国会質問

質問日:2019年 4月 24日  第198国会  国土交通委員会

中立公正とは言えない 衆院国交委 承認撤回取り消し裁決に

 

 日本共産党の赤嶺政賢議員は24日の衆院国土交通委員会で、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、石井啓一国土交通大臣が県の埋め立て承認撤回を取り消す裁決を下した(4月5日)問題について「とても中立公正な裁決とは言えない。自作自演としか言いようのない裁決だ」と厳しく批判しました。

 赤嶺氏は、審理員が軟弱地盤の問題に関し鑑定を依頼した日下部治・東京工業大学教授について、国交省の委員などを務めた経歴がないのかをただしました。国交省の塚原浩一水管理・国土保全局長は、日下部氏が国交省令に基づく施設等機関である国土政策技術総合研究所の評価委員を2001年から10年度まで務めていたことを明らかにしました。赤嶺氏は日下部氏が他にも国交省が設置した委員会等の委員を務めていたと指摘し、「大臣は知っていたのか」と追及。石井氏は「専門的知見から鑑定してもらった」と繰り返しました。赤嶺氏は「国交省と密接な関係のある専門家しか選ばなかった。とても中立公平とは言えない」と強調しました。

 赤嶺氏は、沖縄防衛局が工事の全体設計を県と協議しなかったことが埋め立て承認時に付した留意事項に反していると県が主張している点について、大臣はどのように判断したのかと質問。石井氏は「留意事項は実施設計の全体について事前協議を行うことまで求めていない」と答弁しました。赤嶺氏は「有権解釈権を持っているのは県だ。なぜ国交相が勝手に解釈できるのか。審査庁である国交省まで防衛局の言い分をオウム返しにしている」と厳しく批判しました。(2019年5月1日 しんぶん赤旗)

質問の映像へのリンク

埋め立て承認取り消しを批判(衆院国土交通委)

議事録

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 きょうは、国土交通委員会で質問を与えていただきました。委員長を始め、理事の皆様にお礼を申し上げたいと思います。
 私も、日吉議員に続きまして、辺野古新基地建設の問題について質問をいたします。
 四月五日、石井大臣は沖縄県の埋立承認撤回を取り消す裁決を出しました。沖縄防衛局が同じ政府内の国交大臣に審査請求を行い、大臣が審査することについては、当初から自作自演だという強い批判が上がっていました。
 この審査のために審理員が一人指名されております。この審理員は、軟弱地盤の問題について東京工業大学の日下部治教授に鑑定を依頼しています。日下部教授に鑑定を依頼することについて、大臣はいつ知ったんですか。

○石井国務大臣 行政不服審査法第三十四条におきまして、審理員は職権で適当と認める者に鑑定を求めることができるとされており、本件につきましても、この行政不服審査法の規定に基づき、審理員が、平成三十一年一月二十四日付で、沖縄防衛局が作成をした地盤に係る設計・施工の検討結果報告書の内容の当否について、日下部先生に鑑定を依頼したものと承知をしております。
 私は、審理員が日下部先生に鑑定を依頼した後に、事務方からその旨の報告を受けたところであります。

○赤嶺委員 四月十日の外務委員会で、私の質問に対し国交省は、鑑定を複数人に依頼する選択肢もあったが、時間がなかったので一人にした、このように答弁しております。
 辺野古の地盤改良の工事については、これまで経験したことがないほどの難工事になると指摘する専門家もいらっしゃいます。そもそも、土木や地盤工学は、同じデータでも見る人によって解釈が異なることがよくある、このように言われています。
 さまざまな見解がある中で、なぜ一人の鑑定結果だけで裁決を行ったんですか。複数人に鑑定を依頼するよう大臣は指示しなかったんですか。

