国会質問

質問日:2018年 7月 9日  第196国会  沖縄北方特別委員会

留学口実に米軍美化 赤嶺氏 基地利用の英語教育批判

 

 日本共産党の赤嶺政賢議員は9日の衆院沖縄北方特別委員会で、政府が6月に閣議決定した「骨太方針」に米軍基地内の大学への留学などを想定した「米国の協力を得た英語教育の充実」が盛り込まれたことに関し「やるべきことをはき違えている。米軍基地の縮小撤去こそ必要だ」と批判しました。

 赤嶺氏は、自民党の提言が「在日米軍の協力」を得ると明記していたにもかかわらず、閣議決定に際して「米国」に書き換えられた理由をただしました。

 河野太郎外相は「政府内の調整の過程の逐一へのコメントは控える」とした上で「国際社会で活躍する人材の育成は重要」と述べました。

 赤嶺氏は「沖縄の国際化」をうたいながら「なぜ具体策が米軍基地への留学になるのか。アジアへの留学や交流を後押ししないのか」と追及。河野氏は、3月に外務省が開始した沖縄の高校・大学生を米国に派遣する「アメリカで沖縄の未来を考える」(TOFU)プロジェクトを紹介し「一層の拡充に努める」などと述べました。

 赤嶺氏は、同プロジェクトが日米同盟や海兵隊の意義を教え、帰国後にSNSなどで宣伝させる内容になっているとして、今回の英語教育も「そこに狙いがあるのではないか」と指摘。米軍占領下でも米国留学や英語教育が推進されたものの、県民と基地との矛盾は拡大したとして「基地の撤去による県民の苦しみの解消こそやるべきだ」と強調しました。(しんぶん赤旗 2018年7月10日)

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米軍の協力を得た英語教育について質問

議事録

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 冒頭、今回の豪雨災害によって亡くなられた方々に心からのお悔やみを申し上げるとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。行方不明者の捜索と被災者への支援、復旧に全力を挙げることを政府に求めたいと思います。
 沖縄振興予算の問題から質問をいたします。
 沖縄振興予算は、二〇一六年度は三千三百五十億円でした。昨年度は三千百六十億円、今年度は三千十億円へと減額が続いています。中でも、沖縄県や市町村が自主的な選択に基づいて事業を実施するための一括交付金、これは、千六百十三億円から千三百五十八億円、さらに、千百八十七億円へと大幅に減額をされています。一方、国が使途を決定し実行する国直轄予算は、千百八十九億円から千二百二十三億円、千二百六十億円へと年々増額をされています。振興予算全体に占める比率も、三五・五%から三八・八%、四一・九%へと顕著な上昇を見せています。
 二〇一二年に沖縄振興法が改正されました。その最大の特徴は、法律の目的に沖縄の自主性の尊重を明記したことでありました。その上で、沖縄県自身が振興計画を策定し、そのための自由に使える使い勝手のいい財源として導入されたのが一括交付金でした。ところが、実際には、国直轄の予算がふえる一方、一括交付金は減り続けております。
 沖縄振興予算の実態は法律の趣旨と違ってきているのではないかと思いますが、大臣、どのように認識をお持ちですか。

○福井国務大臣 沖縄振興予算は、総理発言、すなわち、現行計画期間中毎年三千億円台を確保するという総理発言によりまして、現行計画以前よりも相当高い水準を確保することとなっております。
 平成三十年度予算は、現下の国の厳しい財政状況のもとではありますけれども、この方針に沿って、所要額を積み上げて三千十億円の予算を確保した次第でございます。一括交付金につきましても、他県にない高率補助の予算として千二百億円もの額を確保しており、沖振法の趣旨に反するものではないと考えております。
 今先生御指摘の、平成二十四年の沖縄振興特別措置法改正によります県の自主性の尊重について、もう一度復習をさせていただきますならば、平成二十四年の沖振法改正では、県の自主性を尊重しつつ振興を図ることとされた趣旨は、国が沖縄振興計画を決定する仕組みから、国が沖縄振興基本方針を定めるけれども、それに基づき県が沖縄振興計画を策定する仕組みへの変更をしたということが改正の趣旨。
 そして、もう一つ改正の趣旨として、沖縄振興に資する事業を県が自主的な選択に基づいて実施できる一括交付金の創設等でございますので、この法律改正の趣旨に基づいての予算配分、そして施策の展開というふうに承知をさせていただいております。

