国会質問

質問日:2011年 10月 25日  第179国会  安全保障委員会

2011年10月25日 第179国会 衆議院安全保障委員会

議事録

○赤嶺委員

 私は、今までのような、米軍の回答を聞いて沖縄側に伝えるという、こういう米軍に任せるやり方は許せないと思いますし、だれもオスプレーの配備に同意できないと思います。

 最後に、南西諸島への自衛隊配備について、何点か聞いていきます。

 昨年末に閣議決定した新防衛大綱、中期防に基づいて、防衛省は、来年度の概算要求に与那国島への陸上自衛隊の沿岸監視隊の配備と航空自衛隊の移動警戒隊の展開のための用地取得を盛り込みました。

 まず、沿岸監視隊、移動警戒隊とは、それぞれどういう役割と機能を持った部隊なのか、具体的な施設整備の内容と規模、配備時期について明らかにしていただけますか。

 

○神風大臣政務官

 お答えさせていただきます。

 先生御指摘の沿岸監視部隊につきましては、我が国の領海、領空の境界に近い地域に配置をし、付近を航行、飛行する艦船や航空機を沿岸レーダー装置などにより沿岸部から監視し、各種兆候を早期に察知することを任務といたしております。

 また、移動警戒隊につきましては、固定式警戒管制レーダーの長期にわたる運用中断の際の警戒管制体制を維持すること、また固定式警戒管制レーダーから離れた場所の覆域を補完することにより、すきのない警戒監視体制を保持することを任務といたしております。

 さらに、現在、平成二十四年度概算要求におきまして、沿岸監視部隊の配置及び移動警戒隊の展開のために必要な用地取得経費のほか、現地調査や造成工事の一部を実施するための経費を要求したところでございます。

 

○赤嶺委員

 自衛隊の配備について、地元が関心を持っているのは一点です。安全保障の環境だとか防衛問題ではありません。この自衛隊の配備が島の活性化につながるかどうかということであります。町長自身もこのことを発言しております。

 そこで、防衛省に、自衛隊の配備によってどのような交付金や補助金が支払われることになるかについて確認いたします。

 今回の部隊配備は、米軍再編事業ではないため再編交付金の対象にはなりません。また、大規模な飛行場や演習場を設置するものでもありませんから、周辺環境整備法第九条に基づく交付金、いわゆる九条交付金の対象にもならないと思うわけですが、その点を確認させていただけますか。

 

○神風大臣政務官

 先生御指摘の調整交付金につきましては、沿岸監視部隊が現状置かれていない防衛施設が特定防衛施設として指定されていないことから、実績はこれまでもございません。

 また、補助金につきましては……(赤嶺委員「補助金は後で聞きます」と呼ぶ)いいですか。

 現時点においてどのような事業が対象となるのかお答えすることは、現状、非常に困難でございまして、いずれにしても、地元与那国町の具体的な御要望をよくお聞きしながら、防衛施設周辺の環境整備に関する法律に基づいて適切に対応をしてまいりたいと考えております。

 

○赤嶺委員

 米軍再編交付金の対象でなく、九条交付金の対象ではないと。

 残るは補助金であるわけですが、他の沿岸監視部隊が置かれている自治体での補助金の実績、これについても説明していただけますか。

 

○神風大臣政務官

 補助金につきましては、平成十七年度以降におきまして、釧路駐屯地標津分屯地羅臼分室の所在市町村であります北海道目梨郡羅臼町に対しまして、道路改修等事業として、平成十七年度に約七千二百万円、また、平成十八年度には約六千四百万円の補助金を交付したところでございます。

 

○赤嶺委員

 補助金の実績も、わずか一件であるわけです。その場合でも、四分の一は地方負担の持ち出しがあるわけですね。もともと、周辺環境整備法に基づく民生安定施設としての道路の補助の上限は十分の八ですよね。沖縄振興法は十分の九・五であるわけですから、総務省からは固定資産税の代替措置として基地交付金が支払われることになりますが、これも国の予算の範囲内で配分されるため、実際の固定資産税に見合う額が交付されるわけではありません。

 先日、私も、一九五〇年代から国境警備のための部隊が順次置かれてきた対馬に行ってまいりました。ここでも人口の減少に歯どめがかかっておりませんでした。対馬市は、一九六〇年には七万人いた人口が、今は三万五千人にまで減少しています。自衛隊の配備では島の活性化は図れません。

 今、与那国島では、長命草という薬草を生かした島おこしにも取り組んでいます。ここでしか見られない海底遺跡やサメを求めて、多くのダイバーが繰り返し訪れております。島の特性を生かした産業を興し、また、国境の島として、台湾や中国、アジアとの交流を深めることでこそ島の活性化も図れるということを指摘して、与那国への自衛隊配備はやめるべきだ、こういうことを要求いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

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