赤嶺政賢議員は2月27日の衆院予算委員会分科会で、米軍AH1ヘリコプターが沖縄県渡名喜村入砂島に不時着した問題(同月6日)を取り上げ、日米地位協定を改定するよう求めました。
同機は同月11日、機体番号を隠した状態で読谷村のトリイ通信施設へとつり下げ移送されました。赤嶺氏は、過去の不時着機と同一機ではないかとの不安が地元で広がっていると紹介し、「なぜ機体番号を隠していたのか」と追及。防衛省は「米軍から答えられないと回答があった」と述べました。
赤嶺氏は、昨年、米軍機の相次ぐトラブルを受けても日本政府が検証しなかったもとで不時着が繰り返されているとして、「日本政府も重大な責任がある」と指摘。不時着について地元自治体に通報がなかったと重ねて批判し、「米軍は通報するのが当然ではないか」と主張しました。
河野太郎外相は「周辺の方々に不安感を与えないようにする」と繰り返しました。
赤嶺氏は、つり下げ移送についても事前に連絡がなく、読谷村議会が決議で「早急に連絡すること」を求めていると指摘し、「なぜ連絡がなかったのか」とただしました。防衛省は、「米軍に事前に情報提供するよう申し入れている」と答弁しました。(しんぶん赤旗 2019年3月6日)
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議事録
○赤嶺分科員 日本共産党の赤嶺政賢です。
きょうは、米軍機事故にかかわって、地位協定の問題等で質問をいたします。
河野大臣は、二月七日の参議院予算委員会で、事故時の規制線内への立入り権の確立について、日本当局がより適切に対応できるように指示をし、日米間で協議をしていることを明らかにいたしました。
おととし、米軍ヘリが高江の牧草地に墜落したとき、沖縄県と防衛局が規制線の内側に入ることができたのは、事故から六日たった後でした。既に機体は米軍が回収しており、日本側は、事故機を調査することも、機体に触れることさえもできませんでした。日米地位協定のもとで、日本側が米軍の財産を捜査、検証する権限を認められていないからであります。
大臣、外務省は、米軍機であっても日本側が検証する権利を行使できるように米側と協議している、そういうことですか。
○河野国務大臣 米軍の施設・区域外で発生した米軍機事故に関しては、二〇〇五年に日米合同委員会で合意された施設・区域外で発生した米軍機の事故に関するガイドラインに基づき、これまでも内周規制線内において日本側として必要な調査などを行っていると認識をしております。
この基本原則に基づき、内周規制線内における日本当局による適切な対応がより一層確保されるよう、私から指示をし、現在、事務レベルで米側と協議を行っているところでございます。
○赤嶺分科員 二〇〇五年のガイドラインというのは、実際、もう規制線の中では日本の主権が全く認められていないという事態で、非常に首長や当局の皆さんからも不満が高まっています。ですから、施設外で起きた航空機事故などについて、規制線の中で日本の当局が機体を調査し、検査することもできるようにガイドラインを見直す、そういうことですか。
○河野国務大臣 先ほど答弁したとおりでございます。
○赤嶺分科員 これは改善がされるのかどうか、全く予測がつかない。ガイドラインの原則の範囲内でといった場合には、本当に今、日本がその中で主権が行使できていない。問題は解決しないと思います。主権あっての見直しでなければならないと思います。強く申し上げておきたいと思います。
具体的な事故について伺いますが、二月六日、米軍普天間基地所属のAH1攻撃ヘリが渡名喜村入砂島に不時着しているのを住民が発見しました。不時着したヘリは、プロペラやローターが取り外され、十一日に別の大型ヘリにつり下げられて、読谷村のトリイ通信施設に運ばれました。
同型のヘリは、おととし一月にも伊計島の農道に不時着しています。昨年一月には、読谷村の民有地と渡名喜村の村営ヘリポートに相次いで不時着いたしました。
三年連続で同型ヘリが不時着を繰り返すなど、余りにも異常なことだと思いますが、防衛省にそういう認識はありますか。
