国会質問

質問日:2020年 2月 12日  第201国会  予算委員会

辺野古軟弱地盤データ問題 赤嶺議員が隠ぺい追及

衆院予算委 設定強度大きく下回る

 日本共産党の赤嶺政賢議員は12日の衆院予算委員会で、辺野古新基地建設予定地に広がる軟弱地盤に関し、防衛省が、水面下90メートルに達する「B27」地点で従来の説明を大きく下回る地盤強度のデータを隠ぺいしていた問題を追及しました。河野太郎防衛相は、「土の強度を測る力学試験ではない」などと強弁しました。

 

 

 政府は、軟弱地盤の改良工事のため、沖縄県に設計変更の申請を検討中。これに関し、防衛省は「B27」の土の強度試験を「やっていない」としていましたが、同省が国会提出した土質調査報告書(『シュワブ(H26)ケーソン新設工事(1工区)確認ボーリング報告土質調査(2)』)には「B27」の地盤強度のデータが添付されていました。70メートル以深で同省が設定する強度を大きく下回り、3分の1程度にとどまる場所もあります。国内の作業船で地盤改良工事が可能な最大施工深度は70メートルまでとなっています。

 河野防衛相は、「B27」について「土の種類を確認する物理試験を実施したが、強度を測る力学試験は行っていない」と答弁。「受注者が船上において簡易な方法で行った」としました。

 赤嶺氏は、簡易試験であっても示されている値は土の強度を示す力学試験のデータだと指摘しました。明らかになったデータには、土の種類ではなく地盤強度を示す数値が記載されています。

 河野氏は「力学試験ではない」と繰り返し、このまま工事を強行する考えを示しました。赤嶺氏は、「軟弱地盤であることを認めたくないために強引な答弁を続けている」と批判しました。

 

 

防衛相答弁ごまかし明白

データ数値は地盤強度示す

赤嶺議員追及

 都合の悪いデータを隠そうとしたのではないか―。沖縄県名護市辺野古での米軍新基地建設をめぐり、日本共産党の赤嶺政賢議員は12日の衆院予算委員会で、建設予定地に広がる軟弱地盤に関わる地盤強度データを防衛省が隠ぺいしていた問題を追及しました。

 埋め立て区域に広がり最深約90メートルに達する「マヨネーズ並み」の軟弱地盤は大規模な地盤改良工事が必要です。しかし、70メートル以深の工事が可能な作業船は国内にありません。防衛省はこれまで、70~90メートルの地盤は「非常に固い」として、70メートルまでの地盤改良でも新基地建設は可能と主張してきました。

 赤嶺氏は「赤旗」日曜版の記事を示し、政府が昨年3月に提出した一連の調査報告書によって、政府がこれまで行ってこなかったと主張してきた最深90メートルに達する調査地点B27での地盤強度を示す力学試験が行われていたことを明らかにし、「70メートルより深い部分の強度は、政府の説明を大きく下回る3分の1程度しかない」と指摘しました。

 

 

遅れの責任安倍政権に

 赤嶺氏は、地盤改良にともなって政府が工期を当初の5年から12年に延ばし、費用も3500億円から9300億円に引き上げたことを指摘しました。

 日本政府が1996年に普天間基地の返還に合意してから来年4月で25年、四半世紀になり、その上さらに12年かかります。しかも、玉城デニー知事が設計変更申請を承認したときが(12年の)起算点であり、知事は、辺野古新基地に反対していると強調。

 赤嶺氏は、「このどこが一日も早い返還なのか。辺野古にこだわっていたら、普天間の返還は絶対に実現できない」と追及しました。

 安倍首相は、工期が延びたことについて、民主党政権時代に普天間の「移設先」をめぐって「混乱」があったなどと問題の責任を民主党に押しつけるような答弁をしました。

 赤嶺氏は、軟弱地盤が見つかり工期が12年延びたのは民主党政権の責任ではなく、安倍内閣になってからの問題だと反論。「だいたい安倍内閣になって2022年までに(解決)できると言っていたではないか」とただしました。

