エッセイ

水曜随想 悔しさ糧に強く大きく

 

 6月16日に行われた沖縄県議選挙で、日本共産党は7議席から4議席に議席を減らし、玉城デニー県政与党も過半数を割り込んだ。全国から大きな支援をいただいたが、期待を裏切る結果となり、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。議席を失った候補者、あと一歩で引き継げなかった候補者もどんなに悔しいことだろう。繰り返し繰り返し悔しい思いが襲ってくる。

 自民党は今回、中央からの応援弁士を控えて、もっぱら企業締め付けに全力を挙げた。元首相の秘書まで送り込み、「知らないうちに票が集まってきた」という候補者もいた。県政与党の過半数割れを最優先した自民党中央、県連の必死の取り組みがうかがわれる。2年後の県知事選挙では県政を奪還すると鼻高々だ。

 彼らは自民党隠し、辺野古や自衛隊基地増強の争点隠しに徹したが、この戦術は必ず破綻する。なぜなら軍事優先の日米安保体制と沖縄県民との矛盾・対立は、必ず新たな闘いを巻き起こすからだ。これが沖縄の歴史だった。

 6月23日、沖縄全戦没者追悼式であいさつに立った玉城デニー知事は、岸田首相を正面にした演壇から、普天間飛行場の一日も早い危険性の除去、辺野古新基地建設の断念を求めるとともに、悲惨な沖縄戦の記憶に重ねて、安保3文書による自衛隊の急激な配備拡張を厳しく批判した。沖縄県民の団結の旗印をしっかり掲げた演説だった。

 投票日の出口調査では、デニー知事の支持率は7割、辺野古反対は6割で、那覇市での日本共産党支持率は9%の第2党だった。式典の会場では、日本共産党の議席減について、多くの方々から叱咤(しった)激励された。ある男性からは腕をつかまれて、「オール沖縄の団結は日本共産党にかかっている。残念でたまらない。もっとしっかりしてほしい」と訴えられた。責任の重大さがズシンとこたえた。

 7月には、都知事選挙と並んで那覇市議補欠選挙も行われる。確実に勝利するとともに、強く大きな党の建設に全力を傾けたい。(しんぶん赤旗 2024年6月26日)

 

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