○原田副大臣 米軍機の飛行に際しましては安全の確保が大前提であり、米軍機による事故等は、地域住民の方々に大きな不安を与えるもので、あってはならないと思います。
防衛省としては、累次の機会を捉え、米側に対し、航空機の運用に当たっての点検整備の確実な実施、安全管理の徹底等について申し入れておるところでございます。
いずれにしましても、引き続き、米側に対し、米軍機の飛行に際しては、安全面に最大限配慮するとともに、周辺地域に与える影響を最小限にとどめるよう強く求めてまいります。
○赤嶺分科員 今回不時着した機体は、機体番号や所属を記した数字がガムテープで隠された状態で移送されております。地元では、以前に不時着した機体と同じではないか、こういう不安が広がっております。
なぜ、米軍は機体番号を隠していたんですか。同じ機体だったのではありませんか。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の、二月六日に沖縄県渡名喜村の出砂島射爆撃場に予防着陸をした米軍AH1Zヘリの機体番号につきまして、米側に確認をしたところ、米側からは、運用にかかわる情報保全の観点から、機体番号等に関することは答えられないという旨の回答があったところでございます。
いずれにいたしましても、先ほど副大臣から御答弁申し上げましたとおり、米軍機の飛行に際しましては安全の確保が大前提との認識のもと、引き続き、米側に対し航空機の安全管理に万全を期すよう求めていく考えであり、周辺地域の方々に不安感、不信感を与えることのないよう取り組んでまいりたいと考えております。
○赤嶺分科員 いやいや、さっきの副大臣の答弁、今の答弁とも、ガムテープを張りつけていたのとは矛盾すると思いますよ。
教えてくれないなんて、ちょっとひどいんじゃないですか。米軍が機体番号を隠していたわけですから、これは同じ機体であったことを隠すためであったということではありませんか。
同じ機体であるかどうか、皆さん、確かめましたか。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
重ねての答弁になって恐縮でございますが、防衛省としましては機体番号等について照会を行ったところでございますが、米側からは、運用に係る情報保全の観点から、機体番号等に関しては答えられないという回答があったところでございます。
○赤嶺分科員 そういうこともわからないで、航空機の安全な運用を求めているとは到底思えません。同一の機体が不時着を繰り返しているとしたら、それこそ大問題であります。
大問題だと思いませんか、原田副大臣。
○原田副大臣 米軍の方へは申入れをいたしておりまして、今局長の方から答弁をさせていただきましたとおりのことでございまして、防衛省の方にはまだ回答をいただいておらないというのが事実でございます。
○赤嶺分科員 いやいや、米軍は教えないと言っているんですよ。教えないことが大問題じゃないかということを私は聞いているわけです。
おととしや昨年も、米軍は、今回と同様に、飛行中に警告灯がついたため緊急着陸したという説明を繰り返しました。昨年、相次ぐ米軍ヘリの事故を受け、日本政府は、全てのAH1ヘリの整備点検とその間の飛行停止を米軍に求めました。米軍は、ヘリ部隊に対し抜き打ちの安全検査を行ったと回答しました。
しかし、当時の小野寺防衛大臣は、米側の説明をそのまま受け取るわけにはいきません、こう述べ、AH1ヘリについてアメリカ側が実施した点検整備について、防衛省として、今後速やかに、自衛隊の専門的、技術的な知見を活用して確認、検証を行う予定であります、こう述べておりました。
ところが、結局、自衛隊は検証を行いませんでした。
こういうことをやっているから、米軍機の不時着が繰り返されているのではありませんか。
○原田副大臣 今御指摘のように、これまでも、米軍機が予防着陸等をした場合はその都度米側から点検整備の結果などの報告を受けているところでありまして、それぞれの事案に即して、防衛省・自衛隊の知見も活用しつつ、米側の判断の妥当性等を確認してきているところです。
