国会質問

質問日:2025年 2月 5日  第217国会  予算委員会

沖縄の辺野古新基地建設費 想定超過の可能性も 防衛相答弁

赤嶺氏が中止を要求

衆院予算委

 日本共産党の赤嶺政賢議員は5日の衆院予算委員会で、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を巡り、政府の費用想定が工事の実態とかけ離れ、実際の費用が膨らみ続けている現状を明らかにし、工事中止を求めました。

 政府は新基地建設に要する経費を当初約3500億円としていましたが、2019年に軟弱地盤の改良工事に伴い、約9300億円に引き上げました。

 赤嶺氏は、「新基地総事業費1・2兆円に」(沖縄タイムス)、「25年度までに政府試算の約81%を支出」(琉球新報)との報道を示して工事の進捗(しんちょく)状況をただしました。

 中谷元防衛相は、25年度末までに投入される埋め立て土砂量について辺野古側で318万立方メートル、大浦湾側で約36万立方メートル(計354万立方メートル)となる見込みだと答弁しました。

 赤嶺氏は、354万立方メートルは政府が計画する総量2020万立方メートルの17・5%にすぎず、24年12月末の16・1%から約1年間で進むのは1%程度だと指摘。「来年度末の時点で8割以上の埋め立てが残るにもかかわらず、予算は8割を使ってしまう。政府の見積もりを超過するのは明らかだ。工事の実態を踏まえた見積もりを出し直すべきだ」と迫りました。

 中谷氏は、「今後、検討等によっては(費用想定の)変更があり得る」と超過の可能性を認めましたが、現段階で見積もりを出す考えは示しませんでした。

 赤嶺氏は、新基地建設経費のうち米軍キャンプ・シュワブの再編成工事の経費はすでに政府想定の750億円を超過していると追及。防衛省の青柳肇整備計画局長は23年度末までに898億円を執行し、24~25年度予算に計222億円を計上していることを明らかにしました。赤嶺氏は想定の1・5倍に上るとして「こんないいかげんなやり方は許されない」と批判しました。

 さらに赤嶺氏が、今後、米側との合意で新たに整備する施設はあるのかと質問したのに対し、中谷氏は「(整備を)行うべき施設については、米側と協議して行っていく」と答弁。赤嶺氏は、米軍に言われた施設を次々追加していくやり方だと指摘し、「米軍基地建設なら、どれだけ予算を使っても構わないという姿勢は絶対に許されない」と厳しく批判しました。(しんぶん赤旗 2025年2月6日)

 

 

 

根本原因は軍隊の本質

米兵犯罪続発 赤嶺氏 「基地縮小を」

衆院予算委

 日本共産党の赤嶺政賢議員は5日の衆院予算委員会で、沖縄で米軍関係者による凶悪事件が繰り返し発生するのは、人を殺傷する訓練を行う米軍の本質が根本原因だと指摘し、米軍基地問題の解決には「軍隊の整理・縮小しかない」と強調しました。

 赤嶺氏は、1996年4月に当時の橋本龍太郎首相とモンデール駐日米大使が米軍普天間基地(宜野湾市)の「全面返還」で合意してから29年になるが、いまだに実現していないと指摘しました。

 そのうえで、この問題の原点は95年の米兵による少女暴行事件であり、8万5000人が結集した県民総決起大会で日米地位協定の早急な見直しと基地の整理・縮小を日本政府に求めたことに言及。ところがその後も事態は何ら変わらず、少女と女性の尊厳を踏みにじる事件が繰り返されているとして、その根本原因は何かとただしました。

 中谷元防衛相は、在日米軍の安定的な駐留は重要だとし、「米側に再発防止の申し入れを行っている」と答弁。赤嶺氏は、「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」が1945~2021年までに発生した在沖米軍関係者による女性への性犯罪をまとめた資料を提示し、「政府がたびたび再発防止を申し入れても、事件は繰り返されている」と強調しました。

 赤嶺氏はこの背景に軍隊の本質があると指摘。「殺傷する訓練によって人権意識を失った兵士が日常生活に入り込み性的暴行などに及ぶ、ここに大きな本質がある」として、「どんなに再発防止や綱紀粛正を米側に求めても止められない。軍隊を整理・縮小する以外にない」と突きつけました。(しんぶん赤旗 2025年2月6日)

質問の映像へのリンク

辺野古新基地建設費 想定超過の可能性も 防衛相答弁(衆院予算委)

参考資料

委員会配布資料

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