○石井国務大臣 繰り返しになりますけれども、行政不服審査法第三十四条において、審理員は職権で適当と認める者に鑑定を求めることができるとされており、本件につきましても、こうした行政不服審査法の規定に基づき、審理員が、平成三十一年一月二十四日付で、沖縄防衛局が作成した地盤に係る設計・施工の検討結果報告書の内容の当否について、日下部先生に鑑定を依頼したものと承知をしております。
 なお、行政不服審査法上、審理員は、個別の審理手続について、審査庁の指揮を受けることなく、みずからの名において審理を行うこととされておりまして、私から鑑定人の選定について指示をすることは、このような法律の趣旨に反することとなります。
 いずれにいたしましても、日下部先生は、地盤改良や地盤工学の研究経験が四十年を超え、その実績が国際的にも評価をされておりまして、日下部先生に鑑定を依頼すれば、審理手続に必要な専門的な御意見をいただけるものと判断したものと承知をしております。

○赤嶺委員 鑑定人を複数選ぶということもその審理員の頭の中であったけれども、結局は一人になったということを私は問うているのであります。本当に、専門家がいろいろな意見がある中で、一人でよかったのかということであります。
 外務委員会で私は、日下部教授が辺野古工事を行っている業者から寄附や研究費などを受け取っていないか確認するよう求めました。依頼した鑑定人が関係者から寄附などを受けていないかということは、真っ先に確認すべきことであります。
 大臣は、審理員から報告書を受け取ったとき、日下部教授と工事業者との関係について確認いたしましたか。

○石井国務大臣 行政不服審査法上、審理員は、個別の審理手続について、審査庁の指揮を受けることなく、みずからの名において審理を行うこととされておりまして、私から鑑定人の選定等について指示することは、このような法律の趣旨に反することとなります。
 いずれにいたしましても、日下部先生は、地盤改良や地盤工学の研究経験が四十年を超え、その実績が国際的にも評価をされ、東京工業大学名誉教授、国際圧入学会会長等を務められている方であり、現在、国土交通省設置法に基づき置かれる審議会の委員にはなっていないことから、鑑定に当たっては、地盤改良や地盤工学に係る専門的な見地から中立公正な御意見をいただいたものと承知をしております。

○赤嶺委員 私は、大臣のところに審理員が裁決書を持ってきたときに、鑑定人が一人だけれどもこれは大丈夫か、そういう疑問も呈しなかったのかということを聞いているのであります。
 さらに、日下部教授の国交省内の審議会や外郭団体、国交省が設置した委員会などの委員としての経歴についても確認するよう求めています。この点について明らかにしていただけますか。

○塚原政府参考人 お答えします。
 把握できる範囲で確認したところ、国土交通省設置法に基づき置かれる審議会の委員にはなってございません。
 また、国土技術政策総合研究所につきまして、平成十三年度から平成二十二年度までの間、研究評価委員会分科会の委員についていらっしゃったことを承知をしております。
 そのほか、現在、一般財団法人沿岸技術研究センターの海洋・港湾構造物設計士資格制度監理委員会の委員長、また、国立研究開発法人海上・港湾・航空研究所港湾空港技術研究所の外部評価委員会の委員長に就任されているということを承知をしております。
 いずれにしましても、日下部先生は、四十年を超える豊富な研究の御経験もございますし、国際的にも評価をされているということもございまして、また、国土交通省設置法に基づき置かれている審議会の委員にもなっていないということで、鑑定に当たっては、専門的な見地から中立公正な御意見をいただいたものと承知をしております。

○赤嶺委員 今出ました国土技術政策総合研究所ですか、国総研、これはどのようなところですか。国交省とはどういう関係にあるのか、説明していただけますか。

○五道政府参考人 お答え申し上げます。
 国土技術政策総合研究所は、国土交通省組織令第百九十二条において施設等機関の一つとして位置づけられております。
 また、組織令第百九十四条において、国土の利用、開発及び保全のための社会資本の整備に関連する技術であって国土交通省の所掌事務に係る政策の企画及び立案に関するものの総合的な調査、試験、研究及び開発等を行うこととされております。

○赤嶺委員 つまり、日下部先生は、国交省内の一機関の評価委員であったということであります。
 日下部教授は、そのほかにも、先ほど説明がありましたように、国交省が設置した土木・建築の基本設計検討委員会、建設業等の国際展開フォーラム、とび・土工工事業の適正な施工確保に関する検討会の座長、こういう経歴も説明がありました。
 大臣、日下部教授という方は国交省の複数の委員会で委員を務めていた、そういう方ということ、これは御存じでしたか。

