安倍晋三首相の訪米報告と質疑が5月15日の衆院本会議で行われました。日本共産党の赤嶺政賢議員は、戦争法案が「アメリカが世界で行う戦争に際して、いつでも、どこでも、どんな戦争でも、自衛隊が参戦するためのものであり、憲法を蹂躙(じゅうりん)する」と撤回を要求。首相が戦争法案を「この夏までに成就させる」と米国に誓約したことについて「国民主権と議会制民主主義を真っ向から否定するもの」と厳しく批判しました。
赤嶺氏は、戦後の日本が侵略戦争への反省のうえにたって、政府の行為によって再び戦争の惨禍を起こさないことを世界に誓って再出発し、憲法9条で徹底した非軍事・平和主義を定めたことを指摘。首相が「植民地支配と侵略」に言及せず、「同盟の抑止力・対処力を強化する」としていることを「これに真っ向から反する」と批判しました。首相は「日本、世界の平和と安全を、よりたしかなものにする」などと述べるだけでした。
赤嶺氏は、首相が評価する米国のリーダーシップの実態は世界の紛争に軍事介入し、国連憲章にもとづく平和秩序を揺るがすものであったと指摘し、それに協力・加担してきた歴代自民党政府の責任に言及。安倍政権が現行安保条約を大きくふみこえる軍事協力の拡大を勝手に取り決め、従来の憲法解釈を捨て去ろうとしているとして、「(戦争法案は)戦後、歴代自民党政権が推し進めてきた米軍戦争支援国家づくりの『集大成』ともいうべきものだ」と強調しました。
また、赤嶺氏は、日米共同声明が「長期的な米軍のプレゼンス」に言及したことに触れ、「戦後70年を経て、(沖縄県名護市)辺野古に新たな基地を建設し、未来永劫(えいごう)、沖縄を米軍基地に縛り付けることは許されない」と新基地建設の断念と普天間基地の無条件撤去を求めました。(しんぶん赤旗 2015年5月16日)