 

 

サンゴ移植で「圧力」

農水相に勧告取り下げ要求

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、防衛省沖縄防衛局が申請したサンゴ移植の可否判断を県が保留していることについて、江藤拓農林水産相が許可するよう県に「是正」を勧告していたことが分かりました。日本共産党の赤嶺政賢議員が12日の衆院予算委員会で、「不当な圧力だ」として勧告の取り下げを強く求めました。

 勧告は1月31日付。防衛局は、埋め立て予定区域の大浦湾側に生息するサンゴ約4万群体を移植するための特別採捕許可を県に申請。県は、埋め立て承認の撤回に関する訴訟が係争中で、司法の最終判断が出るまで処分を行わない方針です。

 勧告は、申請についての標準処理期間(45日)を経過しているなどとし、許可処分をしない相当な理由はないとしています。

 赤嶺氏は、「工事継続の是非が問われているときに工事を前提としたサンゴ移植の判断などできるはずがない」と述べ、係争中は標準処理期間を適用すべきではないと指摘。江藤農水相は、沖縄防衛局長から連絡があったことを認めたうえで、「裁判係争中は(判断しない)理由にならない」などと強弁しました。

 赤嶺氏は、「農水省が防衛省から頼まれて県に圧力をかけるとはあまりにもひどい」と指摘。「不当な圧力には沖縄は負けない」と強調しました。(しんぶん赤旗 2020年2月13日)

 

質問の映像へのリンク

軟弱地盤データ隠ぺい問題を追及(衆院予算委)

議事録

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 きょうは、名護市辺野古の米軍新基地建設について質問をいたします。
 去年の通常国会で、建設予定地北側の大浦湾を中心にマヨネーズ並みの軟弱地盤が広範囲に広がっていることが明らかになり、大問題になりました。政府もその事実を認め、現在、沖縄県に設計概要の変更を申請するための検討を進めています。
 資料をお配りしてありますが、この問題にかかわって、海面から深さ九十メートルまで軟弱地盤が続くB―27という調査ポイントで、政府がこれまで行っていないとしてきた地盤の強度を調べる力学試験を行っていたことがわかりました。政府が昨年三月、国会に提出した一連の調査報告書の巻末資料の中に、英文のデータが含まれておりました。
 これによると、作業船の能力から地盤改良工事ができない七十メートルより深い部分の強度は、政府の説明を大きく下回る三分の一程度しかありません。私どものしんぶん赤旗日曜版を始め、各紙が報じております。
 防衛大臣に伺いますが、防衛省としてB―27の力学試験が行われていたことを知ったのはいつですか。

○河野国務大臣 キャンプ・シュワブの地盤につきましては、ボーリング調査の実施地点において、その際に採取した土の試料を用いて土の強度を確認するための力学試験を行うとともに、コーン貫入試験の実施地点において、その際に採取した土の試料を用いて土の種類を確認するための物理試験などを行うことによって、土の強度や土の種類の調査分析を行ってきたところであります。
 お尋ねのB―27につきましては、コーン貫入試験を行った地点であり、採取した土の試料について、土の種類を確認するための物理試験を実施しておりますが、土の強度をはかるための力学試験は行っておりません。
 一般的に、土の強度をはかる力学試験を実施するためには、採取する前の状態をできる限り保つことができる専用の機材で土の試料を採取し、さらに、その分析に当たっては専用の機械を備えた施設内で行う必要がありますが、B―27地点では物理試験を実施することとしていたため、土の強度をはかる力学試験に用いることのできる試料はそもそも採取しておりません。
 このため、委員が力学試験と言われているB―27地点の試験結果については、力学試験を行うためではなく、物理試験を行うために、採取前の状態を保つことのできない方法で採取された土の試料を用いて実施されており、かつ、受注者が船上において簡易な方法で行ったものでございます。
 このような簡易な方法で行われる試験は、国土交通省港湾局が監修する「港湾の施設の技術上の基準・同解説」においても、土の強度をはかるための力学試験として認められている試験ではありません。
 その上で申し上げれば、御指摘の試験の結果については、受注者が自主的に行ったものであり、二〇一八年十二月に沖縄防衛局に対し土質調査の報告書の巻末資料として提出され、昨年三月に国会に提出させていただいているところでございます。