○石井国務大臣 先ほどから繰り返しになって恐縮ですが、行政不服審査法上、審理員は、個別の審理手続について、審査庁の指揮を受けることなく、みずからの名において審理を行うこととされておりまして、私から鑑定人の選定について指示する等は、このような法律の趣旨に反することとなります。
 いずれにいたしましても、日下部先生は、鑑定に当たって、地盤改良や地盤工学に係る専門的な見地から中立公正な御意見をいただいたものと承知をしております。

○赤嶺委員 私は、一人の専門家しか選ばなかった、しかも、国交省と密接にかかわりのある専門家しか選ばなかった、これでは国交省そのものじゃないかという疑いさえ持つわけですね。複数人に依頼することもできたのに、一人にしか依頼しなかった。さらに、その一人というのは、国交省が設置する委員会などの委員を何度も務めたことがあった。これで中立公正だととても言えない、このように申し上げておきたいと思います。
 問われているのは、今度の審査庁、もともと行政不服審査請求に、防衛局はそれを使うこと自体が間違いですが、中立公平性、これも担保されていなかったということも強く申し上げておきたいと思います。
 それでは、裁決書の中身について伺います。
 そもそも、沖縄県は、軟弱地盤が明らかになったため、辺野古新基地建設による普天間飛行場からの移駐は早期にはなし得ないことを撤回の理由に挙げていました。
 大臣は、この撤回理由について、どのように判断したんですか。

○石井国務大臣 沖縄県は、行政不服審査手続におきまして、地盤改良工事により工期が延びれば普天間基地の返還がおくれるとして、公有水面埋立法第四条の「国土利用上適正且合理的ナルコト」の要件を満たさないと指摘をしておりました。
 行政不服審査法に基づき審理員が求めた鑑定の結果や、沖縄県及び沖縄防衛局の双方から提出された書面の内容を検討したところ、地盤改良工事は施工実績も豊富な一般的な工法によること、今後の詳細な検討によって、より合理的な設計、施工方法によることも考えられることからいたしますと、工期が延びるといたしましても、埋立てが実現可能なものと見込まれる状況にあることから、公有水面埋立法第四条の埋立承認の要件を満たさないとは言えないと判断をしたところでございます。

○赤嶺委員 工期が延びるとしても工事は完成するんだというのは本当にとんでもない発言ですよ、これは。大臣、自分の発言の意味を御存じですか。
 沖縄県が指摘しているのは、工期が長くなり、そして、政府が繰り返し言ってきた、辺野古新基地建設を推し進めるために、普天間飛行場の早期返還ができないということを政府は言ってきたじゃないですか。それを理由に行政不服審査請求をやったじゃないですか。工期は延びるが工事は完成する、そんなのは全く今まで言ってきたことと違うじゃないですか。
 沖縄防衛局は、埋立承認申請の中で、辺野古に新基地をつくる理由について、普天間飛行場の危険性を早期に除去する必要があり、極力短期間で移設できると書いてあるんですよ。今回の審査請求でも、普天間飛行場の危険性除去が喫緊の問題である、このように繰り返しているわけです。工事が完成するかどうかだけでなくて、普天間基地が早期に返還できるかどうかが撤回の争点であることは明らかではありませんか。
 防衛局の地盤改良に関する報告書でも、辺野古新基地が完成するまで少なくとも十三年はかかることが明らかになっています。詳細設計はこれからであります。いまだに、砂の調達のめども立っていません。さらには、地盤改良に必要な作業船も計画どおり確保できるかも不透明な状況であります。
 これでは、当初の政府の原点である、防衛局の原点である普天間基地の早期の返還などできないじゃないですか。それを何で、いや、いつかは工事が完成するから防衛局は正しいという、そんな判断ができるんですか。どうですか。