加えて、現在、日米の飛行安全に関する専門家会合を開催し、飛行安全に関する知識経験を有する自衛隊と在日米軍の専門家により、予防・緊急着陸の考え方を含めた、飛行安全をテーマにしたより包括的な議論を実施することで、日米双方の飛行安全の向上に取り組んでおるところでございます。
いずれにしましても、米軍機の事故等は、周辺地域の方々に大きな不安を与える、あってはならないものであり、防衛省といたしましては、引き続き、米側に対しまして安全管理の徹底等について強く求めてまいります。
○赤嶺分科員 小野寺大臣は当初、あれは名護の選挙前でしたからそういうアピールをしたかったんでしょうけれども、事故機の検証と言ったんですよ。
だけれども、それは果たされず、ついに行われず、今、政府の態度は包括的な専門家会合ということになって、事故を起こした機体に対する検証なんて、本当にもう雲のかなたの方に行っているわけですね。絶対に事故機が検証されないような、そういうところを、日米両政府が。ですから、政府もこの事故の頻発については重大な責任があると思いますよ。
私は、今回の問題について、通報についてもちょっとかかわって伺います。
今回の事故について、六日に不時着が確認されてから十一日に運び出されるまで、米軍からは日本政府にも自治体にも通報がありませんでした。
入砂島の近海というのは、訓練がないときには、シロイカやタイなどの漁も認められている海域であります。渡名喜村長は、本来ならふぐあいがあった時点で知らせるべきだったと指摘しています。
外務大臣、不時着を繰り返しているヘリが住民の生活圏にまた不時着すれば、住民が不安を感じるのは当然であります。今回の場合も、米軍は、沖縄県や地元自治体に通報するのが当然ではありませんか。
○河野国務大臣 外務省としては、米軍機の飛行に際しては安全の確保が大前提との認識のもと、引き続き、米側に対し航空機の安全管理に万全を期すよう求めていく考えであり、周辺地域の方々に不安感、不信感を与えることがないように取り組んでまいります。
○赤嶺分科員 不信感、不安感を与えないために、日米間で通報という仕組みがつくられたんですよね。そういう通報の仕組みに沿って、今回の入砂島への不時着も通報すべきだったんじゃないかということを外務大臣に伺っているんです。
○河野国務大臣 平成九年の在日米軍に係る事件・事故発生時における通報手続に関する日米合同委員会合意において、通報経路に関するチャートを作成し、その中で、事件、事故が発生した場合、現地の司令官より現地防衛局を通じて関係都道府県及び市町村に直接通報が行われるよう経路の明確化を図っており、これにより、関連の市町村にも事件、事故に関する情報が伝達されると認識をしております。
いずれにせよ、政府としては、通報を着実に実施するためには、日米合同委員会合意に沿った日米当局間の迅速かつ正確な情報伝達が不可欠であると考えており、引き続き、この点について日米間で取り組んでまいります。
○赤嶺分科員 そういうチャートもつくられているとはいっても、それに沿って通報は行われませんでした。
本当に島の人々は、羽根のないそういう戦闘機、ヘリがずっと島に、演習場にいる、日曜日は、訓練がない日は漁にも行けるんだが、行けるかなという不安が増大しておりました。
さらに、問題なのは、そのヘリをつり下げて移送したわけですね、もう自力で飛んでいけなくなって。地元自治体に連絡があったのは、移送が完了した後でありました。読谷村では、過去に、米軍の大型ヘリがつり下げ訓練中に車両を海上に落下させる事故が起きています。一歩間違えれば、重大な事故につながりかねません。
読谷村議会は、米軍による事件、事故などの処理については、地元自治体に早急に連絡することを要求しています。県も、事前の情報提供を求めました。今回、なぜ地元自治体に連絡がなかったんですか。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
出砂島射爆撃場に予防着陸をしたAH1Zヘリは、委員御指摘のとおり、メンテナンスのため、米軍のCH53Eヘリにより読谷村のトリイ通信施設まで輸送され、その後、トリイ通信施設から普天間飛行場に帰島したというように承知をしているところでございます。