○赤嶺委員 今、長々と答弁いただきましたけれども、つまり、B―27の力学試験のデータが、去年の三月、政府が国会に提出した資料の中に掲載されているわけですよね。それは防衛大臣もお認めになりました。力学試験のデータが載っているわけです。
 それについての評価をいろいろいろいろ言いましたけれども、そのデータが載っていることはお認めになりますね。

○河野国務大臣 先ほど答弁をしたように、お尋ねのB―27については、コーン貫入試験を行った地点であり、採取した土の試料について、土の種類を確認するための物理試験を実施しておりますが、土の強度をはかるための力学試験は行っておりません。
 一般的に、土の強度をはかる力学試験を実施するためには、採取する前の状態をできる限り保つことができる専用の機材で土の試料を採取し、さらに、その分析に当たっては専用の機械を備えた施設内で行う必要がありますが、B―27地点では物理試験を実施することとしていたため、土の強度をはかる力学試験に用いることのできる試料はそもそも採取しておりません。
 委員が力学試験と言われているB―27地点の試験結果については、力学試験ではなく、物理試験を行うために、採取前の状態を保つことのできない方法で採取された土の試料を用いて実施されており、かつ、受注者が船上において簡易な方法で行って得られたものでございます。

○赤嶺委員 長々と答弁すれば紛らわしくなってわかりにくくなっていくと思って、大変長い答弁をしていると思いますがね。
 つまり、B―27の土は採取して、そして、皆さんが国会に去年の三月に提出した、しかし、皆さんの手元には十二月に来ているわけですよ、おととしの。何か、簡易試験であっても、そこに示されている数字は、私たちのしんぶん赤旗が示しているように、これは力学試験のデータなんですよ。あなた方はそれを力学試験と認めたくないとおっしゃっているわけですが、これは力学試験のデータであることは間違いないわけです。
 簡易であってもですよ、何でこんなデータが載っているんですか。皆さんが発注した事業者がやったわけでしょう。いかがですか。

○河野国務大臣 わかりやすく説明しますと、力学試験をやるためには、専用の機材を差し込んで、この土の状況をそっくりそのまま持ち上げて、それを施設へ持っていって、X、Y、Zの三軸から圧力をかける、そういう専用の機材ではかる、これが力学試験でございます。
 このB―27はそうではなくて、コーンを貫入する物理試験を行う地点でございますので、そもそも下から上がってくる土は下の状況がそのまま維持されているものではありません。そして、ここで行ったのは、トルベーンという羽根のついたものを手で船上でねじ込んで数値をはかるという簡易的なものでございますから、力学試験とは全く違う数値でございます。これは力学試験ではございません。

○赤嶺委員 簡易な方法でやったデータは力学試験のデータですよね。巻末に英文で載っている資料の中に出ているデータは、政府が使っているデータよりも三分の一も軟弱の地盤の数字が出ています。これは物理試験のデータじゃないですよね。いわゆる、業者が簡易な方法でやった力学試験の結果ですよね。そうじゃないですか。それを力学試験とは認められないという、それは、都合の悪いのは認めたくないはずですよ。都合の悪いのは認めたくない。だから、今まで、去年もこれは、岩屋防衛大臣が、B―27の力学試験はやっていませんと。いわば、七百メートルも離れた遠いところのポイント、最大で七百メートル、そこの三カ所の地層とB―27の地層が似ているから、これは土質がかたい、こういうことを言っていたわけですよね。
 ところが、皆さんが出したデータの中に、巻末に、業者は力学試験の結果として、いわば力学試験の結果としてちゃんとデータが出ているじゃないですか。これを力学試験のデータと認めない、そうおっしゃりたいわけですよね。

