通常国会は会期末まであと11日。集団的自衛権の行使容認に向けた暴走に加えて、「国会議員」の目、耳、口をふさぐ秘密保護法にもとづく情報監視機関の設置や、カジノ解禁法案の審議入りがねらわれている。
集団的自衛権の問題は、国民の反発が日に日に広がる中で、20日閣議決定の動きが急浮上している。安保法制懇の報告書を受けて、私は合計4回質問にたった。
①「報告書」は、現実政治と乖離(かいり)した行使容認ありきの内容で、日本の国連加盟日さえ間違っていると追及。その後HP(ホームページ)上で期日は訂正されたが、憲法9条を前提に加盟した事実は認めようとしない。
②2回目は、機雷掃海への参加。安倍首相は「武力行使を目的として戦闘行為に参加することは検討しない」と明言しているが、機雷掃海は、敷設した国に対する戦闘行為そのもの。なぜ検討対象に挙げているのかと問うた。内閣官房の官僚は答弁不能。支離滅裂だと民主党推進派の幹部も大きな声をあげた。
③「武力行使との一体化」を論じるなら、イラク戦争で航空自衛隊が武装した米兵を戦地に輸送し、バグダッド、ファルージャの犠牲を拡大した戦争加担責任こそ検討すべきだ。世界は、二つの戦争から教訓をひきだし、紛争を平和的に解決しようとする動きが強まっている。安倍政権は、世界の流れに取り残されていると主張。
④我が国近隣で武力攻撃が発生した場合に邦人輸送中の米艦を防護するというが、それはどういう事態か。朝鮮半島で軍事力行使の危険が高まったのは、1994年にアメリカのクリントン政権が北朝鮮の核施設への空爆を検討したとき。米軍3万人、韓国軍45万人、民間人100万人以上の死傷者が予想され、韓国は強く反発。軍事的な選択肢はあり得ないことを肝に銘じるべきだと要求。
「安倍政権とたたかえるのは日本共産党だけ。もっとがんばってください」と他党の議員から激励されるなど、論戦への反響も大きい。150日間の通常国会、緊張は最終日まで続く。(しんぶん赤旗 2014年6月11日)