたところでございます。
○赤嶺分科員 ちょっと数字に疑問があります。引き続き検証していきたいと思います。
今回、防衛省は、二〇一九年版の現有作業船一覧と業者へのヒアリング、これに基づいた新たな計画としているわけですが、私たちは、先月から、そのもとになったヒアリングの資料の提出を求めていますが、いまだ提出されておりません。
年末の技術検討会に示された概略の資料によると、先ほど大臣もありましたが、ただ、海面から七十メートルの深さまで施工できるサンド・コンパクション船は国内に三隻しかありませんが、その全てを同時に使用する計画になっています。五十メートルから七十メートル未満のサンド・コンパクション船も五隻のうち三隻、埋立土砂の投入に使用するリクレーマ船も七隻のうち五隻を使用する計画になっています。
今後、辺野古以外の需要もあり得るもとで、国内にある作業船のほとんどを集中させることが一体可能なのかどうか。船舶を所有するそれぞれの事業者から、辺野古の事業に提供できるという確約を得ているんでしょうか。いかがですか。
○葉梨主査 鈴木整備計画局長、申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。
○鈴木政府参考人 今御指摘ございましたが、地盤改良に用いるサンド・コンパクション船、その他の船につきまして、今の計画におきまして最大使用隻数、これ以上の船舶が国内にあるということを確認しておりまして、実際に工事を行う際には、作業船の稼働状況を踏まえつつ、必要な船舶をしっかりと確保してまいりたいというふうに考えてございます。
○赤嶺分科員 この工事は、玉城デニー知事への設計変更申請もこれから出さなければなりません。いつ工事が始まるかわからないのに、民間業者が作業船は提供できる、工事の際には提供できるというのも、やはり去年の答弁のような曖昧さを感じるものであります。
作業の面からいっても辺野古の新基地建設は不可能だということを申し上げて、質問を終わります。