エッセイ

水曜随想  堕落の自公と維新に審判

 

 延長された臨時国会もいまのところ12月14日までの80日間の会期をおえようとしている。参議院では、世論の反発を受けて、年金もカジノも審議が混乱している。再延長の可能性もでてきた。国会内では、解散総選挙の話もとびかっている。

 

 それにしてもカジノ解禁法案の突然の審議入りは、乱暴すぎる。衆院ではたった5時間33分で質疑をうちきり可決させた。公明党は、推進派と慎重派に分かれていると報道されているが、審議入りは容認したわけだから、党ぐるみでカジノ解禁に芋を貸したことになり、その罪はまぬかれない。

 

 カジノは安倍首相が一生懸命だ。アベノミクスの成長戦略の一翼をになうといってたじろがない安倍首相の態度はアメリカの次期大統領トランフ氏をほうふつとさせる。

 

 その晩、宿舎の食堂で自民党の中堅議員が珍しく興奮気味に私に話しかけてきた。「カジノの審議のやりかたは、考えられない」「安倍にすりよる維新が一番悪い」「内藤支持率が高いからと言って世論を見下している。だいたい、パリ協定、TPP、北方領土、外交だって全部失策続きではないか。真珠湾にいって支持率があがる?考えられない」とまくしたてた。極右的な国会運営には自民党の中からも不安の声が起こる。

 

 アルコール議員連盟でいっしょに依存症問題にとりくんでいる自民党の元閣僚は、いっしょになったエレベーターのなかで、「ギャンブル依存症の問題が何も議論されていない」と法案を批判していたが、採決の際、本会議場から退席している。

 

 カジノは賭博だ。1950年11月の最高裁判決は、「賭博の禁止」の理由を明快にのべている。

 

 「勤労な正当な理由によらず『単なる偶然の事情』で大金を得ようと相争う行為は国民をなまけものの浪費家にし、勤労の美風を害するうえ、ばくちに使う金を得るなどの暴行、脅迫、殺傷、強盗や窃盗など副次的な犯罪を誘発し公序良俗を崩す結果になる」

 

 堕落・腐敗した自公と維新に国民の理性の審判をくだそうではないか。(しんぶん赤旗 2016年12月14日)

 

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