○河野国務大臣 これは力学試験ではございません。
 コーンを貫入するときに、コーンが小石やら何やらに当たって異常値が発生したりということがありますので、その土を取り出したものが異常値がないかどうかを簡易的に調べているわけでございまして、本来のきちんと採取されたものをX、Y、Zの三軸から圧力をかけるというのが力学試験であり、また、X軸に大きな圧力をかけるのが力学試験でありますが、ここで言っているものは、下から上がってきた、つまり、下の状況が維持されていない土に羽根を手でねじ込んでその連続性を確認しているというものですから、全く力学試験ではございません。これは全然別なもので、物理試験の試料がきちんとしたものになっているか、コーンが小石やら何やらに当たって変な数値が出ていないか、そういうものを確認するためのもので、力学試験とは全く違うものでございます。

○赤嶺委員 コーン貫入試験で採取した土は、小石がまざっていたんですか、ばらばらだったんですか。そして、業者は、一番巻末に載っているデータは、これは力学試験ではありません、これは物理試験のデータです、このように言っているんですか。ちゃんと力学試験のデータだと書いてあるでしょう。なぜそれを認めないんですか。それを認めたら、軟弱地盤をちゃんと調査していなかったことが明らかになるから認めないんじゃないですか。
 何か専門的なことをいろいろいろいろ言っていますが、結局、載っているのは力学試験のデータなんですよ。それは認めますでしょう。

○河野国務大臣 よく聞いていただきたいと思うんですが、そのコーンが小石にぶつかったりしていないか、それによって異常値が出ていないかというのを調べるわけでございます。また、力学試験というのは、下の状況のものをそっくりそのまま持ち上げてこなければこれは下の状況の調査ができないわけで、ここで言っている、物理試験に付随した、土を採取して持ち上げたものというのは、下の状況とは全く違う状況になっておりますから、これは力学試験でも何でもございません。

○赤嶺委員 では、あのデータは何ですか。あのデータは、皆さんが委託した業者が出したデータですよね。あのデータは何のためにあそこに載っているんですか。

○河野国務大臣 我々が委託したのは物理試験でございまして、受注者が、その物理試験の結果とともに、そのときに、恐らく、とってきたデータに間違いがないんだよということを、船上で簡易試験をやりましたよということをつけているだけで、本来は必要ないものだと思いますが、それが巻末に資料としてついておりましたので、それをそのまま国会にお出しをしたものでございます。

○赤嶺委員 必要のないものだけれども、国会に出す資料の中には入れておりましたと。何で必要のないものを業者がやったんですかね。

○河野国務大臣 業者としては、試験の結果がちゃんとしたものですよというものを確認するために、みずからそういう簡易的な試験をやってデータをとったわけですから、それをそのまま巻末に恐らくつけてきたんだろうと思います。
 我々としては、それが巻末についておりましたので、それをそのまま国会に提出させていただいた、それだけのことでございます。

○赤嶺委員 無責任な話ですよ。簡易的なやり方であれ、力学試験をやったデータが載っている。このデータは政府が示すデータよりも極めて軟弱な、三分の一も軟弱な、そういう地盤である。これが明らかになったら、これは一万ページもある資料の中の一番最後ですからね、最後ですから、なかなか見つけられないというのもあったと思いますよ。しかし、それを業者は、じゃ、業者がそういうことを無責任にもしたんですか。業者の責任、どうなるんですか、こういうのは。

○河野国務大臣 たびたび申し上げておりますように、これは力学試験ではございません。まずそれをはっきり御理解をいただきたいと思います。
 業者は、業者が受託した物理試験をきちんとやったよということをみずから確認するためにこういう簡易的な試験をやったんだろうと思いますが、その結果を、ちゃんとやっていますよということでつけてきたんだろうというふうに思っております。
 これは力学試験でも何でもございませんし、そもそも力学試験とは全く違う試験でございますし、羽根を手でねじ込むというような簡易的な方法でございますから、それは全く違うということをまず御理解をいただかないと、この議論になりません。

