日本共産党の赤嶺政賢議員は10月30日の衆院国家安全保障特別委員会で、国家安全保障会議(日本版NSC)を設置し、国の安全保障政策に国民を総動員することは許されないと批判しました。
法案では、「国家安全保障」を「我が国の安全保障」と定義しています。赤嶺氏は、政府が従来「安全保障」という用語について、日本に対する武力攻撃への対応だと説明していたことを指摘。一方、NSCの協議の対象としてテロ対策、自然災害、TPP(環太平洋連携協定)も含まれると答弁していることをあげ、これまでの「安全保障」の考え方と矛盾すると追及しました。
菅義偉官房長官は根拠を示すことなく「矛盾していない」と答弁。赤嶺氏は法案の基本的な考え方となる「国家安全保障」の定義を明確にするよう求めました。
菅官房長官は、NSCの設置理由を「国をあげて国家安全保障政策を進めていく必要がある」(25日の衆院本会議)と説明した安倍晋三首相の答弁について、「国をあげて」の中には国民や経済界・大学も含まれることを認めました。赤嶺氏は、自民党改憲草案の「国民の責務」(12条)で、「常に公益及び公の秩序に反してはならない」と人権に制約を課していることをあげ、「『国家の安全保障政策のために国民は協力せよ』ということだ」と批判しました。
赤嶺氏は、NSCの設置が自民党の国家主義的な考え方と共通するものであり、国策に国民を総動員する時代錯誤は許されないと強調しました。(しんぶん赤旗 2013年10月31日)