防衛省といたしましては、これらの情報を受けまして、速やかに関係自治体、すなわち沖縄県、渡名喜村、読谷村及び宜野湾市に情報提供を行うとともに、米側に対しましては、地元への影響も考慮をし、今後、万々が一同様の事案が発生した場合には事前に情報の提供を行うよう、申入れを行っているところでございます。
○赤嶺分科員 つまり、皆さんがやったのは、事後にその関係自治体に知らせたということであって、今後は、渡名喜村にもそれから読谷村にもこういうケースの場合には事前にちゃんと通報を行うべきだ、そういうことを米側に要求したんですか。
○中村政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど御答弁申し上げましたとおり、万々が一同様の事案が発生した場合には事前に情報の提供を行うよう、米側には申入れを行っているところでございます。
○赤嶺分科員 じゃ、これは今回も通報すべき事柄で、事案であったというぐあいに認識していたということですね。
もう一件あります。今度は、名護市の数久田の米軍流弾事故について質問をいたします。
昨年六月二十一日、数久田にある農作業用の小屋で、米軍のものと思われる銃弾が発見されました。銃弾によって二枚の窓ガラスが割れていました。
事故から半年たった十二月、米軍はようやく、銃弾がキャンプ・シュワブ内の実弾射撃演習場、レンジ10から演習中に発射されたものだと認めました。しかし、原因究明もまだ終わっておらず、再発防止策もとられていません。
ところが、昨年十二月二十一日、米軍は、レンジ10での訓練再開を一方的に通告をしてきました。
原因究明もなされないまま訓練を再開するなど、外務大臣はこういうことを認めるんでしょうか。
○河野国務大臣 米側からは、昨年十二月に、発見された銃弾は、米軍第三海兵機動展開部隊の所属部隊がキャンプ・シュワブ内のレンジ10において実弾射撃を実施した五十口径弾である、原因は、レンジ使用の規則を守らず、不十分な手順で発射されたということ、レンジ10においては、五十口径弾による実弾射撃訓練について、今後同様な事案の発生を防止する措置が施行されるまで実施しないという説明を受けているところでございます。
いずれにいたしましても、米軍の運用に当たって、地域住民の方々の安全確保は大前提であり、事件、事故はあってはならないもので、引き続き、米側に対し、安全面に最大限配慮するよう強く求めていく考えでございます。
○赤嶺分科員 手順を間違えたという連絡だけで、同様の銃弾は使わないということで、明確な原因究明も再発防止策も日本側に連絡がないまま、報告がないまま、実弾射撃訓練は再開しているわけですね。それを今後は安全にしていくという保証は全くないわけです。
レンジ10では、これまでも流弾事故が繰り返されてきました。
米軍は、民家などへの機関銃乱射事故を受け、一九八〇年に安全対策として射角制御装置を設置すると説明しました。しかし、その後も、八七年には銃弾がタクシーを貫通し、二〇〇二年には、パイナップル畑で作業中の男性のすぐ後ろに銃弾が着弾する事故が起きました。そのたびに、日本政府は、射角制御装置を徹底する、安全対策をするんだと説明をしてきました。ところが、また同じ流弾事故が起きたのであります。
日本政府がこれまで県民に説明してきた安全対策、これで再発を防げなかったわけですが、さらに今回は、そういう再発防止策も何も示されないでその訓練を再開している。これじゃ事故は防げないのではありませんか、外務大臣。
○河野国務大臣 米側からは、そのレンジ10については、今般の事案で発見された銃弾による実弾射撃訓練は再発防止措置が施行されるまで実施しないとの説明がなされております。
いずれにしましても、米軍の運用に当たって、地域住民の方々の安全確保は大前提であり、事件、事故はあってはならないものであります。引き続き、米側に対し、安全面に最大限配慮するよう強く求めてまいります。
○赤嶺分科員 五十口径の弾丸は使わないということであって、実弾射撃訓練はもう再開しているんですよ。
