政府は3月24日、人体に有害な有機フッ素化合物PFOSの陸海空自衛隊の駐屯地・基地ごとの具体的な保管量を明らかにしました。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員の質問主意書(12日)への答弁。
答弁書は、昨年9月末時点でPFOSを含む消火薬剤などを国内の92の駐屯地・基地で計3万3710リットル保管していると説明。防衛省は2023年度末までに処分する計画です。答弁書によると、PFOSが化学物質審査規制法上の第1種特定化学物質に指定され、製造・使用が原則禁止された10年4月以降、4度にわたり消火作業・訓練を目的に自衛隊が使用したとしています。
答弁書は、18年4月に陸自が東富士演習場(静岡県)での消火訓練後に、法令上義務付けられているPFOSを含む泡消火薬剤の回収・保管を行っていなかったと明らかにし、「本事案が発生した原因、当該泡消火薬剤の環境に与える影響や回収の可能性等について調査を進めている」としています。
赤嶺氏は質問主意書で、在日米軍のPFOS含有消火薬剤などの保有状況や処理計画が明らかにされていないと指摘し、米軍自身が行った調査結果も含め公表するよう米側に強く働きかけるべきだと要求。答弁書は「現時点でお答えすることは差し控えたい」としつつ、「日米間で包括的な検討を行っており、結果を随時説明する」としています。(しんぶん赤旗 2020年3月25日)