○赤嶺委員 三千億円台、高額なという言い方をしておりましたが、大田県政の時代には四千億円台なんですよ。そういうことも見ておっしゃっていただきたい。沖縄の自主性を尊重しているかどうか。
 例えば、昨年の概算要求のときの記者会見で、江崎前沖縄担当大臣は、一括交付金が減額になった理由について、まず国として使途を定めている予算について優先的に積み上げていく、その上で、総額の範囲内で国として使途を定めていない一括交付金をできるだけ積み上げる、こう述べているわけです。
 国直轄の予算は優先的に確保して、残った予算の範囲で一括交付金に回すというのは、まず予算編成のあり方として、沖縄の自主性を尊重したとは言えないのではありませんか。

○日下政府参考人 お答え申し上げます。
 概算要求のときの話でございますけれども、概算要求のときは、厳しい財政事情のもとではありますけれども、特に沖縄の自立的発展を促すのに必要な事業について厳選して増額したということでございます。
 具体的には、子供の貧困率が全国二倍以上であることによる子供の貧困対策、それから、大学進学率が全国最低であることなどによる沖縄独自の給付型奨学金制度の創設、それから、骨太方針に明記されている西普天間跡地への健康医療拠点整備、それから、世界最高水準の教育研究を行うOISTなどの増額を行っているものでございます。
 一括交付金の減額でございますけれども、最終的には、沖縄県が作成している事業計画上、平成二十九年度に終了する継続事業費が約二百億円程度あるということ等を勘案しまして、平成三十年度は百七十一億円の減額というふうになったものでございます。

○赤嶺委員 皆さん、子供の貧困対策を含めて、あるいはOISTの問題や、あるいは基地の跡地利用を国直轄でやるのは当然だということですが、それを沖縄振興の予算の範囲内に加えていることを強く県民は批判しているわけですよ。
 もともとは国が起こした結果じゃないですか。国が、沖縄振興予算ではなくて国の責任としてやるべきこと、それを振興予算の中で直轄予算をふやしていっていることが大問題だと言っているわけです。
 一括交付金を減らしたのは継続事業が減ったからだ、このように言っておりますけれども、昨年度に終了する事業の分を削減した、そうなりますと、沖縄県や市町村が今年度に新しい事業をやろうと思っても、極めて限られた予算規模で実施するか、あるいは別の事業を削って振り向けるしかないということではありませんか。

○日下政府参考人 お答え申し上げます。
 一括交付金、特にソフト交付金、ハード交付金もそうでありますけれども、前年度からの継続事業と新規事業に分けまして、平成三十年度に継続する二十九年度の事業費、これについて、過去三年のトレンド、これを勘案して三十年度の予算を推計しております。
 それに加えまして、三十年度の新規事業の見込みといたしまして、二十九年度の新規事業費を加えるなどの推計をしてございます。
 このようにして平成三十年度に必要な事業費の推計を行った結果でございますので、御理解賜りたいと思います。

○赤嶺委員 一括交付金を減らすために詭弁を弄しているとしか思えません。
 二〇一八年度に沖縄県や市町村でどういう事業が計画されているかということを踏まえて、そのための予算を最大限に確保するというのが内閣府のやるべきことであります。その点は検討を行ったんですか。

○日下政府参考人 お答え申し上げます。
 もちろん、県の御意見もかなり聞いてございます。
 ただ、一括交付金も、国の予算である以上は、県の要望のみならず、国の財政事情等を総合的に勘案して毎年度判断するということが必要でございます。
 そういったことを勘案した結果、減額となったわけでありますけれども、現下の国の厳しい財政事情のもとではありますが、他県にない高率補助の予算であります一括交付金については、依然として約千二百億円もの額が確保されておりますので、そこは問題ないものというふうに考えてございます。

