国会質問

質問日:2011年 2月 16日  第177国会  予算委員会

論戦ハイライト 鳩山前首相「方便」発言

赤嶺氏 民主政賢の“変節”批判
菅首相 「情勢変わった」と弁解

 米軍普天間基地(沖綿県宜野湾市)の県内「移設」の理由に、在沖縄米海兵隊の「抑止力」をあげたことは「方便だった」と述べた鳩山由紀夫前首相。2月16日の衆院予算委員会でこの発言を取り上げた日本共産党の赤嶺政賢議員の質問で、民主党政権の変節ぶりが浮き彫りになりました。

後付けの理屈

 民主党政権は昨年5月、普天間基地「移設」について、自公政権が敷いた同県名護市辺野古「移設」(新基地建設)に回帰する日米合意を結びました。

 当時首相だった鳩山氏は「学べば学ぶにつけて、海兵隊のみならず、沖縄に存在している米軍すべてが連携し、抑止力が維持できる」と説明しました。赤嶺氏は「その説明は後付けの理屈、『方便』だった」と強調し、見解をただしました。




画面をクリックすると動画が見れます



●赤嶺議員 新たな米軍基地を押し付ける決定がこんなにも軽々しく決められたのかと開いた口がふさがらない。

●菅直人首相 私の認識とは違っている。海兵隊を含む在日米軍の存在はわが国、アジア太平洋地域の平和と安定に大きな役割を果たしている。

 自民党ばりに米海兵隊の存在意義を強調する管首相に対し、赤嶺氏は米軍が沖縄に居座るのはなぜかと追及しました。

「米国は沖縄にいることでパラダイスのような居心地の良さを感じている」という鳩山氏の発言を紹介。沖縄は戦後、米軍占領下で強制的に土地を奪われたこと、アメリカが負担すべき米軍の住宅建設や光熱水料まで「思いやり」予算で日本が肩代わりしていることなど、米軍の「パラダイス」(鳩山氏)となっていると告発しました。

●赤嶺議員 問題は(鳩山氏が)そういう認識を十分に持ちながら辺野古に基地を押し付けるために「抑止力」という言葉を使ったことだ。日米合意を正当化するためのまさに「方便」だ。

●菅首相 沖縄の海兵隊基地の存在は政府の方針として日米間で取り決めている。


「集中審議を」

 長年にわたる基地押し付けの姿勢を変えようとしない菅首相。鳩山氏を参考人として招致し、県民総意に背く日米合意をただすため集中審議を行うよう求めました。

 菅首相も野党時代、海兵隊の「抑止力」を否定する発言を行っていました。著書でも「新しい首相が真っ先にホットライン(電話)で米国大統領に首脳会談の予定を入れる『現代の参勤交代』ともいうべき慣行が続いている」と記述。「民主党中心の政権では、海兵隊の沖縄からの撤退を真剣に検討するよう米国にはっきり求めていく」と強調していました。

 赤嶺氏は、菅首相が就任2日目の6月6日、オバマ米大統領との電話会談で日米合意を踏まえて取り組むと伝えたことについてただしました。

●赤嶺議員 政権に就く前と就いた後で言っていること、やっていることがまったく正反対ではないか。

●菅首相 私が変わったのは国際情勢の変化もある。日米合意を踏まえた形のスタートが日本の大きな意味での国益に沿うものであると考えた。

 自らの〝変節″を認めた首相に対し、赤嶺氏は「国際情勢の変化と言うのは後付けで方便だ。政権に就いたらアメリカにものが言えなくなったということだ」と批判。「民主党は対等な日米関係を掲げていたはずで、これでは一体何のための政権交代だったのかと言わざるを得ない」と強調しました。(しんぶん赤旗 2011年2月17日)

このページをシェアする