○赤嶺委員 理解できないですね。
 海外では、大臣がさっきから一生懸命否定しているような簡易的なやり方での力学試験も公式なデータとして使っているところもあるんですよ。これは今後議論していきますよ。
 では、今回、私たちの赤旗や、あるいはほかの、東京新聞や毎日新聞や沖縄の新聞などが出しているそのデータは力学試験じゃないから、今後、今設計変更の作業をやっていると思うんですが、設計変更の作業には反映しないというような理解ですか。

○河野国務大臣 今おっしゃった赤旗のデータというのは、この委員が資料としてお配りされた赤旗のデータだと思いますが、これは、先ほどから何回も申し上げているように、そもそも力学試験でも何でもございませんので、これは設計には反映されません。

○赤嶺委員 軟弱地盤であることを認めたくないために、しきりに、防衛大臣、強引な答弁を続けておりますが、今後これはまた今国会でも議論していきたいと思います。
 だから、設計変更申請には反映しないということですね。するかしないか、その点を述べてください。

○河野国務大臣 繰り返しになりますが、これは力学試験でも何でもございませんので、設計に供するものではございません。

○赤嶺委員 では、引き続きそこは議論していきたいと思います。
 去年の通常国会で大問題になったB―27の軟弱地盤の問題です。これは引き続き追及していきますが、去年の通常国会は更に大きな問題になったことがありました。それは、普天間基地の移設先と言われている辺野古について、工期や、工事の期間や費用がどうなるのかという、これも大きな議論になりました。
 政府は、昨年十二月、新たな見積りを明らかにしました。工期を当初の五年から二倍近い九年三カ月、米軍への提供手続などを含めた全体では十二年に延長いたしました。費用もこれまでの三千五百億円から二・七倍の九千三百億円に引き上げました。ほぼ一兆円かかるということになっています。
 日米両政府が普天間基地の返還に合意したのは、一九九六年の橋本・モンデール会談です。来年四月には二十五年目になります。四半世紀にわたるわけですが、その上、更にあと十二年かかるということを去年発表したわけですね。このどこが一日も早い返還につながっていくんですか。
 総理、辺野古にこだわっていたら普天間の返還は実現できない、もうこれははっきりしてきたんじゃないですか。総理、いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 まず、これは多くの方々と共有できるのではないかという認識なんですが、住宅や学校に囲まれて、世界で最も危険と言われている普天間飛行場の一日も早い全面返還は、これは共有できる認識だと思いますが、それは政権の最優先課題でもあります。
 普天間飛行場が、現在、今まで有してきた三つの機能のうち、二つを県外に、残る一つを辺野古に移設をするわけでございます。
 これは繰り返し御説明をしてまいりましたが、安倍政権においては、空中給油機十五機、全て岩国飛行場への移駐を実現をいたしました。これは長い間実現できなかったことでありますが。また、緊急時における航空機の受入れ機能を九州の自衛隊基地へ移すことについても日米間で合意することができました。
 残る辺野古移設については、日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせた唯一の解決策であり、平成二十五年に県知事から埋立承認をいただき、工事を進めてきたところであります。
 この辺野古移設を進めていくため、昨年十二月、沖縄防衛局より工期等の検討結果をお示しをしました。引き続き、工事を着実に進めることが一日も早い普天間飛行場の全面返還につながっていく、このように考えているところでございまして、今後とも、地元の皆様の御理解を得る努力を積み重ねながら、全力で取り組んでいきたい、このように考えております。

○赤嶺委員 一日も早い解決が辺野古と言いますが、あと十二年かかるんですよ。あと十二年普天間の危険を放置しておくんですか。
 しかも、あと十二年というのは、玉城デニー知事が設計変更承認申請を認めたときから十二年ですよ。玉城知事は辺野古の新基地建設に反対しています。ですから、設計変更申請についても極めて厳しいやはり審査をやるでしょう。そして、認めないということが出た場合は、国は沖縄県を相手取って、裁判になっていくでしょう。裁判になって、その結論が出てから十二年ですよ。
 普天間の危険を解決する唯一の道、一日も早い解決、これが何で十二年以上もかかるんですか。そういうことを言っていたら、普天間の問題は絶対に解決しない、そういうことになるんじゃないですか。