○赤嶺委員 他県にないと言いますけれども、他県も同じような予算をもらっているわけですよ、予算の一括交付金という仕組みが違うだけで。
 大体、沖縄県が他県にないということを言う立場にはないんじゃないですか、政府は。どういう立場に沖縄を置いているんですか。
 一括交付金を活用した事業は、経済や離島や教育や福祉、保健医療など、さまざまな分野で成果を上げています。
 ところが、一方的に予算を削減したもとで、地域に大変な混乱を生じさせております。例えば、那覇市は今、市民会館を建てかえようとしておりますが、一括交付金の見込み額を九十九億円から四十四億円に修正せざるを得なくなっております。
 これまで、一括交付金を減らした理由として、繰越額や不用額の多さを理由に減額されてきましたが、ソフト事業に充てる一括交付金の執行率でいえば、一二年度の五〇・九%から一六年度は七九・五%へと劇的に改善されています。こうした努力をきちんと評価すべきだと思います。
 これで努力したら、次は継続事業がないからというようなことで、新たな事業を起こす沖縄県のそういう自発的な意思を押し潰そうとする。こういうのは許されないと思います。
 沖縄県と全ての市町村は、沖縄の総意として、一括交付金の従前の水準の復活を求めています。この声に応えるべきではありませんか、大臣。

○日下政府参考人 済みません、大臣の前に、一言だけ。
 他県にないということを先生から御指摘を受けましたけれども、私が申し上げた趣旨は、やはり八割なり九割なりという高率補助の予算というのは他県にはないということを申し上げたわけでございます。
 那覇市の例も挙げられましたけれども、沖縄県におきましては、より効率的、効果的に事業を行っていただくために、事業内容を精査した上で、優先度をつけて執行していただくことが必要であるというふうに考えてございます。

○福井国務大臣 ありがとうございます。
 予算につきましては、この額をこれだけ確保したのでどうだと言うつもりは全くございません。作業上、所要額を積み上げて、今年度の予算、そして来年度の予算策定に向けても調整をさせていただきたいと思います。
 いずれにしましても、先生の御指摘、そして沖縄の皆さんの心に寄り添って施策を進めていくということを旨にさせていただいております。

○赤嶺委員 子供の貧困対策事業についても伺いたいと思います。
 今年度までの三年間は、モデル事業として実施することとされています。これに一番熱心に取り組んできた那覇市などは、以前から子供の貧困対策に力を入れて取り組んできましたけれども、同市の城間幹子市長は、内閣府の支援員の配置施策を高く評価しておりますが、支援員の配置、これは来年度以降も同じ仕組みで続けてほしいと要望しています。
 これまでのモデル事業、沖縄県の子供の貧困対策事業、県民運動と相まって、県民の間に定着してきておりますが、ぜひ、事業の継続、これは仕組みとして事業の継続を求めたいと思いますが、大臣、いかがですか。

○福井国務大臣 先生、私も現場に何カ所か行かせていただきましたけれども、まさに魂がこもっているなという印象を受けました。
 この子供の貧困対策でございますけれども、平成二十八年度から三十年度までの三年間につきましては、モデル事業として補助率十分の十で事業を実施しております。
 これまでの成果といたしましては、居場所を利用した子供の人数が平成二十九年度で延べ約二十九万人となりまして、平成二十八年度と比べて約十二万人増の約一・七倍になっております。そして、居場所を利用した子供に対するアンケート結果を見てみますと、居場所に来てよかったと思うかという質問に対しまして、約九割が肯定的に評価をしていることなどが挙げられております。
 本事業につきましては、平成三十三年度までの沖縄振興計画期間中を子供の貧困の問題の集中対策期間として事業を継続していくことといたしておりますけれども、来年度以降の事業内容につきましては、これまでの事業の成果、今申し上げましたような成果や課題を検証した上で検討を進めてまいりたいと存じております。

○赤嶺委員 子供の貧困問題でもいろいろ議論したいところですが、ちょっと時間がありませんので、外務大臣に次は伺いたいと思います。
 先月十五日に閣議決定された政府の骨太方針に「米国の協力を得た英語教育の充実」という文章が入りました。この経緯と目的、内容を説明していただけますか。