○石井国務大臣 重ねての答弁になりますが、行政不服審査法に基づき審理員が求めた鑑定の結果や、沖縄県及び沖縄防衛局の双方から提出された書面の内容を検討したところ、地盤改良工事は施工実績も豊富な一般的な工法によること、今後の詳細な検討によって、より合理的な設計、施工方法によることも考えられることからいたしますと、工期が延びるといたしましても、埋立てが実現可能なものと見込まれる状況にあることから、公有水面埋立法第四条の埋立承認の要件を満たさないとは言えないと判断をしたところであります。

○赤嶺委員 本当に横暴勝手な判断であります。もともと、早期の普天間基地の返還、そのために唯一の辺野古新基地建設と言っていながら、いまだに完成の時期も見えない、そして軟弱地盤の作業体制もわからない、こういう中でも、勝手に政府がやはり閣議決定に縛られて辺野古を唯一だと。あと、早期の工事の完成なんか問答無用ということで、最初の論点をわざわざそこからずらした大臣の答弁だと言わざるを得ません。
 それで、沖縄県は、防衛局が全体の実施設計を県と協議しないまま護岸工事に着工したことが、埋立承認に付した留意事項、留意事項の一番目に、工事の実施設計について事前に県と協議を行うこと、こう言っておりますが、それに違反すると指摘しております。
 この点については、大臣はどのように判断したんですか。

○石井国務大臣 沖縄県は、行政不服審査手続において、埋立承認に付した留意事項一、実施設計協議の不履行があったと指摘をしておりました。
 しかしながら、留意事項一は、実施設計の全体について事前協議を行うことまでは求めておらず、工事の実施段階に応じて、その工事の実施前に協議することも否定していないものと認められます。
 また、留意事項一における協議は、承認との文言が用いられている他の留意事項とは異なり、最終的に処分庁の了解を得ることまで必要としないものと解釈をされます。実際に行われた協議の期間や内容からすれば、留意事項一で求められる協議が行われていないとは言えません。
 このようなことから、沖縄防衛局が留意事項一に違反したと言うことはできないと判断をしたところであります。

○赤嶺委員 留意事項というのは、処分庁がつけた、沖縄県がつけた留意事項ですよね。これをどう解釈するかというのは、有権解釈は沖縄県の側にあるのではありませんか。何で国交省が、実施設計全体について事前協議は行わなくていいんだとか、果ては沖縄県の許可を得なくてもできるんだとか、そんな勝手な解釈ができるんですか。

○塚原政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の留意事項一につきましては、工事の施工について、工事の実施設計について事前に県と協議を行うことというふうにされております。一方で、留意事項の四には、添付図書の変更についてということで、申請書の添付図書等につきまして変更して実施する場合には承認を受けること、こういうふうに書き分けがしてございます。
 そういう趣旨を踏まえまして、留意事項一における協議は、承認との文言が用いられているほかの留意事項と異なり、最終的に処分庁の理解を得ることまでは必要としないものというふうに解釈されるというふうに考えております。
 また、留意事項一につきましても、文章上、実施設計の全体について事前協議を行うことまでは求めておらず、工事の実施段階に応じて、その工事の実施前に協議することも否定していないものというふうに考えております。

○赤嶺委員 まさに政府の都合のいいように留意事項を解釈する、有権解釈は沖縄県が持っているのに、牽強付会というのか、政府の自分勝手というのか、そういうやり方が沖縄県民の怒りを呼んでいるわけであります。
 県は、軟弱地盤が見つかったことを含めて、全体の実施設計が示されなければ安全性を認めることはできない、このように指摘してきました。大浦湾側の地盤改良工事について県に承認変更申請を行うことは防衛省も認めていますが、全体の実施設計が示されなければ安全かどうかわからない、このように言っている県の主張に国は従うべきじゃないですか。いかがですか。

○塚原政府参考人 お答え申し上げます。
 繰り返しで恐縮でございますけれども、留意事項の一の不履行という沖縄県の指摘につきましては、裁決の上では、留意事項一は、実施設計の全体について事前協議を行うことまでは求めておらず、工事の実施段階に応じて、その工事の実施前に協議することも否定していないというふうに認められると考えております。