○安倍内閣総理大臣 そもそも、今までの経緯でございますが、これは平成八年に当時の鳩山総理とモンデール大使が合意をした……(発言する者あり)橋本首相とモンデール大使が合意をしたところでございますが、そしてそのときに、これは県内の移設ということと、また同時に、現在果たしている非常に重要な機能と能力を維持しなければならないということで合意をしたのでございます。
 その後、県知事あるいは名護市長の同意のもと、これは小渕内閣でありましたが、移設先を辺野古とした。そして、平成十四年に小泉内閣のときに、これもやはり沖縄県、地元自治体で構成する協議会において、辺野古での建設は埋立方式で行うことを決定をし、そしてさらには平成十八年に、これは小泉内閣のときなんですが、V字形とすることで沖縄県、名護市と合意をして進めてきたところでございます。
 しかし、その間、五年間にわたって環境影響評価を行いましたが、県知事からは千五百件以上に及ぶ意見をいただき、これを全て反映をしているわけでございます。
 こうした努力は重ねてきたところでございますが、御承知のように、民主党政権において移設先をゼロベースで再検討をしたということでございますが、しかし、結局、他の場所を示すことはできず、再び辺野古を移設先として決定をし、閣議決定もしているわけでございます。
 混乱はありましたが、安倍政権になり、平成二十五年に県知事から埋立承認をいただき、自然環境や住民の生活環境にも最大限配慮をし工事を進めてきたところでありまして、今後とも、地元の皆様の御理解をいただく努力を進めながら進めていきたい、このように考えております。

○赤嶺委員 軟弱地盤が見つかって工期が十二年延びたのは、民主党政権の責任ですか。そんなのは違いますでしょう。
 我々はもともと、向こうは軟弱な地盤だ、しかもサンゴも多い、そういう中で工事をやったら辺野古の基地の完成はいつになるかわからないと。これは安倍内閣になってから始めたんですよ、軟弱地盤の工事は。安倍内閣になってから、あと十二年。しかも、民意に耳を傾けないので反対の声が強くなって、今ではもう、普天間の危険性の解決のために辺野古の基地をつけることなどは絶対に解決の道ではない、普天間の危険は、直ちに運用停止、閉鎖、撤去すべきだ、こういうことを民意は言っているわけですよ。
 総理、小学校で、ヘリが飛んできたらシェルターの中に子供たちが隠れていく、こんなのが学校設備としてあり得ますか。保育園の頭上を軍用ヘリが飛んでいく。それを、飛ばないという約束を日米間で合意しているのに、そんな合意なんか守れない。合意を守らせてくれといって日本政府に要求したら、アメリカに伝えますと言うだけ。こういうことがある以上、新たな基地に沖縄県民が反対するのは当たり前じゃないですか。
 移設先をつけずに普天間基地は直ちに閉鎖、撤去すべきだということを、しかも、いつも何か、普天間基地、辺野古の問題で詰まったら民主党政権を出しますが、軟弱地盤に手をつけて、あと十二年、大体、安倍内閣になっても、二〇二二年までにはできると言っていたじゃないですか。それが今では二〇三〇年ですよ。そんなのは絶対に解決になりません。
 国際法に違反してつくった普天間基地は直ちに閉鎖、撤去する、こういうことをぜひ強く求めておきたいと思います。
 もう一つ問題があります。
 農水大臣に伺いますが、資料をお配りしてあります。
 農水大臣は、一月三十一日、沖縄県に対し、地方自治法に基づく是正勧告を発出いたしました。沖縄防衛局が大浦湾側の工事の前提となるサンゴの移植に着手できるよう許可を出すことを求めたものであります。驚きました。何で農水省が防衛省の後押しをしているんだと。
 しかし、今、埋立承認を沖縄県が撤回して、それにかかわって国と県との間で二つの裁判が進行中であります。係争中です。ましてや、設計変更はまだ沖縄県に申請もされておりません。
 工事継続の是非そのものが問われているときに、工事を前提としたサンゴの移植が、何で沖縄県に対して勧告を出したりするんですか。その判断はできるはずがないじゃないですか。裁判が係争中、設計変更申請は出していない、だのにサンゴは移せという、こんなのは農水省が言うことですか。サンゴを守れと言うのが農水省の立場でしょう。いかがですか。