○河野国務大臣 外務省といたしましては、沖縄の一層の成長に資する沖縄の国際化に貢献する取組を鋭意進めてまいりたいと考えており、そのような観点から、英語教育の充実を図り、国際社会で活躍する人材を育成することは重要と考えております。このような考え方は、昨年十二月の私の沖縄県の訪問時にも紹介をしたところでございます。
 その上で、経済財政運営と改革の基本方針二〇一八において、沖縄の振興策として「米国の協力を得た英語教育の充実」が盛り込まれたことも踏まえ、どのような取組が可能か、前向きに検討していきたいというふうに考えているところでございます。

○赤嶺委員 自民党の提言では、米国の協力というところが、米軍の協力、このようになっていました。看板は米国の協力ということに書きかえたわけですが、米軍から協力を得ることに変わりないんじゃないかと思います。何で書きかえたんでしょうか。

○河野国務大臣 政府内の調整の過程の逐一についてコメントは差し控えますが、どのような方法であれ、英語教育の充実を図り、国際社会で活躍する人材を育成することは重要であり、米国の協力を得た形でどのような取組が可能か、前向きに検討していきたいと考えております。

○赤嶺委員 外務大臣は、先ほどおっしゃいましたように、昨年十二月に沖縄訪問したときに、沖縄の国際化に貢献したい、米軍基地内の大学への入学の推進や米軍関係者と日本人の子供たちが一緒に通う学校の新設を挙げていたことが報じられておりました。
 沖縄は、政府もアジアのゲートウエーだと繰り返し言ってきているわけですね。何で、沖縄の国際化を言うときに、その具体策が米軍基地への留学や基地の子供たちとの共学になってしまうのでしょうか。沖縄県が推進しているアジアへの留学や交流は政府は後押ししないんですか。

○河野国務大臣 英語教育の充実を図り、国際社会で活躍する人材を育成することは大変重要だとの考えのもと、昨年十二月に沖縄県を訪問した際を始め、さまざまな場で関係者と意見交換を行ってきており、どのような取組が可能か前向きに検討していきたいと考えております。
 例えば、今回、ことしの三月に、アメリカと協力して沖縄の若者向けの英語教育の充実を図り、英語を駆使して国際社会で活躍する沖縄の人材の育成につなげていくことを目指すという考えのもと、「アメリカで沖縄の未来を考える」、そういうプログラムを始め、これを一層充実させることを検討しております。
 これに加え、更にどのような英語教育の方法があり得るかについては、沖縄の皆様の意見を聞くことが重要であると考えており、そのような意見を踏まえつつ、いかなる形で行うのが適切か検討を重ねてまいりたいと思います。

○赤嶺委員 今おっしゃったアメリカへの留学、既に河野大臣の考え方が具体化されていると思うわけですけれども、沖縄から高校や大学生二十名をアメリカに派遣する、いわゆるTOFUプロジェクトと呼ばれているものですね。私、その募集要項を見て大変驚きました。「沖縄の将来を担う高校生・大学生を米国に派遣し、関係者との意見交換や各種視察等を通じ、よりグローバルな視点で日米同盟を見つめ、その意義を米国における様々な実体験に根差した形で再認識してもらうことで、日米同盟の深化を第一の柱とする日本の外交政策の基盤を強化することを目的」としている、このように書かれています。
 具体的には、事前学習で、政府の資料に基づいて東アジアの安全保障環境や日米安保体制、海兵隊の意義などを学ばせて、アメリカでは、国務省、国防総省、そしてホワイトハウスで政府要人に会わせ、気づいたことを毎日気づきノートに書かせて、帰国後は新聞やSNSでの情報発信をさせるというものであります。国の予算を使って沖縄の子供たちに日米同盟の意義を教え込み、宣伝させる、こういうものです。
 今回の英語教育もそこに狙いがあるのではありませんか。

○河野国務大臣 外務省では、ことし三月に、沖縄の若者が、同盟国であるアメリカのありのままの姿、国際社会における日本の役割を目の当たりにする機会を設け、現地の要人、若者らと英語で交流することを通じ相互理解の増進を図ることを目的とし、沖縄県の二十名の高校生、大学生を米国に派遣する、第一回「アメリカで沖縄の未来を考える」プログラムを実施いたしました。
 学生たちは、ワシントン及びニューヨークを訪問し、ホワイトハウスや国務省、国防省における米国政府高官との面談、ケネディ前駐日大使への表敬を行ったほか、現地の若者と交流し、沖縄の文化などについて紹介をし、また、私も米国出張の機会を捉え、直接学生と面会し、激励をしたところでございます。
 外務省といたしましては、国際社会で活躍する沖縄の人材育成に貢献できるよう、このプログラムを一層拡充に努めてまいりたいと考えております。

