北沢俊美防衛相は5月19日、衆院安全保障委員会で、米軍普天間基地の「移設」問題で、「日米の間で率直に、難しいものは難しいという認識を共有して、
新たにどうすえるかという議論があってもいいのではないか」とのべ、2014年までに完了させるという期限を事実上、断念する意向を示しました。
これを受けて、質問に立った日本共産党の赤嶺政賢議員は、「米軍再編は崩壊寸前だ。計画そのものを撤回し、日米交渉をやり直すべきだ」と主張しました。
また、レビン上院軍事委員長ら米国の超党派の有力議員が、名護市辺野古への「移設」を「非現実的」とする提言を公表したことをとりあげ、政府の認識を質
問。北沢防衛相は、「単に議会の発言としてすますわけにはいかない」と述べ、米国政府と議会の今後の推移を見定めていく考えを示しました。
赤嶺氏は、提言が嘉手納統合を提起していることについて、「辺野古も実行不可能なら嘉手納(統合)も実行不可能だ」と指摘。「高額な辺野古への新基地建
設を許してやるかわりに、海兵隊のグアム移転の追加負担に応じよというのが提言の中身だ」とのべました。北沢防衛相は「(日米合意)以上のものについては
われわれが負担する義務はない」と答弁しました。(2011年5月20日 しんぶん赤旗)