国会質問

質問日:2025年 12月 11日  第219国会  安全保障委員会

軍人辞世の句 削除を 衆院安保委

赤嶺氏、HP掲載を批判

 日本共産党の赤嶺政賢議員は11日の衆院安全保障委員会で、陸上自衛隊第15旅団(那覇市)が沖縄戦で多大な犠牲をもたらした旧日本軍第32軍の牛島満司令官の辞世の句のホームページ(HP)への掲載を続けている問題を取り上げ、削除を要求しました。

 15旅団は、沖縄戦を賛美しているとの批判を受け、同句の掲載をいったん停止しましたが、1月に再掲載。一方、陸自幹部候補生学校も第32軍の持久戦を肯定する学習資料を作成していましたが、赤嶺氏の国会質問などを受け、中谷元・防衛相(当時)の指示で全面改定。32軍の持久戦が「本土決戦準備のために偉大な貢献をなした」と肯定する記述も削除しました。

 赤嶺氏は、改定の経緯と方針を質問。防衛省の広瀬律子人事教育局長は、同資料が沖縄戦の住民被害に触れていないなどの批判を受け、▽県民が動員され戦火に巻き込まれたことの記載▽旧日本軍の視点だけで書かれた文章の修正▽旧日本軍が県民に与えた悪影響の記載―などを盛り込む方針に基づき、同校と他の12の本部・学校で資料を改定したと説明。改定では「牛島司令官の辞世の句を記載する必要はない」と判断し、削除したことも明らかにしました。

 赤嶺氏は、辞世の句のHPからの削除も防衛相の責任で指示するよう要求。小泉進次郎防衛相は「地元住民と身近に接する各部隊長が判断すべきもの」だと拒否しました。

 赤嶺氏は「あれだけの犠牲を強いた司令官の句を無批判に掲載する部隊を身近と感じられるはずがない」と批判。同句が戦意高揚のため書き換えられていた可能性も指摘されているとし、「当時の国体を守るための捨て石として住民を地上戦に巻き込んだのが沖縄戦だ。防衛省・自衛隊が二度と同じ過ちを繰り返さないとの認識に立っているかが問われる」と重ねて削除を求めました。(しんぶん赤旗 2025年12月13日)

 

質問の映像へのリンク

軍人辞世の句 削除を(衆院安保委)

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