○赤嶺委員 いやいや、私が聞いたのは、国際社会で活躍する沖縄の人材づくり、聞こえはいいんですが、その目的の中に、日米同盟の大切さ、この意義を教え込むという内容になっているわけですよ。
 本当の狙いは、日米同盟や沖縄に駐留する海兵隊駐留の意味を教えようという形でそういうプロジェクトを始めたということではありませんか。

○河野国務大臣 申し上げましたように、沖縄の若者が、同盟国アメリカのありのままの姿、国際社会における日本の役割を目の当たりにする機会を設け、現地の要人、若者らと英語で交流することを通じ相互理解の増進を図ることを目的とし、この「アメリカで沖縄の未来を考える」プログラムを実施しているところでございまして、外務省としては、国際社会で活躍する沖縄の人材育成に貢献できるよう、このプログラムを一層拡充してまいりたいと考えております。

○赤嶺委員 「目的」の中に、「沖縄の将来を担う高校生・大学生を米国に派遣し、関係者との意見交換や各種視察等を通じ、よりグローバルな視点で日米同盟を見つめ、その意義を米国における様々な実体験に根差した形で再認識してもらうことで、日米同盟の深化を第一の柱とする日本の外交政策の基盤を強化することを目的」としていると。英語教育じゃないですよ、こういうのは。
 しかも、同盟国アメリカを見てもらう、こういうことを言っておりますが、これは、沖縄に関して外務省がやるべきことではないと思いますよ。
 アメリカの直接支配下にあったときも、あのときは米国留学制度がありましたよ。沖縄の若者が、当時、アメリカの民政府、USCARと言っておりましたが、その制度では米国留学を言ってまいりました。そして、沖縄では、よき隣人になろうという、アメリカの、琉球・アメリカ親善運動というのもありました、英語教育もありましたよ。だけれども、それによって米軍基地への県民の不信は全く解決されなかったわけです。矛盾は拡大していく一方でありました。
 外務省は、みずからがやるべきことを全く履き違えているとしか言いようがありません。幾らアメリカで高邁な話を聞いても、現に基地の苦しみがある限り、矛盾はなくなりません。外務省がやるべきことは、基地の矛盾そのものを解消していくことであります。日米地位協定の抜本改正、米軍基地の縮小、撤去に取り組むことであります。みずからのやるべきことを履き違えるべきではない、そのことを強く申し上げておきたいと思います。
 米朝首脳会談についてもちょっとお伺いしたいんですが、先月十二日、史上初の米朝間会談が行われました。新たな米朝関係を確立し、朝鮮半島の平和体制の構築と完全な非核化を一体的に進めることで合意をいたしました。
 昨日の日米韓外相会談後の共同記者会見でも、アメリカのポンペオ国務長官、韓国の康京和外交部長官は、平和体制の構築と完全な非核化を一体的に進める必要があるとの認識を示しています。
 河野大臣は、この点、どのようにお考えですか。

○河野国務大臣 日米韓を含む国際社会は、北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ不可逆的な方法での廃棄、いわゆるCVIDの実現に向け連携を強めていく、そして、このCVIDが実現されるまでは、国連安保理の累次の決議案に基づいた制裁をきちんと履行していく、それが国際社会の現在の立場でございまして、それをしっかりと続けていくことを日米韓三カ国の外務大臣で確認をしたところでございます。

○赤嶺委員 やはり、新たな米朝関係を確立し、そして、世界は朝鮮半島の平和体制の構築と完全な非核化を一体的に進めることで合意している、そのことに着目して、東アジアの平和の実現、このことを強く求め、そして、それが将来は軍事同盟ではなくて平和な話合いによる問題の解決をしていく東アジアの体制、そこまで見通していくような、そんな外交を続けてほしいということを強く求めて、私の質問を終わります。

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