エッセイ

水曜随想   将来の防衛幹部に講演

 

 連休明けの先週8日、防衛研究所主催の第62期一般課程の研修会の講師として「日本共産党の安全保障政策」をテーマに講演する機会があった。防衛研究所は防衛省のシンクタンクで、将来の「高級幹部となるにふさわしい」隊員を対象に各党の安全保障政策を学ぶことになっている。

 私が担当する以前は東中光雄さんや諸先輩の議員が担ってきた。私は今回で10回目だ。今年の研修員は、防衛省の内局の職員、陸、海、空の自衛官、省庁や民間企業の職員、フランス、インド、インドネシア、タイ、米国の軍人など39人。
 
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 「日本共産党についての自己紹介」「日本共産党がめざす社会の発展」「日本共産党の改革の内容・国の独立・安全保障・外交の分野で」「米軍への戦争支援を強化する国家体制づくり」「戦後70年、新しい政治をつくる転機の年に」「安保条約の解消以前にも解決されなければならない沖縄の基地問題」がレジュメの内容。
  特に今年は、戦後70年。ポツダム宣言を受諾して制定された憲法を、米国の世界戦略によって変質させられ、自衛隊が制定された過程、専守防衛から海外派兵へと憲法上の位置づけが二重三重に歪(ゆが)められてきた歴史、サンフランシスコ講和条約の性格などについて力を込めて話した。
  安倍内閣のもとで戦争する国づくりが強行されている政治を断ち切るためには、憲法制定の原点に立ち返らなければならないと思ったからだ。
 
   「日本共産党が政権をとったら、私たち自衛隊はどうなるのですか」「社会党や村山政権の自衛隊政策とどうちがうのですか」「自衛隊の解消を主張するなら、おなじ国家権力である警察の解消も主張すべきだ」という質問もとびだした。もちろん丁寧に答えたが、理解してくれたかどうかは定かではない。でも帰り際、ありがとうございましたという表情がみうけられたので、内心ほっとしている。

 講演後の懇談で、所長からは「オール沖縄の意味がよく理解できました」と言われた。県民が積み上げてきた不動の民意はいま、確実に世の中を動かしつつあることを実感した一言だった。(しんぶん赤旗 2015年5月13日)

 

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