憲法改悪阻止各界連絡会議(憲法会議)は2月25日、東京都内で「春の憲法講座」を開催しました。纐纈厚・山口大学名誉教授が講演し、安保3文書の危険性を告発し、軍事力によらない安全保障が必要だと語りました。
纐纈氏は安保3文書について、(1)米国追随の視点でしか世界を見ない視野狭窄(きょさく)(2)学問も含めた全ての資源を戦争へとつぎ込む国家総動員体制づくり(3)統合指揮所をつくることにより戦時には米軍がトップを握る危険性―という特徴があると指摘。「『戦争宣言白書』と呼べるものだ」と批判しました。
今後の日本の進路として、憲法の平和主義の徹底こそ必要だと強調。「『抑止力』論は幻想であり、軍拡を呼び込むための口実にすぎない。暴力に至る原因を取り除くことこそ本当の抑止力であり、軍事的ではない多様な安全保障論を展開すべきだ」と訴えました。
日本共産党の赤嶺政賢衆院議員が国会報告。安保3文書は米国の軍事戦略に端を発したものだと告発。南西諸島で進む軍事要塞(ようさい)化が日本全体に広がり、攻撃の対象となる可能性があると指摘し「米国追従ではなく中国を含む包摂的な平和の枠組みを築く努力こそ求められる。岸田軍拡を許さない世論を広げることが必要だ」と語りました。(しんぶん赤旗 2023年2月28日)