○赤嶺委員 繰り返しますけれども、留意事項の有権解釈権は沖縄県の側にあり、国が自分たちの都合のいいように解釈して、果ては審査庁である国土交通省まで中立公平性を失って防衛局の言い分をオウム返しにしている、これじゃとても中立公平な裁決とは言えません。自作自演としか言いようのない今度の国土交通省の裁決だということを申し上げておきたいと思います。
 それじゃ、防衛省にお伺いをしますけれども、沖縄防衛局は、水面下九十メートルの深さまで軟弱地盤が広がっているB―27の地点について、強度を調べるボーリング調査は行っていないことが明らかになっています。岩屋大臣は、国会で、B―27地点の強度について、S―3地点など離れた場所の調査結果をもとに、水深約七十メートルより深い土の層は非常にかたい粘土層に分類されると答弁しています。
 防衛省が提出した地盤に係る設計・施工の検討結果報告書では、具体的にB―27地点のあるC―1護岸付近では水面下何メートルからかたい粘土層になるとしているんですか。

○辰己政府参考人 お答えします。
 御指摘の報告書十六ページにおいて、Avf―c層とAvf―c2層、これは物理試験、力学試験の結果により、地盤強度等の特性が異なるから分離をしているということでございまして、地層境界としては、C―1護岸周辺ではCDLマイナス七十四メーター程度であって、上記グラフというのはこの十六ページのグラフですが、その中で、GLからの深度四十二メートル付近と記載しております。

○赤嶺委員 難しい専門用語も飛び出しましたけれども、つまり、かたい粘土層になっているのは水面下七十四メートルというぐあいに報告書の中では書いてある。水面下七十四メートルだけで、地層が変わるというのは、注釈にそういう記述があるわけで、防衛局が根拠として出している図を見ても、七十四メートルなのか、これは全くわかりません。
 防衛省がB―27地点の地層の強度を推定するのに用いた、S―3地点の調査結果を使っています。ところが、S―3地点の調査結果を見てみますと、海面下七十六・七メートルで地層が変わるとしています。S―3地点は七十六・七メートルなのに、なぜB―27地点では七十四メートルというぐあいに違うんですか。S―3地点から推定したわけですよね。何で違うんですか。

○辰己政府参考人 土の層の分布は場所によって異なります。その分布状況に応じて地盤の強度が場所ごとに異なる、これは一般的だと思っています。
 その上で申し上げますと、報告書の十六ページに、こうした場所ごとの調査結果を総合して、Avf―c2層などの地盤強度特性を示しております。ここにおきましては先ほど来申している七十四メーターということで、そういう点をこれまでも述べているところでございます。

○赤嶺委員 ぴたりと当てたんじゃなくて、総合して、いろいろ図を見たら大体七十四メートルだねというぐあいの答弁だったと思います。
 七十四メートル、七十七メートル、深さの違い、意味があるんですが、もうちょっと聞いていきます。
 報告書では、非常にかたいとされる粘土層の特徴について示されています。特徴の一つは、土の色について、目視観察では黒灰の色調を示すということで間違いありませんね。

○辰己政府参考人 御指摘の点は報告書の六ページのことだと思いますが、Avf―c2層については、Avf―cの下部に堆積している土層で、目視観察では有機物を含んだ黒灰の色調を示し、上部のAvf―cと異なる、こういう記述をしております。

○赤嶺委員 つまり、黒灰の色調、これがかたいという証明になるというぐあいになっているんですが、防衛局は、B―27の地点の土質について調査した柱状図では、水面下七十七メートルから黒灰色になると記載していますよね。

○辰己政府参考人 御指摘の点につきましては、ケーソン新設工事の土質調査結果の報告書でございますが、ここにおきまして、B―27地点の柱状図、これにつきましては標高マイナス七十七・〇三メーターから黒灰と記載しております。

○赤嶺委員 もう終わりますけれども、七十七メートルからというぐあいの資料も提出させていただきました。
 つまり、七十七メートルからは安定度の計算式に当てはめると非常に不安定になる、七十四メートルでは安定する、つまり、今まで安定する安定すると言ってきた指数そのものを、実際の調査結果の数字を偽って国会で説明している。これは非常に許しがたいことで、引き続き追及していきたいと思います。
 終わります。

すべて表示

参考資料

B-27総括図

このページをシェアする