国会質問

質問日:2011年 5月 19日  第177国会  安全保障委員会

論戦ハイライト 米軍再編は崩壊寸前

 5月19日の衆院安保委員会で、沖縄の米軍普天間基地の移設や米海兵隊のグアム移転などの問題を取り上げた日本共産党の赤嶺政賢議員。「米軍再編は崩壊寸前だ。計画そのものを撤回し、日米交渉をやり直すべきだ」と主張しました。

計画撤回し、交渉やり直せ

 赤嶺氏は、米上院軍事委員会のレビン委員長ら超党派の有力議員が出した提言が、現在の再編計画について「非現実的で、実行不可能であり、財政的にも負担不可能だ」と断じていることを紹介し、こうただしました。

●赤嶺 単なる一議員の発言にとどまるものではない。予算承認権を持つ米議会の軍事委員会の超党派の有力議員の提案として非常に重い意味を持つ。

●北沢防衛相 極めて重要な地位にある方の提言であり、単に議会の発言として事をすますわけにはいかない。

 赤嶺氏は提言が、高額なキャンプ・シュワブヘの代替施設の建設を取りやめ、それによって浮いた予算を新たな計画に投入できるよう新たな費用負担の取り決めをつくることを提案していることを指摘しました。

●赤嶺 海兵隊のグアム移転は、日米合意を大きく上回る150億㌦以上の経費が必要と指摘されている。辺野古の基地建設を許してやる代わりに、グアムの追加負担に応じよというものだ。

●北沢 それ(日米合意)以上のものについては、負担する義務はない。

●赤嶺 辺野古も実行不可能なら嘉手納も実行不可能だ。結局、背天間の危険性が放置され、グアム移転にかかわり新たな負担だけ負わされるものだ。断じて受け入れられるものではない。

馬毛島「移転」問題

 赤嶺氏は、米軍空母艦載機の訓練を鹿児島県西之表市の馬毛島で行うよう北沢防衛相が検討を指示したと報じられていることについて、西之表市長が「大変憤りを感じる」と表明し「現地・種子島と屋久島の1市3町で反対の意思を確認した事実を示し、「地元自治体と住民の意思を重く受け止めるべきではないか」とただしました。

●北沢 特定の地名を出して指示はしていない。

●赤嶺 地元自治体の頭越しに米軍再編をやるものだ。アメリカにモノを言うべきだ。

 赤嶺氏は「米軍再編に関わる日米合意について、グアムに移転する海兵隊員・家族を水増ししたり、必要でもないグアムの軍用道路建設を見積もり日本側負担を小さく見せかけるものだったとする米国の秘密公電を告発サイト・ウィキリークスが暴露した問題を取り上げました。

●赤嶺 グアムに移動する人数の水増しも軍用道路建設も、私が質疑や質問主意書で問いただしたものだ。沖縄への新たな基地建設、沖縄基地の恒久化を進め、アメリカベったりの日米合意をごまかすものだった。米軍再編・ロードマップ(行程表)を撤回し日米交渉をやり直すべきだ。

●北沢 日米合意を実行する両国の努力は続ける。

●赤嶺 政府がごまかしていたことが米公電で疑いもなく明らかになった。いつまでもうその説明を続けるのでなくロードマップは撤回すべきだ。(しんぶん赤旗 2011年5月20日)

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