防衛省沖縄防衛局は6日午前8時40分、米軍新基地建設に伴う名護市辺野古の埋め立てに関わる海上工事に着手しました。沖縄県は政府の対応を厳しく批判。新基地建設に反対する市民らは、海上から「海の埋め立てをやめろ」と抗議の声をあげました。
日米両政府はマティス米国防長官と安倍晋三首相との会談(3日)などで辺野古推進を確認。10日の日米首脳会談に向けて、海上での埋め立て工事を本格的に進める狙いです。
海上工事では、まず埋め立て工事に伴う海水の汚れを防ぐための汚濁防止膜を3カ月程度かけて設置します。6日は、膜を固定する大型コンクリートブロックの海中投下に向け、クレーンを載せた作業船にブロックを積み込む工程に入りました。
防衛局によれば、ブロックは1個約11~14トンで、228個に達します。サンゴ礁の破壊や海流の変動など、自然環境に著しい影響を与えます。早ければ7日にも投下を開始する狙いです。
市民らは陸上部のキャンプ・シュワブ前や辺野古・大浦湾で終日、抗議行動を行いました。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員らは抗議船「平和丸」に乗り込み、海上から抗議。「基地を造ることを負担軽減だと言ってのける安倍政権の不当性に県民は怒っている。不当な基地建設は県民の団結の前に打ち破られる」と訴えました。
防衛局は次の段階として護岸工事を行い、さらに埋め立て土砂の投入を視野に入れています。沖縄県は3月末で期限が切れる辺野古の岩礁破砕許可を更新しないなど、あらゆる権限を行使して工事を阻止するかまえです。
菅義偉官房長官は6日午前の記者会見で、「最高裁判決に従って工事を進める」とした上で、「法に従って国、沖縄県ともに誠意をもって対応していくべきだ」と対決姿勢を示しました。
一方、沖縄県の翁長雄志知事は5日夜、海上作業の強行について記者団に問われ、「(県との)事前協議が整った後でなければ着手は認められない。ただちに工事を停止して、事前協議すべきだ」と政府の対応を厳しく批判しました。(しんぶん赤旗 2017年2月7日)