何か五十口径に問題があったかのような指摘なんですね。ところが、沖縄県や名護市は、二〇〇二年の流弾事故のとき、レンジ10の撤去を求めました。日本政府は、米軍の訓練再開を容認しました。そのもとで流弾事故が繰り返されたんです。私は、あれこれ米側の言い分をそのまま、県民の不安を伝えることなく再開を認めた政府の責任は非常に重大だと思うんですよ。
キャンプ・シュワブは、周囲に民間集落が近接している欠陥訓練場、こういう認識を持たなければなりません。アメリカの会計検査院も、演習場が狭く実戦的な訓練ができない、こう指摘をしております。
名護市は、レンジ10の撤去等を求める抗議決議と意見書を全会一致で可決をいたしました。意見書は、演習が再開をされればまた被弾事故が起こることは火を見るより明らかである、このように強く指摘しています。
外務大臣、こういう欠陥演習場ですよ。口径五十の弾丸を使わないから安全だという、そんなことに、ああ、安全な演習場になったとだまされる県民じゃないわけですよ、被害を繰り返し受けているわけですから。やはりレンジ10の撤去を米軍に求めるべきではありませんか。
○河野国務大臣 米軍の運用に当たって、地域住民の方々の安全確保は大前提であり、事件、事故はあってはならないものであります。
他方、米軍が訓練を通じて技能の維持向上を図ることは、即応態勢という軍隊の機能を維持する上で不可欠な要素であり、日米安全保障条約の目的達成のために重要であります。
この事案は、人命にかかわりかねない重大な事案であり、外務省としては、アメリカ側に対して、遺憾の意を表した上で、捜査への協力を申し入れるとともに、原因の究明及び再発防止策の徹底を求めました。その結果、米側からは、このレンジ10について、今般の事案で発見された銃弾による実弾射撃訓練は再発防止措置が施行されるまで実施しないとの説明が行われました。
米軍の運用に当たって、地域住民の方々の安全確保は大前提であり、事件、事故はあってはならないものでありますので、引き続き、米側に対し、安全面に最大限配慮するよう強く求めてまいります。
○赤嶺分科員 何の答弁にもなっていないですよ。
だって、いわゆる今度の流弾の弾丸は使わないというだけで、レンジ10は今までと同じように実弾射撃訓練で使い続けるわけですよ。弾丸の種類の問題ではなくて、ここは民間集落に近い、しかもいろいろな流弾事故を繰り返し起こしてきた、そういう欠陥訓練場だというのを、アメリカの会計検査院もそう指摘しているわけですよ。
放置していたら人命にかかわる事故が必ず起きる、それよりも軍事の訓練が大事ですか。人命よりも軍事が大事ですか。やはりレンジ10の閉鎖を求めるべきではないですか。
○河野国務大臣 米軍の運用に当たって、地域住民の方々の安全確保は大前提であり、事件、事故はあってはならないものでございます。米軍の運用に当たり、安全面に最大限配慮するよう、引き続き強く求めてまいります。
○赤嶺分科員 私は、これは日本の外務大臣がやる答弁じゃないですよ。日本の外務大臣であれば、誇りを持って、県民の命を守るために米側に物を言う。物を言う外務大臣である立場を放棄していると思います。
結局、米軍がヘリ事故を起こしても、流弾事故を起こしても、日米地位協定の前には、訓練をやめさせることも実効性ある調査もできないのが実態であります。
昨年七月、全国知事会は、日米地位協定の抜本改定を求める提言を出しました。提言は、「国内法を原則として米軍にも適用させることや、事件・事故時の自治体職員の迅速かつ円滑な立入の保障などを明記すること」、このように指摘をしております。
知事会が提言を出して以降、都道府県や市町村で、提言を尊重し、日米地位協定の改定や見直しを求める意見書が相次いで出されています。衆議院の外務委員会に送られたものだけでも五十七件に上ります。地位協定改定は全国的な要求となっています。
外務大臣、こういう要求を重く受けとめて、地位協定の抜本改定、これに踏み出すべきではないかと思いますが、いかがですか。
○河野国務大臣 日米地位協定に関する具体的な問題につきましては、政府として、効果的で最も機敏に対応できる取組を通じ、解決してまいりたいと考えております。
○赤嶺分科員 終わりますけれども、外務大臣になる前の河野さんはそういう立場ではなかった、非常に悔しいものを感じているということを申し上げて、質問を終わります。