○江藤国務大臣 サンゴ移植の特別採捕許可申請に対する審査判断は沖縄県によって行われるものでありますが、沖縄県知事が長期間、標準処理期間を大きく超えて判断を示していただけていない、訴訟の間は判断しない旨を表明されている、今先生がおっしゃったとおりでございます。そのような中に、沖縄防衛局長から農林水産省に対して、標準処理期間を大幅に経過しても沖縄県から申請に対する判断が示されないことについて連絡がございました。
 このため、農林水産省としては、事実関係を確認したところ、沖縄県から合理的な説明はいただけませんでした。申請内容に不合理な点も見当たらなかったということでありますので、沖縄県に対して許可をすべき旨の勧告を行ったところでございます。

○赤嶺委員 農水大臣、標準期間というのは、裁判に国を訴えていない場合に適用する話でしょう。工事の前提となる埋立承認撤回、これが裁判所で争われている。裁判所で争われているときに、工事の前提になるサンゴの移植について判断することはできません、沖縄県がこのように主張する、合理的じゃないですか。それを、何で農水省がくちばしを入れるんですか。おかしいじゃないですか。
 標準期間というのは、裁判という事態がなければいいですよ。今裁判で争っている最中ですよ。そういうときに、環境の問題もある、いろいろな問題で今は判断できない、極めて合理的だと思いますよ。その合理性を超えて、農水省が防衛省から頼まれたからといって沖縄県に対して圧力をかける、余りにもひどいんじゃないですか。恥ずかしくないですか、農水省。

○江藤国務大臣 圧力をかけたというようなことではまずないということを申し上げたいと思います。
 これにつきましては、いろいろ御意見はあろうかと思いますが、まず、申請について、詳細に調査をいたしましたが、問題はないというふうに判断をいたしました。
 そして今、先生の方から、係争中であるから標準処理期間は当てはまらないという御指摘がありましたけれども、四月と七月に二回の申請を行っておりますが、百八十一日、百七十四日、百二十七日、四十五日を大幅に超えても何ら回答いただけないという状況にございます。
 そしてまた、その判断しない理由について、裁判係争中であることをおっしゃいましたが、これは理由にならないというふうに判断いたしております。(発言する者あり)

○棚橋委員長 御静粛にお願いいたします。

○江藤国務大臣 そして、サンゴの移植先につきましても、有識者の方々、そういった方々の御意見をしっかりと調査をさせていただきましたが、移植先についても問題がないということでありますので、勧告をさせていただいた次第でございます。

○赤嶺委員 大変、結局、農水省なのか防衛省なのかわからないような主張であります。
 沖縄県民が新たな基地をつくることに反対して、そして、いろいろな法的な合理的な理由をきちんと示して、埋立てを強行する、大体、埋立工事が始まったのは、農水省が漁業法をゆがんだ解釈をして、そして、それから始まっているわけですよ。
 今、環境にも問題ないと言いましたが、防衛省に置かれている環境審査委員会が環境に問題ないと言ったから、農水省はこれに寄り添って、環境に問題ない、このように言っているようでありますが、あれは防衛省に置かれた組織でしょう。何で防衛省に置かれた組織を、他省庁の組織を農水省が、調べもしないで、防衛省が言っているから間違いないだろうと。
 こんな不当な圧力には絶対に沖縄は負けないということを申し上げて、質問を終わります。

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参考資料

委員会配布資料

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